◆ 日本塗装時報 2004年11月19日発行 1819号掲載記事◆

■プロのペンキ屋さん・オブ・ジャパン 中小企業総合展に出展
草刈社長がプレゼンテーション

 戸建て住宅リフォームの全国フランチャイズチェーン展開をめざす「プロのペンキ屋さん・オブ・ジャパン」(略称・プロペン、草刈保廣社長)は、建設業振興基金の新分野進出モデル事業に採択されるなど、リフォーム時代に呼応した新しいベンチャービジネスとして注目されている。
 10月27から29日まで、インテックス大阪で開かれた中小企業総合展(中小企業庁・近畿経済産業局主催)で、同社の草刈社長は30分にわたってプレゼンテーションを行い、同事業の概要を分かりやすく説明した。
 また、日之出塗装工業のブースでは、テレビCM用のビデオを放映したほか、カタログやパネルを展示した。

「お客様の役に立つ会社に」

 草刈社長の講演要旨は次のとおり。
 プロのペンキ屋さん・オブ・ジャパンは、建設業振興基金からこれからの建設業のモデル事業として、17事業所の1つに採択されたほか、大阪府経営革新支援法の受託もいただき、ベンチャー企業に指定された。
 通常、ベンチャー企業というのは、ITか販売、製造になっているが、我々は広域的にネットを張った販売という部分で指定を受けた。
 思い起こすと平成6年、関西新空港の開港とともに会社の業績が急降下したことがきっかけであった。泉州地域はバブルの反動で地価が下がり、銀行の貸し渋り・貸しはがしなどにより多くの老舗の店が淘汰された。
 こうした危機感をテコに作り上げたのが、今回の静岡から鹿児島まで、マイホームの外壁塗装を中心としたリフォーム会社「プロのペンキ屋さん・オブ・ジャパン」である。日之出塗装工業は、社長を息子に譲ったのを機会に本店を大阪市に移転し、業績も順調に伸びている。また、今年にはISO9001を取得した。
 「プロペン」の地区本部は16社あり、いずれも50〜100年の歴史を持つ地域に密着した地場業者ばかりである。これからの建設産業は分業化していくという予測があるが、塗装業も外壁を中心とした内外装まで全国的に受け入れられる要素がある。
 現在はトータルホームケアだが、証券会社から株式公開のオファーも受けている。
 営業所は大阪、奈良に、取次所は大阪、奈良、南河内、泉南に設置した。塗装以外の様々なリフォーム需要に対応するため、他の専門工事業種とも提携して「あっとリフォーム」というグループも結成した。
 マーケティングの結果では、マイホームは全国に5000万戸あり、その維持・補修に1戸当たり年間30万円使ったとしても15兆円の市場が潜在的にあるという。これは売上高10億の会社が1万5千社できる計算で、明らかに建設業の新産業である。会社から1時間以内に行ける距離に300億円のマーケットが眠っているといえる。
 リフォームはゼネコンでは入りにくい隙間産業であり、21世紀はわれわれ専門工事業者の時代の幕開けであると断言できる。
 今後は、お客様をいかに口コミで呼び込めるかどうかが問われている。
 材料は水系化を促進することで、火災防止、シンナー問題の防止、ダイオキシンや産廃物対策を図る。また残った塗料を無料で差し上げて需要開拓につなげたい。子供が食べても毒にならないような塗料が理想で、その開発をメーカーに望みたい。
 主な顧客層である50〜70歳代の主婦はいまパソコンの技術の習得に熱心で、デジタル化への対応も課題である。

職域から需要開拓

 当社の取り組みとしては、医師会、歯科医師会、弁護士会、地方公務員、企業厚生課などの職域からアプローチしているほか、管理会社・住宅会社との提携、1時間以内に行ける住宅への営業などを中心に行っている。
 キャッチフレーズは「全国初」「建設業振興基金より採択」「7年保証」。PR方法は、ケーブルテレビでのCM、チラシ、パンフレット、新聞掲載、テレアポ、ホームページなどすべてにチャレンジしている。また今年はオートコールも導入する。このほか、イベント、フリーマーケットなどへも積極的に参加している。
 住宅事業部の売り上げ実績は、03年9月期1700万円、04年9月期4000万円であった。05年9月期は8000万円が目標だが、これを上回るペースで推移している。確かな手応えを感じており、胸をときめかしてやっている。
 日之出塗装は、平成6年をピークに平成11、12年には半分以下に急降下した。しかし、13年から新規受注に力を入れ2桁台の成長を達成している。関西空港のメンテナンスを行う関連会社・カンサイ建装は、前々期から黒字化した。グループ全体では16億5千万円の売上高を達成した。
 プロペンは、資材・副資材の販売を中心に、初年度より黒字化を目指している。資本金は取り崩さず、会費と副資材を中心にやっていきたい。本丸は工事だが、保証を考えて慎重に進めていく。
 グループ3社の経営陣も30歳代と若く、しっかりこれからチャレンジをしていきたいと思っている。
 企業理念は「いいものをより早く、より安く、安全に」で、CS(顧客満足度)の向上を追求していく。
 建設業は国づくり・街づくりであり、しっかりとお客様の役に立つ会社をつくって貢献していきたいと思っている。「安く請けても、クレームなしは当たり前、それがプロの集団だ」というのが施工理念である。

 リフォーム全体の塗装工事は18%といわれており、専門工事業の中では断トツに多い業種なので、我々の業種が先導していくべきである。ゼネコンや大企業が入りにくいニッチ産業であり、元請けをするチャンスだが、放っておくとまた下請けになるため、より危機感を持つ必要がある。
 プロペンは「ケーススタディー・ワン」だが、しっかりした業者が数多く競争することで信用ができ、マーケットの活性化につながる。
 わが業種には、製販装というこだわりがあるが、3者出資した会社なら問題はない。メーカーがディーラーも先導されることを期待している。
 より多くのご意見をお待ちするとともに、今後しっかりやっていきたいと思っているので、ご協力をお願いしたい。。


◆ 日本塗装時報 2004年11月19日発行 1819号掲載記事◆

■落書き消しボランティア活動で 愛知昭和会に名古屋市長表彰

 愛知昭和会(清水康二会長)は、名古屋市内で長年落書き消し活動を行ってきたが、このほどその功績が認められ、「平成16年度都市緑化功労者」として松原武久名古屋市長から表彰された。
 同会では、平成13年から久屋大通公園内の久屋広場などで、落書き落とし作業や落書き防止塗料の塗装作業をボランティアで実施。昨年8月には地域住民、行政とも一体となり、総勢452人が参加した「らくがき消し隊」活動に発展した。こうした活動は、マスコミに取り上げられるなど社会的反響を呼び、現在は地域の住民が主体となった「らくがき消し隊」活動に発展している。  表彰式は11月2日、名古屋市公館で行われ、清水愛知昭和会会長をはじめ、都市美化に功労があった4団体、1個人が出席。松原市長から表彰状を手渡した。

 松原市長は「地域の緑や環境を守り育てるためには大変なご苦労があると思うが、今後一層のご活躍を期待している」とあいさつ。
 表彰式のあとの茶話会で、清水会長は「3年ほど前から市内の落書きが目立つようになってきた。落書きは、塗料の間違った使い方で、市民モラールの低下を招いている。これをなんとかしたいと思ったのがきっかけであった。自然石の落書きを取るのは非常に大変で、環境への影響も考えながら適切な方法を講じてきた。ただ、落書きは再犯性が高く、毎年のように書かれては消す繰り返しとなった。その対策に苦慮した結果、最近では『落書き防止塗料』を使い、効果を上げている。その後、市民ボランティアの『らくがき消し隊』につながってきた」と活動の経緯を説明した。
 また、活動の拡大により、「軽微な落書きは住民にすぐ消されるようになってきた」と成果が上がっていることを報告。「今年はさらに一歩進んで『色を薦める』という積極的な意味での都市景観づくりを目指し、11月18日のキャンペーンに臨みたい」と述べた。

■新潟県中越地震への対策を検討 日塗装213回理事会

 (社)日本塗装工業会(河野玉吉会長)の第213回理事長は11月9日、東京・渋谷の本部会議室で開かれ、次の各議案を審議した。
▽新潟県中越地震に関する件(被災状況の把握、被災会社に対する義捐金の募金)
▽平成17年度重点施策案
▽ペインテナンスキャンペーン支部別景品割り当て
▽平成16年度会長表彰(従業員)推薦
▽優秀施工者(建設マスター)顕彰候補者推薦
▽平成16年度受章者合同祝賀会
▽第20回全国建築塗装技能競技大会出場選手数
▽民間大型工事元請受注支援ビジネスモデル概要案
▽フレックススウェード工法の市場展開
▽新規加入者承認・退会者報告
▽第123回委員長連絡会議報告
▽その他(外部会議等業務報告、フレックススウェード研修会等報告、移動常任理事会)。

■COHSMSセミナー開く 日塗装大阪府支部

 日本塗装工業会大阪府支部(別所宏昭支部長)は10月13日、COHSMS(コスモス=建設業労働安全衛生マネジメントシステム)のセミナーを開いた。
 当日は、長岡輝彦・厚生労働省大阪労働局労働基準部安全課専門官が「労働基準行政の運営方針」、石川勝朗・建設業労働災害防止協会大阪府支部指導員が「専門工事COHSMSの導入」、中村甚一・国土交通省近畿地方整備局企画部技術調査課長が「発注者からみた専門工事業者の安全管理の重要性」の各テーマについて講演した。
 その中で、石川氏はコスモス導入の背景として▽労働災害は長期的には減少しているが、減少率に鈍化傾向がみられる▽長年の安全衛生管理のノウハウを蓄積したベテランの安全担当者の退職により、安全衛生に関する知識、ノウハウがうまく継承されていない▽そのため事業所の安全衛生水準が低下し、労働災害の発生が危ぐされる▽無災害を記録している事業所であっても、労働災害の危険性が潜在している▽事業者の積極的、自主的対応が求められている―などを指摘し、マネジメントシステム確立の必要性を強調した。

■大塗工 04年度優秀従業員表彰式 37人を表彰

 大阪塗料工業協同組合(大橋一元理事長)の第51回優秀従業員表彰式が11月5日、大阪塗料会館で行われた。
 席上、大橋理事長は、「当組合の優秀従業員表彰制度は、昭和29年に第1回目がスタートして、今年で51回を数える。今回表彰を受けられる37人を含め、1862人の方々が表彰を受けた。そういう方々の努力があってこそ今日のそれぞれの会社と業界の発展がある。塗料業界の実績は4〜8月までの出荷金額ベースで前年比102・3%とようやく前年を上回って推移している。しかしながら原油価格が高騰し、景気の先行きに不透明感が出始め、溶剤や塗料原料も値上げ攻勢を受けており、これを製品価格に転嫁できなければ収益を悪化させる要因となる。我々は全力を挙げてこれに対処し、この難局を乗り越えていかなければならない。このような状況の中、本日表彰を受けられた皆様は、社内の中核リーダーとして今後ますますご活躍されることを期待している」と式辞を述べた。
 全員を紹介したあと、被表彰者37人を代表して、北中茂氏に表彰状と記念品を贈呈した。
 続いて、来賓の近畿経済産業局産業振興部・池上博之課長、大阪府知事代理・桝田文雄課長から祝辞があり、これに対し被表彰者を代表して中谷均氏が「本日受けた栄誉に報いるため、もう一度初心に立ち返り、鉄心石腸の決意でまい進する覚悟である」と力強く謝辞を述べた。この後、商工中金・鳥羽重好部長の発声で乾杯した。

■車体塗装の技を競う 技能五輪にイサムが協賛

 第42回技能五輪2004in銀河系いわて(主催・中央職業能力開発協会・岩手県)が10月22から25日まで、岩手県下の各会場で開かれた。
 技能五輪は、ものづくりにかける青年技能者の技を競うことにより努力目標を与えるとともに、技能の重要性と必要性を広くアピールするため開催されているもので、今回は来年5月にヘルシンキで開かれる第38回技能五輪国際大会に派遣する日本選手団の選抜も兼ねて行われた。
 職種として第一回目の開催となった「車体塗装」では、イサム塗料が協賛。▽ソリッドカラー調色▽メタリックカラー調色▽装飾(デコレーション)塗装▽ドアパネルのパテ整形作業と上塗り塗装―の各種目で熱戦を展開した。。