■日之出塗装工業 創業70周年など盛大に祝う

 日之出塗装工業(草刈健太郎社長)は7月2日、大阪・スイスホテル南海大阪で、創業70周年およびプロのペンキ屋さん設立・ISO9001認証取得を記念し、取引先関係者約200人を招いて、「感謝の集い」を盛大に開催した。

 席上、草刈社長は「祖父が日之出塗装店として岸和田に開業してから早70年。こうして多くの皆さんのご臨席を得て、記念の宴を行えますことは、ご支援いただいた社内外の先人方や皆様のお陰があってのことと感謝申し上げたい。この3月には、ISO9001の認証を取得した。さらに建築設備工事主体の『カンサイ建装工業』、会長が所管している戸建て住宅向けの『プロのペンキ屋さん・オブ・ジャパン』の3社で、日之出グループとして、お客様の多様なニーズにお応えできる体制が確立できた。『いいものを、より早く、安く、安全に』をモットーに、常に品質の向上と迅速かつ安全に徹した業務の推進に努め、お客様の役に立つ会社として期待と信頼にお応えできるよう従業員、職長、職方が一丸となって取り組みたい」とあいさつ。
 続いて、草刈保廣会長(プロのペンキ屋さん・オブ・ジャパン社長)が立ち、プロのペンキ屋さん・オブ・ジャパン設立の経緯や同社のポリシーなどを説明した。次に、来賓の倉田能達大林組専務、三瀬裕二星光ビル管理社長、長谷川康弘建設業振興基金参事、藤田和弘関西ペイント販売社長から祝辞があり、乾杯後はなごやかに歓談した。

「社会の役に立つ会社へ」草刈会長あいさつ
 草刈保廣会長・プロのペンキ屋さん・オブ・ジャパン社長のあいさつは次の通り。
     ◇
 日之出塗装については健太郎社長に全権委譲しているので、プロのペンキ屋さん・オブ・ジャパン(愛称プロペン)社長としてのごあいさつをさせていただきます。
 平成8年に戸建て専門の住宅事業部を立ち上げたのがプロペン創立のきっかけとなった。当時とすれば良い時期ではあったが、担当者が次々と退社していくのと、本体の受注減が大きな試練になった。息子健太郎社長も、大林組の倉田専務のお世話で大林組に就職させていただき、退社後は日之出で入社当初から営業活動を思い切りしてくれた。 お陰様で底を打つ兆しが3年前にあり、住宅事業部を私が専任することができた。その結果、平成14年7月にプロペンの開業式を開催する運びとなった。
 星光ビル管理さんへは30年前から出入りさせていただき、プロペンが広域的に取り組むが契機となった。3年間で60数社の同業者を訪問したが、同業者のほとんどは住宅のリフォームの重要性については同じ意見であった。会社として正式に立ち上げたのは昨年11月で、本日設立記念パーティーを同時に開催させていただくことができたのも皆様のお陰と深く感謝している。プロペンの基本は、各社の存続であり、各社の発展である。その上に、社会の役に立つ会社、同業者もしくは建設業専門工事業者の道標にならなけらばいけない。

 そのためには、お客様の役に立つ会社・社会に認めてもらえるために環境保全に取り組み、水系化を目指す会社・技術集団による建設業のサービス化を目指す会社―を目標にしている。
 『お客様の役に立つ会社』とは、『より早く・良く・安く・安全』につきると思う。まちのペンキ屋さんとしてお客様のニーズに合ったリフォーム会社を目指したい。『環境保全の水系化』については、平成11年に『建築の上塗り材は水系塗料で十分』との調査結果が出ている。お客様にとって『塗膜が大丈夫』とは大きな信用である。その上に水系化で火災がなくなり、青少年非行の原因が除去でき、ダイオキシンや産業廃棄物の問題も解決できる。また私にとって、青少年問題は出会いから十数年になり、ライフワークとして取り組んでいくつもりである。 『技術集団のサービス化』では、専門工事業者はお客様の一番近い所に位置し、その技術はすばらしいものを持っている。21世紀は専門工事業者の幕開けといわれるが、よりサービスをきめ細かくし、いずれはトータルホームケアを目指し、ガーデニングまでできるリフォーム会社を目指したい。
 当初からコンサルタントにも入ってもらい、プロペンのビジネスモデルづくりの協力も得た。これは全国でも初めてだということで、建設業振興基金から採択された17事業所の1つに選ばれたことには正直驚いている。たぶん今の時代に合ったのだと思うが、つくづく『想いが事を成す』と感じている。
 昨年11月と今年3月にフォーラムに参加し、東京の新霞ヶ関ビルで2回発表したのは、わが人生でも初めてで大きな経験でもあった。

 日之出70年の歴史と40年の経験を生かし、将来は株式公開をも視野に入れた会社づくりをし、次の世代に譲りたい。地区本部の皆様も地域に根づくまちのペンキ屋さんとして、しっかりしている会社ばかりであり、心強いかぎりである。『ユニオン・イズ・ストロング』の精神で、心を1つに団結していきたい。


◆ 日本塗装時報 7月18日発行 1814号掲載記事◆

■春の褒章 黄綬に濱本氏・藍綬に白岩氏

 政府は、04年度春の褒章受章者を発表した。塗装業界からは濱本俊樹氏(広島県・濱本塗装店社長)が黄綬褒章を受章。また、塗料メーカー関係では、白岩保氏(大阪府・元関西ペイント社長)が藍綬褒章を受章した。国土交通省関係の伝達式は17日、同省で。

【黄綬褒章】
▽濱本俊樹氏(61歳) 濱本塗装店社長、全国マスチック事業協同組合連合会副会長・中国・四国マスチック事業協同組合理事長。
【藍綬褒章】
▽白岩 保氏(67歳) 昭和35年一橋大卒、関西ペイント入社。平成3年取締役、7年常務、9年専務。11年から15年まで社長。

■日塗工 03年度の塗料生産量 前年比ほぼ横ばいに

(社)日本塗料工業会が4月28日発表した経済産業省統計(速報)によると、03年度(03年4月1日〜04年3月31日)の合成樹脂塗料の生産量は、121万3125トンで前年比ほぼ横ばい、出荷量は128万1166トンで、同0・4%減となった。シンナーの生産量は44万5785トンで同1%増、出荷量は45万5717トンで同0・4%減。
 一方、3月の合成樹脂塗料の生産量は11万8858トンで前年同月比9・3%増、出荷量は13万292トンで同4・6%増と伸びている。シンナーも生産量で6・6%、出荷量で4・9%増えた。

■建災防 危険要因の特定・排除へ 塗装業向け標準モデルを作成

 建設業労働災害防止協会(建災防)は、専門工事業者のための労働安全衛生マネジメントシステムの開発を進めているが、このほど『塗装工事業のための危険有害要因の特定標準モデル』を作成した。工事を単位作業ごとに分解し、各ステップごとの危険有害要因を重大性と頻度で評価。これをもとに実作業に即した対策を立て、作業員に周知するよう求めている。

 例えば、屋内吹付作業で脚立足場を設置する場合、
▽急所=水平に・足場板は3点支持に
▽危険有害要因(予想される危険)=倒壊し作業者が転倒、転落する・たるみがありバランスを失い作業員が墜落、転落する
▽重大性5×頻度4=評価点20
▽危険有害要因の防止対策=平坦な場所に脚立を設置する・3点支持または2枚重ねとし、ゴムバンド等で結束する
――など、図入りで分かりやすく説明している。

 同マニュアル作成にあたって、検討委員会には、日本塗装工業会から小山靖久安全副委員長が参加した。
 A4版51ページ。

■「今こそ経営基盤の強化を」 日塗装大阪府支部総会

 (社)日本塗装工業会大阪府支部(別所宏昭支部長)の第50回総会は4月20日、大阪塗料会館で開かれた。
 冒頭、別所支部長は「輸出産業を中心に景気回復が聞かれるが、建設業界は相変わらず厳しい状況にある。しかし、これも考えようによっては一つのチャンスではないか。稲を育てるとき、根を深く張らせるため水を抜く時期があるという。われわれ業界も常に変動して良い時もあれば悪い時もある。今のような時期こそ技術力、営業力、財務力などの基盤を固める時期である」とあいさつ。

 続いて議事に移り▽平成15年度事業報告▽同収支決算報告・監査報告▽会費および徴収方法承認▽16年度事業計画案▽同予算案▽役員改選――の各議案を審議した。

 任期満了に伴う役員改選では、まず役員候補者33人と幹事候補者2人を選出。互選により支部長に別所宏昭氏(大阪塗装)、副支部長に岡村晃明(岡村塗装工業)、五十嵐建二(五十嵐塗装店)、山本功通(山洋塗工)、石渡良道(石渡英雄塗装店)の4氏を選任した。
 新役員を代表して別所支部長は「来年度には支部設立50周年式典と全国建築塗装技能競技大会の2大イベントが控えている。技能競技大会は京都で開催されるが、会員の皆様とともに全力でサポートしていきたい」と抱負を述べた。

■福岡の超高層マンションに エスケー「セラタイトF」採用

 福岡市の超高層マンション「コアマンション大手門タワー」に、エスケー化研の超低汚染型塗料「セラタイトF」が採用された。同マンション(福岡市中央区、27階建て)は福岡市の中心地区にあり、外壁の塗装材料の選定にあたっては都心に位置するため、汚染問題と長期修繕計画を考慮し、汚れにくく、メンテナンスフリーであることが求められた。
 セラタイトFは、好評を得ている「セラタイトシリーズ」のフッ素タイプで、優れた耐久性を発揮し、建物を長期間保護する。

【物件の概要】
発注者・コニカ
設計監理・サンユニオン・大成建設
施工・大成建設九州支店
竣工・平成15年9月

■クリヤー塗装だけで落書き・貼り紙を防止 大日塗「マジックアート」

 近年、大都市を中心に建築物への落書きや貼り紙による被害が急増しており、社会問題に発展している。
 このため大日本塗料では、新たに開発した特殊樹脂の効果により、落書き・貼り紙を簡単に除去でき、耐久性・持続性を向上させたクリヤー塗料(商品名・マジックアート)を発売。多くの現場で採用され好評を得ている。

 新開発されたシリコン編制フッ素樹脂は、被膜表面の方が内部よりシリコン濃度が高い傾斜構造をもち、表面では除去機能とその維持性(耐久性)に優れるとともに、下塗りエナメル塗膜との界面付近では付着性に優れた性能をもつ。従来のポリウレタン樹脂塗料やフッ素樹脂塗料仕上げの上にクリヤー塗装するだけで機能を発揮でき、油性フェルトペンやアクリルラッカーの除去性に優れる。
 また、従来の貼り紙除去塗装は、被塗面に凹凸をつける方法が一般的であったが、これでは落書き除去機能がなく、凹部に汚れがたまりやすいという問題があった。同製品では、表面に凹凸を形成しなくても十分な貼り紙除去性を発揮することが確認されており、塗装工程の省力化にも役立つ。

【用途】
・ 鋼構造物・コンクリート構造物外面
・ 各種プラント設備外面
・ 各種建築物の壁面・シャッター・門扉
・ 公衆トイレ・公衆電話・地下道・トンネルなどの公共物

【お問い合わせ先】
一般塗料部構造物塗料グループ (東京)03-5710-4502(大阪)06-6466-6626