◆日本塗装時報 2005年5月18日発行 1826号掲載記事◆

■春の叙勲・春の褒章

 政府は05年春の叙勲受章者を発表した。塗装業界からは、旭日双光章に小林新吾常磐塗装会長、山田幸夫氏琴平塗装会長、瑞宝単光章に北岸榮喜北岸塗装工業会長、牧野正孝井上塗装工業工事部長、才木義一松岡塗装工事部長が選ばれた。
 国土交通省関係の伝達式は、20日午前11時から、東京・赤坂プリンスホテルで行われる。

【旭日双光章】
▽小林新吾氏(75歳) 常磐塗装代表取締役会長、日本塗装工業会顧問、茨城県。
▽山田幸夫氏(74歳) 琴平塗装会長、香川県屋外広告美術協同組合理事長、香川県。
【瑞宝単光章】
▽北岸榮喜氏(74歳) 北岸塗装工業会長、日本塗装工業会顧問、大阪府塗装工業協同組合監事、大阪府。
▽牧野正孝氏(61歳) 井上塗装工業工事部長、北海道。
▽才木義一氏(61歳) 松岡塗装工事部長、岡山県。

 政府は05年春の褒章受章者を発表した。塗装業界からは木村光徳木村工業社長、横溝武矩横溝塗工店社長、山田光起山起塗装工業社長が黄綬褒章を受章した。国土交通省関係の伝達式は5月27日午前11時から同省共用大会議室で行われる。

【黄綬褒章】
▽木村光徳氏(58歳) 木村工業代表取締役、日本塗装工業会副会長、愛知県。
▽横溝武矩氏(60歳) 横溝塗工店社長、全国マスチック事業協同組合連合会副会長、神奈川県。
▽山田光起氏(62歳) 山起塗装工業代表取締役社長、日本塗装工業会顧問、埼玉県。



◆日本塗装時報 2005年5月18日発行 1826号掲載記事◆

■04年度新設住宅着工 戸数・面積とも増加 国交省まとめ

 国土交通省がまとめた04年度の新設住宅着工戸数は前年度比1・7%増の119万3038戸、着工床面積は同0・6%増の1億0553万100平方メートルで、ともに2年連続で増加した。首都圏では03年度実績を若干下回ったものの、福岡や広島など地方で着工戸数が増え、全体を底上げした。民間非居住建築物の着工床面積も同13・8%増の6311万平方メートルで、2年連続で前年度実績を上回った。
 新設住宅のうち、持ち家は同1・6減の36万7233戸だった。貸家は同1・9%増の46万7348戸と4年連続で増加。分譲住宅は同4・6%増の34万9044戸で、内訳はマンションが同2・5%増の20万7422戸、一戸建てが同7・8%増の13万9430戸。いずれも2連連続の増加となった。一戸建て分譲住宅が13万戸を超えたのは7年ぶり。

 地域別では、首都圏が同0・9%減と前年実績を下回った一方で、中国と九州が前年度を10%強上回った。三大都市圏を除いた「そのほか地域」でも同4・2%増だった。

 全建築物の着工床面積は増3・5%増の1億8277平方メートルと2年連続の増加を記録した。公共・民間の建築主別では、公共が同19・4%減の977万平方メートルと8年連続で減少。民間は同5・2%増の1億7301万平方メートルと好調で、このうち居住用は同0・9%増の1億0990万平方メートル、非居住用は同13・8%増の6311万平方メートル。いずれも2年連続の増加となった。
 非居住用の用途は、事務所がどう9・6%増の721万平方メートル、店舗が同7・5%増の1136万平方メートル、工場が同36・0%増の1323万平方メートル、倉庫が同8・8%増の773万平方メートルだった。
 また、05年3月は、新設住宅着工戸数、民間非居住建築物とも減少した。

■「特許第1号は塗料」 日塗工が新聞広告


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 日本塗料工業会は、4月18日日本経済新聞朝刊に全面広告を掲載した。 「ニッポンの特許第1号は『塗料』です」と題し、漆工芸家・堀田瑞松(ほった・ずいしょう)が開発した「堀田式錆止め塗料とその塗法」(明治18年特許認定)について説明している。

 それまで半年ごとに塗装し直していた鉄製船舶の入渠周期を延ばすため、堀田瑞松は漆を主成分とした船底塗料の開発に着手、鉄粉や鉛丹、柿渋、酒精などを利用して船舶用の錆止め漆塗料を完成させた。この塗料は、日本海軍だけでなく、ロシアの軍艦ドミトリイ・ドンスコイにも採用され、日本の塗料の名声を世界的に広めた。
 同会は、来年のペイントショーに向けて、一般へのPRを強化しているが、今回の新聞広告もその一環。企画段階では、「色」や「環境」をテーマに、自動車や動物を使うアイデアも検討されたが、インパクトの強さから「特許第1号」という今回の案が採用された。

■日之出塗装工業とプロペン 岸和田市民フェスティバルに出展 ペン缶プレゼントなど好評

 日之出塗装工業(草刈健太郎社長)とプロのペンキ屋さん・オブ・ジャパン(草刈保廣社長)は5月3日、岸和田市の岸和田中央公園で開かれた岸和田市民フェスティバルに出展した。
 同イベントは、岸和田青年会議所が設立20周年記念事業として市民参加型のまちづくりを目的に昭和53年からスタート。当時、青年会議所の推進責任者であった草刈保廣氏は、企画・立案の中心メンバーとして実現に努力し、以来、毎年積極的に参加している。28回となった今回は、晴天にも恵まれ、約5万人が来場した。
 同社のコーナーでは、残ペンを1・6リットル缶に小分けして300缶を用意、住宅リフォームについてのアンケートに答えた人には無料でプレゼントした。中には1人で2缶を持って帰る人もあり、特に主婦らに好評であった。
 また、子供向けの調色大会を開催。親子連れの来場者らが調色作業に楽しく取り組んだ。
 このほか、住宅相談コーナーも設け、リフォーム関するさまざまな質問などに答えた。
草刈プロペン社長 振興基金研修の講演が好評

 草刈保廣プロのペンキ屋さん・オブ・ジャパン社長は、2月に建設業振興基金が開いた第9回建設業経営者研修の講師を務め、「塗装FCによる住宅外壁塗装市場の確立」のテーマで講演した。
 このほどまとめられた参加者のアンケート結果によると、同講演を「良かった」と回答したのは93・8%で、すべての講演の中で最も高い評価を得た。今回の参加者はゼネコン関係が中心であったが、「民間リフォームの現状が垣間見られた」「面白く、かつ何かヒントがあった」「近いマーケットで小さいことでもたくさん集めると大きい」「21世紀はリフォームの時代と言われ続けてきたものの、実際本気で取り組むとはどういうことかを教えていただいた」などの感想が寄せられた。

■大日塗が環境セミナー 規制への対応など説明

 (一部既報)大日本塗料は、建築設計者のための「DNT環境塾」を2月の札幌を皮切りに、仙台、新潟、東京、名古屋、高松、大阪、広島で開催、今後5月19日に福岡、6月16日に沖縄で開催する。
 5月12日午後、大阪・建設交流館で開かれたセミナーでは、近藤照夫ものつくり大学教授が「環境規制に応じた仕様書・指針類の制改定」、水野民雄建築構造物塗料事業部長が「環境対応型塗料の問題とその対策」、伊藤嘉和カラーセンター所長が「景観における条例と色彩の関わり」の各テーマで講演した。
 近藤照夫氏の基調講演では、まず京都議定書に基づく温暖化ガスの削減状況について説明。現状では日本国内で目標を達成するのは困難で、今後は国際的協調による排出量取引のほか、特にクリーン開発メカニズム(途上国への技術支援)が推進される見込みであることを報告した。環境規制に向けた公共建築工事標準仕様書については、本年度中に「建築改修工事監理指針」の改定版が発刊される予定。改正建築基準法と合わせて、これらがVOC対策に有効な指針となる。また、建築内外装への要求を総括し、▽耐震安全性・耐風性▽耐久性▽環境保全性▽人間の健康安全性▽断熱性―などが問われていることを指摘。今後、厳格化する法規制に対応し、克服することが、逆に大きなビジネスチャンスに結びつくことを強調した。
 水野民雄氏は、F☆☆☆☆とVOCの意味について、行政側などでも混乱が生じていることを指摘。シックハウスの原因物質であるホルムアルデヒドを規制するF☆☆☆☆と、厚生労働省が指定するVOC14品目や住宅品確法、文部科学省などの規制との違いを説明した。
 また、最近ではわずかな化学物質にも反応する「化学物質過敏症」の人が増えており、厚生労働省の室内濃度指針値以下であってもトラブルが起こるという。
 塗料を使う場合は、▽F☆☆☆☆およびVOCゼロ商品を選定する▽MSDSを入手する▽塗装後の臭いを確認する―などのポイントを示した。

■愛知の社会福祉施設に エスケー「ベルアート」など採用

 愛知県大府市の社会福祉施設「デイバーク大府」に、エスケー化研(藤井實社長)の意匠性塗材「ベルアート」、水性のコンクリート打ち放し保護工法「セラミクリート」が外壁に、新型内装用水性多彩模様塗料「マルチファンシーDX」が内壁に採用された。
 自然環境豊かな郊外にある同施設では、周囲と調和するとともに、福祉施設にふさわしいあたたかい素材が望まれていた。「ベルアート」はオリジナルパターンが65種類もあり、土塗り壁調のあたたかい雰囲気を演出でき、人気が高まったいる。
 また、内装に採用された「マルチファンシーDX」は、完全水系で人と環境にやさしく、滑らかな手触り感が得られるのが特長。TVOC(総揮発性有機化合物)1%未満で防火性にも優れ、汚れても中性洗剤で簡単に除去でき、常に衛生的な環境を維持できる。

【物件の概要】
所在地・愛知県大府市横根町
使用塗料・ベルアート約2200平方メートル
       マルチファンシーDX約2100平方メートル
       セラミクリート工法約2000平方メートル
AC・藤川原設計
GC・鹿島建設

■福岡の大型マンション改修に エスケーの超低汚染塗料採用

 福岡市の大型マンション「ソロン名島」の改修工事に、エスケー化研の超低汚染塗料「水系弾性セラタイトSi」が採用された。
 同品は、水性セラタイトシリーズの弾性シリコンタイプで、親水性をもつ塗膜が外壁の美観を維持し、また耐久性に優れ長期間外壁を保護する。汚れにくさは従来の汎用塗料の4分の1以下、期待耐用年数は12〜15年以上としており、長期修繕計画におけるライフサイクルコストの削減に貢献する。今回の採用も、こうした特長が評価されたもの。
 下地調整には塗り替え専用のサーフェーサー「水性弾性サーフエポ」が採用された。同品は特殊エポキシ樹脂をベースに、混合が不要の1液タイプ。各種旧塗膜と強固に付着するとともに、弾性機能があり、防水性を向上した。上塗材には水系・弱溶剤系、硬質・弾性の各種仕上材が適用できる。

【物件の概要】
所在地・福岡市東区
使用製品・水性弾性セラタイトSi約1万5500平方平方メートル(下塗り・水性弾性サーフエポ)
      ・タイルフレッシュ工法約5800平方平方メートル、セラミスマイル約2800平方メートル
施主・ソロン名島管理組合
AC・GA総合建築研究所
GC・鉄建建設

■大日塗 独ベルバーグ社と提携 自動車プラ用水系塗料で

 大日本塗料(山下文隆社長)は、ベルバーグ社(ドイツ)と、自動車内外装プラスチック用水系塗料の技術導入に関する契約を結んだ。
 昨年5月、環境省からVOC排出規制にする改正大気汚染防止法が発表され、これに基づいて今年2月にはVOC排出規制政省令のパブリックコメントが公示された。
 こうした規制に対応するため、自動車メーカー各社は自動車用塗料の水系化への動きを本格化しており、塗料メーカー各社も規制に適合する塗料の開発に力を入れている。また、日本自動車工業会では、07年度以降販売する新型乗用車の室内VOC低減のため、内装塗料の水系化に自主的に取り組んでいる。
 大日本塗料では、VOC排出規制に適合する塗料の開発に取り組んでいたが、このほどヨーロッパの自動車メーカーに多くの納入実績をもつベルバーグ社から技術導入することになったもの。
 今回の提携により同社では、規制に適合する製品の供給を早期に実現でき、国内だけでなく海外のユーザーに向けた供給体制を確立する方針。海外子会社を含め、5年後の自動車内外装プラスチック用水系塗料の販売は年間2000トンを見込んでいる。。