◆ 日本塗装時報 2003年9月18日発行 1803号掲載記事◆

■<日塗装> 第19回全国建築塗装技能競技大会札幌コンベンションセンターで開催

 (社)日本塗装工業会(大澤茂樹会長)は9月4、5の両日、札幌市の札幌コンベンションセンターで、第19回全国建築塗装技能競技大会を開催した。今回からは従来の1、2級の区分を「建築塗装技能大賞の部」と「同新人賞の部」に変更、1級出場者は資格制限をなくして、真に「日本一」の技能者を決める大会になった。また、競技課題に新規に「スウェード調仕上げ工法」を導入するなど、新しい塗装技能の可能性に挑戦した。
 同競技大会は、「人格識見の高揚、塗装技術の向上、後進の指導育成および時代の要請に対応した先端技術の普及」を目的に、2年に1回全国主要都市で開かれており、昭和43年の第1回大会から数えて今年で19回目。北海道での開催は今年が初めて。
 出場選手は、前回までは過去2年度中に1級または2級の資格を取得した技能者を対象にしていたが、今回からは1級出場者については資格取得年度の制限をなくした。全国10地区別に予選を行い、「建築塗装技能大賞の部」「同新人賞の部」それぞれ29人、合計58人の選手が出場、日頃磨いた腕を競った。
 競技課題は、新しく内装仕上げに、スウェード調仕上げ工法を採用。またますます磨きがかかったデコレイティブペイント技術による「フレックスコート自由仕上げ」は大会の華となった。
詳細は特集へ→
全国支部長会開く
 日本塗装工業会の第52回全国支部長会は9月4日午後、札幌コンベンションセンターで開かれた。
 席上、大澤会長は「歴史的にも大きな変革が起こる時には天と地の大動乱が起こる。最近の天候気象の異常は変革の時を意味している。この動乱を乗り切り、新しい建設産業へ自らを変革していこう」とあいさつ。
 続いて、第4回ペインテナンスキャンペーンのオープン懸賞抽選会を開催。正副会長、常任理事らが、各賞の当選者を引き当てた。
 議事に移り▽湿式外断熱工法施工基幹技能者養成講座開催状況▽第4回ペインテナンスキャンペーン景品割り当て▽平成15年いいいろ塗装の日ポスターデザイン画コンテスト審査結果▽工事指導員制度(自主品質管理体制)▽第20回全国建築塗装技能競技大会開催地▽第40回全国建設業労働災害防止大会研究発表―などの報告があり、質疑応答を行った。

■外断熱基幹技能者養成講座122人が申し込み

 日本塗装工業会が今年度の重点施策の一環として推進している「湿式外断熱工法施工基幹技能者養成講座」は、8月から全国10ブロック別に富士教育訓練センターで開催している。全国支部長会での報告によると、すでに終了した近畿、東京・神奈川、中部の各ブロックでは、試験の平均点も高く、「参加者は予想を上回る極めて優秀な成績」との評価を得ているという。
 ただ、当初予定していた各ブロック40人ずつ、合計400人という定員には達せず、9月4日の時点で合計122人にとどまった。このため、10月に開催する北海道、九州、中国、四国の4ブロックは一本化し、参加希望者が最も多い中国地域ブロックの開催日(10月15〜17日)に実施する予定。
 各ブロックの参加者(9月4日現在)は次の通り。

【近畿】既報
【東京・神奈川】久保田智也(山梨・久保田塗装店)▽金山佳三(東京・河野塗装店)▽勅使河原雄三(同)▽槌谷渉(東京・大同塗装工業)▽内田信也(東京・大澤塗装)▽芦村仁(東京・奥泉塗建工業)▽稲葉真二(東京・矢口塗装店)▽山本実(東京・ソエジマ)▽嶺岸繁人(神奈川・嶺岸塗装)▽藤野隆史(神奈川・ヨコソー)▽松下英数(神奈川・アール・エヌ・ゴトー)▽稲川直(同)▽宗川圭一郎(神奈川・関東塗装)▽難波幸一(神奈川・千代田)▽富田光昭(神奈川・小野沢塗装工業所)▽峯本正直(神奈川・サカエ塗装)
【中部】榎本正浩(三重・イノモ塗装)▽伊澤英樹(三重・草川塗装)▽梅本一彰(同)▽久保典夫(静岡・共栄社)▽佐原芳文(静岡・日宏乃塗装)▽豊田貞道(愛知・乃一塗装工業)▽駒澤武司(同)▽森雅樹(愛知・第一塗装店)▽堀川泰(愛知・東亜塗装)▽近藤修二(愛知・シンエイライフ)▽祝迫英樹(愛知・飯味塗装工業)▽鈴木保利(愛知・日伸塗装)▽藤原範雄(愛知・建装工業名古屋支店)▽愛澤和馬(愛知・斎藤塗工店)
【北陸】高本義臣(石川・川口リファイン)▽田代隆二(石川・萩野塗装)▽西本明宏(石川・若宮塗装工業所)▽森正春(石川・三好塗工)▽今川善雄(京都・ホリグチ)▽田中敏郎(京都・畑山塗装)▽太田一也(静岡・構造社)▽斎藤貴行(新潟・斎藤塗装工業)▽平林雅恒(新潟・平林塗装)▽平林健恒(同)▽曽我栄司(新潟・曽我塗装工業所)▽星野義彦(新潟・みうらや)▽木村伸也(新潟・キムラ塗装工業)▽山本利光(福井・三優社工業)▽村内繁(同)▽田中建介(福井・ミツル)▽田中隆男(福井・美装工業)▽小林鉄也(福井・野村塗装店)▽川久保洋(神奈川・ダイイチ)
【東北】松坂雄一(青森・佐々木商会)▽泉博(同)▽児玉賢(秋田・加賀昭塗装)▽松田隆二(岩手・富士塗装)▽伊藤正二(岩手・五日市塗装工業)▽小野直人(宮城・堀越)▽井上博光(同)▽中村忠之(山形・ナカムラ)▽高橋芳夫(同)▽高橋友和(山形・建装テクノ)▽荒木美智也(山形・加藤塗装店)▽鈴木順(山形・中山板金塗装工業)▽小関正幸(山形・瀧山塗装店)▽高橋雄二(山形・石川)
【関東】神谷登(山梨・太田工業)▽西山高弘(山梨・西山塗装)▽望月武美(山梨・太陽社)▽保坂健二(山梨・ほさか塗装店)▽高野政三(山梨・高野塗装店)▽山縣正道(山縣塗装店)▽高山治樹(長野・立石塗装店)▽小林宏昭(長野・サク塗装)▽関辰夫(長野・信美塗装社)▽栗原実(長野・クリハラギケン)▽宮澤啓司(長野・宮澤塗装工業)▽宮澤度(同)▽五明京平(長野・五明)▽今井正人(千葉・建装工業千葉支店)▽船井雅功(同)▽木暮栄一(群馬・木暮塗装)▽稲川昌博(群馬・フジサワ)▽冨沢伸二(群馬・三橋塗装店)▽平野昌洋(神奈川・サカクラ)▽橋本治(同)▽松田英嗣(茨城・松田商事)▽武居宏(茨城・武居塗装工業)
【北海道】仲野登(ナカノ塗工)▽船津啓二(上村塗装)▽岡勝彦(伊藤塗工部)▽木村博(浦辻塗装)
【九州】黒木正志(宮崎・緒方塗装)▽野田喜八郎(福岡・太平塗装)▽二見浩一郎(長崎・副島塗装)▽森本孝(長崎・平和工業所)▽藤田淳(佐賀・フジタ工業)▽山下広行(鹿児島・市坪建装)
【中国・四国】木下佳(島根・木下塗装)▽玉川卓(島根・桑原塗装店)▽長崎浩司(広島・長崎塗装店)▽久常達也(広島・鈴木工務店広島支店)▽久保隆儀(山口・ダイシン)▽平川卓男(同)▽板倉正彦(岡山・マエタニ)
【四国】牛田孝(香川・牛田塗装)▽湊敬能(同)

■<日塗装> 「落書きなくし隊」をPR 塗装の日キャンペーンで

 全国支部長会の席上、瀧山需要委員長は、業界イメージアップ戦略の一環として、11月16日の「いいいろ塗装の日」に合わせ、「落書きなくし隊」のネーミングで、落書き消し活動を行うことを提案、了承された。すでに熊本、広島などの各支部や愛知昭和会、大阪昭和会などでは、毎年落書き消しボランティアを実施しているが、特に今年からは日塗装がワッペンを制作するなど組織的にバックアップし、業界のイメージアップを図る。

■第4回ペインテナンス施工実績1782件に神奈川支部が最多

 日塗装が4月1日から7月31日まで開催した、第4回ペインテナンスキャンペーンの施工実績は、合計1782件となった=別表。 第1回(3218件)、第2回(1906件)には及ばなかったが、前回の第3回(1653件)をやや上回った。
 支部別では、神奈川(259件)が最も多く、以下北海道(246件)、秋田(136件)、愛知(83件)、福島(74件)の順。景品は、ほぼ10件に1本の割り合いで、合計180本が各支部の実績に応じて割り当てられた。
 また、オープン懸賞には1万8637通の応募があり、うち有効応募数1万4558通を全国支部長会の席で抽選し、ペインテナンス賞(プラズマテレビ1名)、さわやか塗り替え賞(小型プロジェクター3名)、同(DVDビデオコーダー5名)の当選者を決めた。

■<日本塗装工業会>品管マニュアルを作成

 日本塗装工業会は、「自主品質管理監査マニュアル」(品管マニュアル)を作成した。
 ISO9000シリーズに基づいて、自主的な品質管理システムの構築を図るための手引書で、国土交通省工事の新築・改築塗装工事の施工から引渡しまでにの品質管理に適用する。ただし、ゼネコンなどの元請けがISO9000を取得している場合は、元請けの品管システムを優先する。
 内容は@品管マニュアルA品質委員会規定B定期点検報告書――の3部で構成。契約からアフターサービスまでの業務の流れやチェック項目をまとめている。
 今後、従来の工事指導員制度の中に同システムを取り込み、より高度な品質管理体制の確立を図る考えで、需要・品質両委員会が連携して普及を推進していくことにしている。

■建災防大会で環境対策発表

 建設業労働災害防止協会(建災防)などの主催による第40回全国建設業労働災害防止大会は10月16・17の両日、新潟市の朱鷺メッセ(新潟コンベンションセンター)などで開催される。
 17日には新潟市音楽文化会館で専門工事部会が開かれるが、席上日本塗装工業会の古崎正敏安全委員長は「塗装工事における環境対応対策―VOC・ホルムアルデヒド・重金属系顔料等への対応」のテーマで、業界としての環境問題への取り組みを発表する。日塗装の「環境方針」ほか、ホルムアルデヒド対策を施したビニールクロス面塗り替え塗装システムなど技術委員会の活動、安全委員会が作成した「塗装工事における環境対応マニュアル」などを紹介する予定。

■<日本塗装工業会>「耐寒シーラー」を開発

 日本塗装工業会は、低温時の施工性にすぐれた水系シーラーの開発に成功した。
 技術委員会が研究を進めていた「全天候型塗装システム」の一環として開発されたもので、昨年3月に特許を出願している。水系にもかかわらず、マイナス10度℃でも施工できるのが特徴。溶剤含有量は約7%と低く、溶剤系と同等の性能を発揮するという。環境対応製品として、今後学校や病院などに普及を図ることにしている。

■塗料・塗装の需要を予測日塗協が講演会開く

 (社)日本塗料協会は、塗料と塗装の需要動向に関する講演会を8月26日東京塗料会館、28日大阪塗料会館で開いた。講師は大平和彦・日本塗料工業会専務理事と高橋孝治・日本塗装工業会専務理事。
 その中で高橋専務理事は、今後は建物の性能を向上させる「改修」が増えるとし、「環境」「長寿命」「循環」「自然」「省エネ」などをキーワードにした「サステェナブルリフォーム」が注目されていることを指摘。その代表例として湿式外断熱工法、コンバージョン住宅への対応などを挙げた。

■<日ペ岡山工場>廃棄物ゼロエミッション達成

 日本ペイントは環境保全活動に積極的に取り組んでいるが、このほど岡山工場が「廃棄物ゼロエミッション」を塗料業界で初めて達成した。
 同社ではこれまで、2005年度までに全社で廃棄物ゼロエミッションの達成をめざし、各事業所で廃棄物最終処分量の削減に取り組んでおり、2002年度に同工場がいち早く達成したもの。
 同社では「ゼロエミッション」を、工場などから排出される産業廃棄物と、事業系一般廃棄物をともに100%再資源化することと定義している。
 岡山工場では、ゼロエミッション達成のため、全員参加の改善提案活動を展開しており、従来リサイクルできなかった廃棄物も、74種類に細かく分類することによって、全てがリサイクルできることを確認。分別リストを作成し、全員が積極的に取り組むことにより達成した。

 また、同社では社内ネットワークデータベースを設け、ゼロエミッションに向けた成功事例や協力リサイクル業者などの情報を共有化するなどの活動を行っている。岡山工場における全廃棄物の再資源化にも、そのデータベースが活かされたという。
 また、大阪工場では、塗料工場での「マテリアルフローコスト会計」の導入実験に業界で初めて取り組み、成果をあげた。
 同社は、環境美化・環境保全に対して積極的に貢献することを理念として、環境問題に多角的に取り組んでいる。
 2000年度から環境報告書を発行しており、2003年度版環境報告書では、環境保全活動の報告のみならず、同社の会社概要や実績データ、経済理念をはじめ、同社の社会貢献活動など、社会的かかわりのある情報を積極的に開示している。

■<建築塗装技能検定>学科講習会を開催大塗装

 大阪府塗装工業協同組合(石渡敏一理事長)は8月20、21の2日間、大阪市立労働会館で、建築塗装作業技能検定学科試験に向けた講習会を実施した。
 当日は100人が参加。開催にあたって石渡理事長は「今年度大阪では1、2級合わせて161人が学科試験を受検する。昨年度の合格率は66・9%と実技試験に比べて低く、学科試験を克服することが課題である。本講習会では、府立東淀川高等職業技術校との共催で試験の対策に焦点を絞って、それぞれの専門分野の講師に講義をお願いするので、24日の試験には自信を持って挑んでいただき、全員が合格することを期待している」とあいさつ。
 講習では、次の内容を担当講師が説明した。

【1日目】建築塗装法=遠藤寛之(組合)▽塗装一般=五十嵐建二(組合)▽材料=水迫悟(日本ペイント)▽仕様・積算=川本博哉(組合)▽質疑応答=大内一生(組合)
【2日目】安全衛生=山本甫(組合)▽色彩=杉山隆男(エスティイー)

■<橋塗協>鋼構造物塗装工事管理技士認定試験・講習会を開催

 日本橋梁・鋼構造物塗装技術協会(本山蓊会長)は、平成15年度の「鋼構造物塗装工事管理技士」(1級相当)の認定試験および講習会を開催した。
 大阪会場(大阪府社会福祉会館第1会議室)=写真=では8月27日、翌日28日の本試験を控えての講習会を開催し、@安全管理A工程管理B品質管理C橋梁工学D施工計画E法令(労働安全法、建設業法、道路交通法、道路法)F塗装持論G塗料持論などの講義を受けた。
 また、東京会場(塗装会館2階会議室)でも同日、同内容での講習会が実施された。

■<日塗協・中部>4年連続の依頼に基づき愛知県下で講習会

 日本塗料協会中部支部(乃一稔支部長)は7月31日、愛知県下2シルバー人材センターからの要請で、塗料と塗装の講習会を開催した。
 今回の会場は、常滑市シルバーセンターで、同センターからの依頼は今年で4年連続。
講師は、ロックペイント名古屋営業所所長・鳥居勝敏氏、アドバイザー係長・流川孝詞氏、辻克哉氏。協力は、中井塗料。
講習会では、同協会のテキストとビデオ「ペインティングホリデーを用い、塗料と塗装の基礎について説明を行った後、地元の保育園で非常階段や鉄製門扉の塗装を行った。
塗装指導を受けた22人の受講者をはじめ、実習場所となった保育園の保母さん、園児からも「本当に美しくなった」「塗料と塗装が安全なことが分かった」と好評だった。

■<エスケー化研>神奈川の情報番組で同社製品を紹介

 エスケー化研(藤井實社長)は、昨年1月よりテレビ神奈川のお昼の情報番組「HAMA大国」で、同社のコーナー「美しい住まい」を放映している。
 8月26日の放送では、同社の低汚染NAD型特殊ポリウレタン樹脂塗料「クリーンマイルドウレタン」、低汚染・高級砂岩調装飾仕上塗材「エレガンストーンサガン」を採用した戸建住宅塗り替えの物件を取材している。

 同番組の概要は次の通り。
【媒体名】TVKテレビ(テレビ神奈川、東京メトロポリタン、千葉テレビ、テレビ埼玉)
【番組名】HAMA大国「美しい住まい」毎日12時〜14時放映
【今後の放映予定日】9月30日(火)
【同コーナーの放映時間】番組中12時40分〜50分頃
【放映対象地域】神奈川県、東京都、千葉県、埼玉県(全域)、静岡県、山梨県(ケーブルTV)、群馬県、茨城県(一部)

■<関西ペイント>第1四半期業績ほぼ計画通りに推移

 関西ペイント(世羅勝也社長)が8月26日発表した第1四半期業績概況は、国内については、年度明けの一服感で盛り上がりが見られたものの、海外では特にアジア・中国地域での堅調な需要の伸びに支えられ、連結売上高は、441億1千1百万円余、連結経常利益は26億7千7百万円余、連結純利益は12億1千2百万円余となった。