■大阪塗装協同組合 創立40周年を祝う

 大阪塗装協同組合(略称ダイト、浜崎績理事長)の創立40周年記念祝賀会が7月16日、大阪・天王寺区のアウィーナ大阪で開かれた。柏木副理事長の司会で始まり、君が代斉唱、物故者に黙祷を捧げたあと、浜崎理事長が立ち、組合40年の歩みを振り返るとともに、今日まで組合を支えた役員・組合員、賛助会員らへの謝辞を述べた(別項)。
 次に各来賓を紹介。来賓を代表して、隅田康男大阪府議会議員、北浦年一大阪府建団連会長、青野道春大日本塗料西日本販売部長が祝辞を述べた。

 北浦会長は「建設業界は戦後、全く変わらないシステムでやってきたが、今それを変えるために奔走している。それには専門工事業が団結して1つになることが大事で、より良い業界にするため一層のご協力いただきたい」とあいさつ。

 青野部長は「40年前の組合創設時の塗料年間出荷金額は約800億円であった。その後高度成長に支えられ、ピークの平成3年には8100億円となり、25年間で約10倍の伸びを記録した。バブル崩壊後は減少を続け、昨年は約7000億円弱となった。現時点では景気の下げ止まり感があるものの、まだまだ厳しい環境下にある。こうした状況にあって、塗料メーカーとして、当業界の活性化、一層の発展に向かって地球環境にやさしい塗料の開発、省工程で効率の良い塗装システムなどに取り組んでいる。業界の一層の発展のためには塗装、販売、製造の3者が三位一体となって、強力にスクラムを組んで取り組んでいく必要があると認識している」と述べた。

 このあと、田伏健一大阪府塗装工業協同組合副理事長の発声で乾杯し、盛宴が繰り広げられた。



一致団結して改革を 浜崎理事長の式辞

 40周年式典の席上、浜崎理事長は次の通りあいさつした。

 本日はご多忙の中、組合創設40周年記念祝賀会に貴重な時間を割いていただいた顧問の先生方、メーカー、賛助会の皆様の多数のご臨席を賜り、厚く御礼申し上げます。
 景気回復が報じられる中、建設業界、特に関西の景気は相変わらず低迷しています。公共事業の減少、低価格による受注競争、個人消費の低迷による需要開発の困難さと、依然厳しい景況下にあるというのが実情です。当組合企業においてもここ10数年、生き残りのための自助努力を行ってきましたが、今まで以上に組合員が一致団結し、知恵を出し合い、柔軟な発想と機動力を生かした経営改革、技術改革を図り、事業転換などに積極的に取り組む必要があると思います。

 当組合は昭和39年、日本国が東京オリンピック一色に沸き上がっている年に発足しました。オリンピックの反動で建設不況が続き、その後大阪万博、日本列島改造論による景気の回復、そののちオイルショックによる不況など、およそ5年周期間隔ともいえる景気の紆余曲折を経て、異常ともいえるバブル期に突入、そしてその崩壊、その後10数年景気低迷が続いているわけです。
 そのような中、組合創設40周年を迎える節目の年になった。現在の組合員数は71社で、バブル後激減はしたが、共に生き残りを賭けて、創設以来の相互扶助のダイトの精神をもって頑張ってこれたことは、感慨深いものがあります。時勢の折り、華々しい祝典は控えさせていただいたが、こうして40周年を迎えられたことは、関係各位のご支援の賜物と感謝申し上げ、また歴代の理事長をはじめ役員の引率力の下、組合員の一致団結したご支援、ご協力の賜物と厚く御礼申し上げます。

 これまでの40年より、これから先の時代の方が大変ではないかと思われる情勢ではありますが、創設当時の原点に立ち返り、他力ではなく、ダイトの組合員が自力で、積極的に需要開発に取り組み、景気回復の起爆剤となるよう、またより一層の技術力向上に励み、次世代の育成にも取り組み、前向きに挑戦してみる所存です。


◆ 日本塗装時報 2004年7月31日発行 1815号掲載記事◆

■ダイト総会 需要開発にHP活用を 浜崎理事長が強調

 記念祝賀会に先立って、大阪塗装協同組合の第40回総会は同ホテルで開かれた。
 冒頭、浜崎理事長は「昨年度は組合の需要開拓の一環としてホームページを立ち上げた。より多くの組合事業もリンクしていただき、需要開発につながるよう大いに活用していただきたい。その他の事業運営も積極的に取り組み、活性ある組合活動を推進することができたと思う。また、本年度は組合創設40周年を迎える節目の年であり、本年度の基本方針として、心機一転創設当時の原点に立ち返り、自力で需要開発に取り組み、組合員の融和と連携をベースに、相互扶助に努め、各事業を積極的に展開していきたい」とあいさつ。

 続いて議事に移り、平成15年度事業報告・同決算報告、16年度事業計画・同予算案を可決承認した。

16年度事業計画では以下の項目を重点目標としている。

▽各委員会の活発運営の強化と相互連携
▽組合財政の健全運営の強化
▽需要開発の新規分野開発と人材育成の推進
▽より一層の技術開発・技術向上の推進
▽主材料の共同購入の強化と金融事業の充実
▽支部運営と青年部の活発活動
▽IT関連による業務強化と情報交換の充実
▽関連団体との連携強化と共同活動

■「塗り仕上げに関する技術の動向」 NSKが講習会を開催

 日本建築仕上材工業会(小俣一夫会長)とNPO湿式仕上技術センター(岩崎行男理事長)は、「塗仕上げに関する技術の動向」をテーマに、7月13日大阪、28日東京、30日名古屋の3会場で、講習会を開催した。
 今回は、平成16年版『公共工事標準仕様書』『公共建築改修工事標準仕様書』を中心に、改定のポイントや仕様書に関連したJISの概要などを説明した。
 大阪・建設交流会で開かれた講習会=写真=には、官公庁、設計事務所、建築会社、工事会社、原材料メーカーら約150人が出席。矢野俊哉NSK大阪支部長のあいさつのあと講演に移り、▽「標準仕様書および改修工事標準仕様書改定のポイント」山本窯業化工・森田弘治氏▽「仕様書に関連するJISの概要」スズカファイン・河辺寿正氏▽「揮発性有機化合物への対策」日本ペイント販売・曽我元昭氏▽「セルフレベリング材の改修仕様」新日鐵高炉セメント・堀健治氏―の各テーマについて担当講師が説明した。

■マ連合会 マスチックセミナーと 仕上性能管理士・仕上士研修会

 全国マスチック事業協同組合連合会(山岸純一会長)は、各地域協組で恒例の「セミナー」と「マスチック仕上性能理士・仕上士研修会」を開催している。7月23日、大阪塗料会館で開かれた近畿マスチック事業協同組合の研修会には137人が参加。中村勝義理事長、山岸会長のあいさつのあと、研修に移った。
当日の研修内容は次の通り。


▽「マスチックA・B・C・アルトローラ工法」神東塗料・杉原幸雄技術部副課長
▽「マスチックSF・SU・Si」君塚進連合会事務局長
▽「長期性能保証について」山岸会長
▽「リフォーム工事の廃棄物処理について」住宅リフォーム推進協議会・菊池明氏
▽「大規模改修工事のプレゼンテーション」ティスコ・浜野洋一営業部長

「お客様のための長期性能保証を」 山岸会長が講演

 全国マスチック事業協同組合連合会の研修会では、山岸会長自らが講師となり、長期性能保証事業について説明した。要旨は次の通り。
     ◇
 近年、ゼネコンの現場責任者が若くなり、経験不足のせいか、工程管理・段取りの悪さが目立つようになった。また、安値の押しつけや理由のない値引き要請、工事費の減額、支払い条件の悪化、押しつけ工事、予算がない追加工事などが横行している。
 ゼネコンとの付き合いは会社が判断するしかないが、ゼネコンから脱出するためには、自立・自主のための柱を造り、工事を元請けで行うことが必要である。そのためには、何を売り物にするかを明確化し、会社としての特色を持つことが大切だ。
 一方、お客様の側では、ゼネコンでも信用ない時代に、ブランド力がない専門工事業者に発注するのは極めて不安である。
このようなお客様の心配を安心に変えるのが「長期性能保証」である。長期性能保証は、他の保証制度と違って▽国土交通省の認可▽保証の仕組みが確認されている▽組合として再保険を掛けており、施工した業者に万一のことがあっても安心―などの特色がある。

 連合会には約600社の組合員が加盟しており、事実上ゼネコン以上の体力を持っている。保証事業も年々増加しており、平成2年からの累計保証工事金額は約80億円に達している。すでに本年度は、期半ばで140億円を超え、過去最高を記録することは間違いない。
 このように、事業実績が急増した理由は、平成6年に保証範囲を拡大し、組合員が施工するほとんどの工事に適用できることになったことで、最終ユーザーも高い関心を持っている。営業を支援する営業ツールとして、長期性能保証事業を分かりやすく説明するチラシを製作しており、社名を入れるだけですぐ利用できる。

 保証内容は内外装工事が最長10年、鉄部が同3年、防水工事が同8年。保証の仕組みは、各地の協同組合が保証人となり、連合会が再保証人となる。瑕疵が起こった場合、もし施工業者が廃業・倒産していれば、瑕疵工事を連合会の保険でカバーし、代わりの業者が対応することになる。
 長期性能保証を申し込むには、マスチック事業協同組合の組合員で、かつ長期性能保証事業利用組合員(事業を利用することについて組合に申し込みをしている)であることが前提で、長期性能保証申込書と工事完了報告書、保証手数料(保証工事金額の1%)を提出すれば、長期性能長期性能保証書が発行される。正本はお客様に提出し、信頼を得ることができる。

■明訓高校の内外壁に 恒和化学の製品が採用

 明訓高等学校(新潟市)の新校舎の内外壁に、恒和化学工業梶i東京・山田浩社長)の水系ゼロVOC内装用塗料『ダイヤキトサンコート』、アクリルゴム弾性防水形複層塗材E『ダイヤダンセイタイルマウント』が採用された。同校は、80余年前、昼間働く若者たちが、夜間先生を呼んできて勉強した夜間学校が起源で、これが建学の精神となっているという。

 創立80周年記念事業として、県内最大の規模の校地に、冷暖房完備の校舎、広大なグラウンドを備えた、近代的なキャンパスがこのほど完成。第二学期始業式から新校舎で授業を開始することになっている。
 ダイヤキトサンコートは、カニやエビ等の甲羅から抽出される天然高分子素材「キチン・キトサン」を採用した、有害物質を全く含まないゼロVOC内装塗料で、シックハウス症候群の原因となる有害物質を吸着分解して、快適住環境を実現させるという特長を持つ。平成14年度、経済産業省(新エネルギー・産業技術総合開発機構・NEDO)の大学発創出実用化研究開発事業(マッチングファンド)の採択を受け、関西大学工学部工学博士・浦上忠教授との産学共同により開発された商品で、国内特許を出願中。昨今、新築や改築後の校舎で「シックスクール」が社会問題になっているが、同品施工後の教室内では全く臭いはなく、有害物質の吸着効果を実証した。

 一方、外壁に採用されたダイヤダンセイタイルマウントは、弾性のある厚膜防水層の強みを生かした、防水形複層仕上塗材(JIS A 6909 防水形複層塗材E)。
 耐久性に優れたアクリルゴムエマルションをベースに、すぐれた伸びと高弾性を発揮、下地のひび割れに追従し、下地のひび割れが塗膜に至らないので、外観の美しさは長期にわたって保たれる。又、厚膜で、均一な連続防水塗膜で壁面を覆うので、雨水の浸透を防ぎ、建物を保護するなど様々な特長を有している。
 施工された面積は、内壁17000平方メートル、外壁15000平方メートルで吹付仕上げ。

《工事概要》
物 件 名:新潟明訓高等学校 移転建設工事
所 在 地:新潟市北山字堀東1404−1
設計・管理:真建築研究所
元   請:鹿島・丸運・吉田特定共同企業体
施   工:平川塗装
内   壁:ダイヤキトサンコート17、000u
外   壁:ダイヤダンセイタイルマウントDL仕上15、000u
施工年月:平成15年12月〜平成16年3月。