◆日本塗装時報 2005年10月18日発行 1832号掲載記事◆ |
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■第20回全国建築塗装技能競技大会 京都・パルスプラザで開催 第20回全国建築塗装技能競技大会は9月20、21の2日間、京都府総合見本市会館パルスプラザで開催された。環境と意匠への関心が高まる中、競技課題に前回から新しい塗装仕上げとして「フレックススウェード」を導入。今回は大賞の部に「木目調仕上げ」、新人 賞の部に「ラグローリング仕上げ」が採用され、注目を浴びた。また、NHK教育テレビに取り上げられるなど、一般へのアピールにも貢献した。初日の20日午前9時から開会式を開催。 まず河野会長は、「京都支部は本年設立50周年を迎え、その記念事業の一環としてこの大会を運営される。技能は、われわれ専門工事業として欠かせないもので、今日お集まりの皆様は、全国から選ばれて、人格的にも後輩を引っ張っていかれる方である。この競技会も回を重ねるごとに新しい材料、工法を取り入れているが、時代のニーズに答えて、前回からオール水系化を実現した。また、前回から大賞の部にフレックススウェード工法を取り入れたところ好評を得たため、今回から新人賞の部にも採用した。この工法は、塗料の欠点といわれた『スケ』を武器にして、施工する人の感性で趣の変わった仕上げが得られるユニークなもので、従来のエマルションのように堅いストレートペイントではなく、柔らかい暖かみのあるスウェード調の仕上がり感が特徴である。日塗装としても社会のニーズに答えるとともに、会員のためになることを目指してこうした工法の開発・普及に取り組んでいる。限られた時間の中で、盛りだくさんの仕上げをこなさないといけないが、雰囲気に飲まれることなく、正々堂々と戦っていただき、良い成績を収められるられることを祈念している」と選手を励ました。 岡一郎近畿支部連合会会長、船岡保徳実行委員長のあいさつのあと、永田好一審査員長が競技ルールを説明。出場選手を代表して伴英雄選手が力強く宣誓した。このあと、9時半から競技を開始。選手たちは手際よく各課題に取り組んでいった。 第20回全国建築塗装技能競技大会は、2日間にわたる熱戦の結果、大賞の部国土交通大臣賞には豊田貞道選手(愛知)、新人賞の部厚生労働大臣賞には落合英人選手(熊本)が選ばれた。 大会のフィナーレを飾る表彰式は、21日午後3時30分から開催。国歌・会歌斉唱に続いて、三木一良大会副委員長が開会の言葉を述べたあと、河野会長があいさつ。永田審査委員長が審査結果と講評を述べた(別項)。 続いて、入賞選手に表彰状と記念品を授与、協力メーカーらに感謝状を贈呈した。来賓の国土交通省総合政策局建設振興課・最勝寺潔課長から祝辞があり、また京都府支部設立50周年を記念して、国土交通省総合政策局局長表彰状が船岡実行委員長に贈られた。
【永田好一審査員長の講評】 審査に当たっては、それぞれ工程ごとに細かく審査した。新人賞の方は刷毛・ローラーの扱いが非常に良かった。 コテについてはまだまだ研さんしていただく余地がたくさんあると思う。普段あまりコテを使うことがないだろうが、もう少し練習すれば、より上手く扱えて、平滑度なども出たと思う。また、ほとんどの方が地付けというよりはしごきになっている。上塗りの白からうっすらと下のピンクが出てきてしまっている。地付けにはもう少し気を付けていただきたい。 フレックススウェードは、大賞の方は木目調を描いていただいたが、初めての経験にしては、非常に良く出来ていたと思う。日塗装としても今後大々的に打ち出していくので、これからも努力して、より良い作品を作り、それぞれの会社で営業に使っていただきたい。 新人賞のラグローリングは、材料をたっぷりつけていただいて、その上で模様を付けていただきたかった。皆さん若干薄く塗られていたので、スウェード調の良さがあまり出ていなかったのではないかなと感じた。どちらにしても初めてされる作業だったと思うので、今後努力して研さんしていただきたい。 次回は2年後に岩手で開かれるが、新人賞の部に出場された方は、次回は大賞の部に、大賞の部の選手は国土交通大臣賞をとられた方以外は何回でも出場できるので、ぜひ再度挑戦していただきたい。2日間、一生懸命やっている姿をみせていただいた。今後とも皆様方の努力でより良い仕事をしていただければと思う。 |
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■10月24日にTV放映 「平成若者仕事図鑑」で NHK教育テレビでは、全国建築塗装技能競技大会に出場した選手を取材、「あしたをつかめ〜平成若者仕事図鑑」(10月24日午後7時30分〜)で放映する。同番組は、社会へ出ることを考え始めた10代後半〜20代前半の若者を対象に、さまざまなジャンルの職業を紹介し、その特徴や魅力について考える「仕事ガイダンス番組」。若者が働く現場の取材を通して、「働きがい」や、先輩の「達人の技」などを取り上げ、仕事の醍醐味や奥深さも描く。 |
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■次回は岩手で開催 07年9月滝沢村「アピオ」で 次回の第21回全国建築塗装技能競技大会は、2年後の07年9月5〜6日、岩手県で開催される。会場は、岩手産業文化センター「アピオ」(岩手郡滝沢村字砂込389−20、いわて銀河鉄道線・滝沢駅からタクシーで約8分)。 |
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