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◆塗料メーカー各社の05年3月期決算◆

■関西ペイント 自動車用塗料など好調

 関西ペイントの05年3月期決算(連結)は売上高196前期比5・9%の増収、同33・4%の経常増益となった。
 主力の自動車新車用塗料分野は、環境対応技術や需要家の世界最適地調達に伴うグローバル化対応等要求が高まる中、日本初の水性3ウェット工法や水性1コートソリッド塗料の市場展開を図り、売上高は順調に伸びた。
 自動車補修用塗料分野は、戦略製品であるウレタン系上塗塗料および調色関連機器は伸長したが、板金塗装市場全体の需要は引き続き減少傾向にあり、前期実績を下回りました。
 工業塗料分野は、缶包装材向け市場では、ペットボトル及びフィルムラミネート缶の増加による塗装缶の減少により低調。産業機械市場では、年度前半は中国向け、後半は北米、オセアニア向け輸出の増加により前年実績を上回った。建築資材・電気機器・プレコートメタル市場向けの売上も伸長した。
 建築塗料分野では、環境問題がクローズアップされる中、04年度に改定された国土交通省標準仕様書に対応した全工程水性塗料システムを確立し、環境対応・環境改善型塗料を拡販。特に、業界初のホルムアルデヒド規制適合製品が大幅に伸び、前年実績を上回った。
 船舶・鉄鋼塗料分野は微増。船舶塗料分野は、世界的な景気堅調を背景に新造船市場は活況を呈したが、修繕船市場では海上運賃の高騰などにより修繕入渠の先延ばし傾向が顕著となった。鉄鋼塗料分野は、官公庁需要が引き続き低迷する中、民間需要の電力・プラント市場に重点をおき、市場ニーズも対応した下塗・上塗兼用省工程型塗料を中心に拡販した。
 環境・バイオ分野では、浄化槽向けおよび排水処理場向け高度処理用担体の需要が堅調。通信・エレクトロニクス分野は、デジタル家電市場の減速の影響を受け伸び悩んだ。
 海外事業は、前期に引き続きアジア地域経済の好調を背景にインド、タイ、中国、台湾などで自動車塗料、工業塗料を中心に好調に推移した。特に、グッドラスネロラックペイント社(インド)、タイカンサイペイント社、台湾関西ペイント社の業績が好調。PPGインダストリー社(米国)との提携により、合弁会社PPGカンサイオートモーティヴフィニシーズ社を設立、欧州、北米等の自動車塗料のネットワークが完成した。

■エスケー化研 建築仕上塗材が伸びる

 エスケー化研の05年3月期決算(連結)は、 この結果、主力の建築仕上塗材分野が伸び、売上高は463億45百万円(前期比3・0%増)。利益面では、高付加価値製品の販売拡大、諸経費の節減や為替差益等により経常利益は、63億54百万円(同6・8%増)、当期純利益は、37億95百万円(同10・7%増)となった。
 同社では、水性化、高耐久化、省エネ等の問題に取り組み、セラミック複合化による超低汚染・超耐久性を有する環境に配慮した製品のラインナップを推進するとともに、遮熱・断熱性塗料、ゼロVOCを実現したエコ塗料等、さまざまな機能性塗料の拡販に努めた。また、多様化、個性化するニーズに対応するオリジナルの意匠性塗材に新たな機能性を加え、新市場を開拓。そして、拡大するリニューアル市場においても、高い品質の製品やきめ細かいサービスを提供する事により販売拡大に努めた。
 06年3月期は、国内外で一層の積極的な販売拡大、新技術。新製品開発及びコストダウン促進など中期的な経営戦略で策定した諸施策の展開により、連結売上高は505億円(前期比9・0%増)、経常利益は67億円(同5・4%増)、当期純利益は40億円(同5・4%増)を見込んでいる。

■大日本塗料 工業用塗料分野が不振

 大日本塗料の05年3月期決算(連結)は、売上高719億1百万円で前期比1・2%の減収。利益面では、大阪工場の生産休止に関連する損失や、早期退職優遇制度の適用に伴う特別損失が大きく、当期純利益は29億8千8百万円の赤字になった。
 一般塗料分野は、主力の重防食塗料や重車輌・産業機械用塗料は増加したが、建築汎用塗料や金属焼付用塗料が低迷し、全体で前期比1・6%減少した。
 工業用塗料分野は、住宅建材用塗料が同7・2%減と不振。自動車用塗料、自動車部品用プラスチック塗料も主力ユーザーの不振の影響によって大幅に減り、全体では同11・1%減となった。
 子会社・シンロイヒの蛍光色材事業は、香港でディズニーランドのプロジェクトを受注するなど、前期比8・1%増の15億8百万円。ニッポ電気の照明機器事業は、シームレスランプなどが伸び、同3・2%増の55億8千4百万円と好調。
 06年3月期は、関係会社の合理化、コスト競争力の強化、原材料価格の高騰・高止まりによる影響の圧縮・軽減化に力を入れる。また、中期経営改善計画の一環である「ユーザー訴求力」の強化のため、新販社・新調色会社による一般塗料商品の販売と調色サービスの充実を図る。これらの施策により、早期の復配を目指す。

■トウペ プラ用塗料の低迷が響く

 トウペの05年3月期決算(連結)は、売上高は161億48百万円(前期比1・1%減)。利益面では、原材料価格が大きく上昇したが、人件費を中心とした経費削減、金融費用の減少の効果もあり経常利益は2億39百万円(同62・4%増)となった。
 工業用塗料分野では、皮革用塗料は前年実績より増加したが、建築資材向けの塗料は建材業界の需要不振もあり前年実績をわずかに下回った。電気機械・機械製品向けの塗料は好調だったプラスチックリサイクル用塗料が厳しい価格競争の影響で大きく減少したため、分野全体としては前年実績の売上高を下回った。
 鋼構造物塗料分野は指名活動等の営業努力により前年実績を上回った。また、路面表示用塗料分野、建築外装用塗料分野は前年実績を下回った。
 化成品事業では、自動車関連用のアクリルゴムは国内向け・輸出ともに好調に推移し、売上高は前年実績を大きく上回った。繊維防水コーティング用のアクリルゴム、繊維植毛用のアクリルエマルションは関連業界の国内需要低迷の影響を受けて、それぞれ前年実績を僅かながら下回った。
 06年3月期は、遊休土地の減損会計の適用を折り込み、売上高は165億万円、経常利益2億9千万円、当期純利益6千万円を予想している。

■イサム塗料 自補修・工業用は堅調

 イサム塗料の05年3月期決算(連結)は、売上高88億円と前期比横ばいだが、経常利益で同13・6%、純利益で同10・2%の増益。
 自動車補修塗料分野では、前期に引き続き次世代商品として開発した環境対応型塗料ハイパー水系ベースコート「アクアス」の作業効率を発揮する乾燥機器「カーボンブローヒーター」、及び下地作業の研磨ミストを集塵し職場環境の改善と作業者の健康を配慮した「ミルカ製品」を発売した。また、次世代の塗装技能者の養成にも注力し、業界の塗装技能キャンペーンに協賛するなど技能向上にも取り組んだ。
 建築用塗料分野では、建物の外観をできるだけ長く美しく保ちたいというニーズに応えるため、長寿命かつ汚れに強い「ネオシリカ」と床用塗料を重点に需要開拓した。
 工業用塗料については、ここのユーザに個別対応して積極的な個別営業活動に取り組んだほか、エアゾール製品は、「自動車補修用エアゾール製品」の普及に力を入れた。この結果、工業用塗料は前期比7%増と好調。
 海外では、中国にアンテナショップを出店し、中国の自動車補修用塗料の市場調査を進めている。

■神東塗料 原材料価格の上昇が影響

  神東塗料の05年3月期決算(連結)は、売上高190億円1百万円(前期比0・4%減)、経常利益は原材料価格の上昇による影響を受け9億3百万円(21・9%減)、当期純利益は6億百万円(7・8%減)となった。
 塗料事業の売上高は173億1千3百万円となり、前期比0・1%増加した。工業塗料分野は粉体塗料は環境対応としての需要に支えられ、工業用塗料は新規需要先の開拓が寄与し、出荷は増加。防食用塗料・道路施設用塗料分野では、公共投資削減の影響を受け、出荷は大幅に減少。汎用・建築用塗料分野は厳しい市場競争が続く中で、環境対応型塗料を中心とした販売活動を積極的に展開した。
 化製品事業は、受託加工料の低下と出荷数量の減少により、売上高は16億9千8百万円となり、前期比で5・7%減少した。
 06年3月期は、事業部戦略に基づいた収益改善諸施策を推進するとともに、原料価格上昇に伴う売価の是正に注力するなど、収益力の改善に努め、売上高194億円(前期比2・0%増)、営業利益9億円(同7・0%増)、経常利益10億5千万円(同16・2%増)、当期純利益6億7千万円(同11・5%増)を見込んでいる。

■アサヒペン 天候不順などで大幅減収に

  アサヒペンの05年3月期決算は、売上高185億3千7百万円(前期比11・2%減)、営業利益5億6千5百万円(同54・9%減)、経常利益3億4百万円(同44・1%減)。
 塗料事業部門全体の売上高は、112億3千2百万円(同16・9%減)。特に需要期における天候不順が響いた。
 住宅メンテナンス・日用雑貨・園芸用品事業全体の売上高は、73億4百万円(同16・9%減)。個人消費の低迷による日用雑貨の売れ行きが不振で、引き続き非効率商品の整理を実施した。また、前期まで営業していたホームセンター部門の売上げが今期はなくなった影響が大きかった。


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