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◆日本塗装時報 2005年12月18日発行 1834号掲載記事◆
塗料メーカーの9月期中間決算
関西ペイント 大日本塗料 エスケー化研 トウペ ロックペイント 神東塗料 イサム塗料 アサヒペン

関西ペイント 前年同期比 連結経常益12%増に

 関西ペイントの05年9月中間期(連結)は、売上高1017億27百万円(前年同期比5・6%増)、経常利益106億2百万円(同12・0%増)、中間純利益56億7百万円(前年同期比1・5%減)。中間配当は、1株4円。
 主力の自動車新車用塗料分野は堅調。国内では水性塗料などの環境対応製品を積極的に展開。海外では、インド、タイ、インドネシア、マレーシアなどでの海外子会社の販売が好調で、さらに需要増に対応して中国天津市およびインドデリー近郊の新工場での生産を開始した。また、米国PPGインダストリー社との北米・欧州での合弁会社・PPGカンサイオートモーティヴフィニッシーズ社も事業を始めた。
 自動車補修用塗料分野は、国内の鈑金塗装市場全体の需要が引き続き減少する中、環境配慮型塗料の市場展開を図るとともにシェア拡大に努めたが、前年同期実績を下回った。
 工業塗料分野は引き続き好調。国内では白物家電製品の販売好調によりプレコート鋼板向けが伸長し、産業機械市場でも、北米・豪州向け輸出が拡大。アジア地域での海外子会社の販売は好調に推移した。
 建築塗料分野は、国内では、工事物件獲得のため、施主・建設会社・設計会社および住宅メーカーに対する指名獲得折衝を強化するとともに、戸建塗り替え市場への浸透を図った。海外では、インド子会社であるグッドラスネロラックペイント社の販売が好調に推移した。
 船舶・鉄構塗料分野は、前年同期実績を下回った。た。船舶塗料分野では、国内の価格競争は激化。鉄構塗料分野では、国内において、電力・プラント市場に対し省工程型塗料を中心に指名獲得折衝を強化し民間需要の掘り起こしに努めた。汎用市場向けには、ホルムアルデヒド放散を抑制した鉛・クロムフリーの環境対応型錆止め塗料に注力したが、官公庁需要の減少が響いた。
 その他、環境バイオ分野では、合併浄化槽向け高度処理用担体の競争激化による価格の下落等により、前年同期実績を下回った。通信・エレクトロニクス分野も輸出の大幅減少により低調。
 塗料分野別の売上高構成比(%)は▽自動車51(単独53)▽工業用22(同26)▽建築22(同15)▽船舶・鉄構5(同6)
 通期の見通しは、連結売上高2050億円(前期比4・2%増)、連結経常利益220億円(同12・7%増)、連結純利益130億円(同27・5%増)を見込んでいる。

大日本塗料 期末に復配をめざす

 大日本塗料の05年9月中間期(連結)は、売上高354億66百万円(前年同期比0・5%増)、営業利益4億69百万円(同79・4%増)、経常利益3億1千万円となったが、原材料価格の高騰の影響により、期初の予想を下回った。減損会計処理の適用による損失と海外連結子会社の貸倒損失があり、中間純利益は2億57百万円の損失を計上した。
 同社では、中期経営改善計画に基づいて生産体制の集約・効率化と要員の削減・適正再配置、物流コスト・製造諸経費・販売管理費の削減などコスト競争力の強化を図るとともに、事業部制組織における開発・生産・営業の一貫体制の定着化、4月に設立した新販社・新調色会社による一般塗料商品の販売力と調色サービス力の強化などを推進した。
 一般塗料分野では前年同期に比べ売上高は3・4%増加した。建築汎用塗料は前年同期を下回ったが、主力の構造物塗料がプラント向けを中心に好調。重車両・産業機械用塗料、自動車補修塗料も伸びた。
 工業塗料分野はほぼ横ばい。自動車用塗料は自動車関連主力ユーザーの不振等が影響して減少したが、住宅建材用塗料は3・5%増と復調の兆し。家電用プラスチック塗料も好調に推移した。
 その他塗料関連商品の売上を加えた塗料事業の総売上高は296億48百万円で前年同期比2%増となった。
 蛍光色材事業は、香港テーマパークプロジェクトを通じて中国での市場確保・拡大などに努めた順調に伸びた。照明機器事業は横ばいだが、利益率が改善した。その他塗装工事、鉛化成品の製造販売・リースは、採算重視の選別受注を行った結果、塗装工事は減少したが、リースなどの事業は好調。
 下期は、塗料事業環境は当面底堅いるが、原油など素材価格の高止まり状態が続き、収益を圧迫するものとみている。
 同社では、新販社・新調色会社による一般塗料商品の販売力と調色サービス力の強化、商品開発・研究活動の活性化・スピードアップ等、中期経営改善計画に掲げた「ユーザー訴求力の向上」諸施策を進めるとともに、品種構成の是正と製品価格の適正化による原材料コストアップの吸収を図り、期末に復配(1株配当金2・5円)を実現する方針。
 通期の見通しは、連結で売上高727億円、経常利益13億円、純利益7億円を見込んでいる。

エスケー化研 前年同期比7・5%の増収

 エスケー化研の05年9月中間期(連結)は、主力の建築仕上塗材分野が好調で、売上高は235 億87 百万円(前年同期比7・5%増)となった。利益面では、厳しい価格競争に伴う販売価格の低下、原油高による原材料費の上昇や人員増強による人件費の増加等により、経常利益28億73百万円(同6・4%減)、中間純利益16 億71 百万円(同9・2%減)。
 建築塗料業界は、公共投資は減少基調にある中、一般建築市場も低調で厳しい経営環境のまま推移した。国内リニューアル市場では、引き続き特許製品の超低汚染・高耐久性塗料のセラミックハイブリッド製品が販売拡大に寄与。新築市場では高級化と個性化への要望の高まりから、オリジナルの意匠性塗材や新工法が住宅の差別化製品として市場から高い評価を受けた。
 さらに、環境問題に積極的に取組み、VOC1%未満、非トルエン・キシレンの室内用塗料や遮熱・断熱機能を持つ省エネ塗料の開発、業界初の耐火塗料や無機断熱材等特殊機能型製品の市場開発を強化した。
 一方、海外事業は、中国では政府の金融引締めや元の引上げなどにより投資関連に厳しさが出て来ている。東南アジアの建設分野も、一部を除き新たな需要が拡大しない上に価格競争も厳しい。
 今後、国内外で一層の積極的な販売拡大、新技術・新製品開発及びコストダウンなどを推進し、通期では連結売上高505億円(前期比9・0%増)、経常利益65 億円(同2・3%増)、当期純利益38 億80 百万円(同2・2%増)を見込んでいる。

トウペ 化成品は堅調だが塗料は減収に

 トウペの05年9月中間期(連結)は、売上高82億86百万円(前年同期比0・3%増)と前年同期をわずかに上回ったが、原材料費上昇の影響と貸倒引当金の計上により、経常利益は32百万円にとどまった。中間純損益は、遊休土地の減損会計の適用により特別損失を計上した結果、1億91百万円の損失となった。
 塗料事業の売上高は68億45百万円(同2・3%減)。建築外装用塗料分野は、環境配慮形塗料は堅調に推移したが分野全体としての売上高は前年同期とほぼ横ばい。
 工業用塗料分野では、建築資材向けの塗料は高付加価値製品の窯業系外装材塗料が好調で前年同期を上回ったが、電気機械・機械製品向けは、環境緩和形のプラスチックリサイクル用塗料が大きく減少、皮革用塗料も減少したため、分野全体の売上高は前年同期を下回った。
 鋼構造物用塗料分野は、指名活動の効果もあり重防食汎用塗料が増加。路面標示用塗料分野は公共投資の減少傾向が定着化し、船舶用塗料分野とともに前年同期を下回った。このほか、塗装工事請負は受注活動の成果もあり、前年同期を上
回りました。
 化成品事業の売上高は14億40百万円(同14・6%増)と堅調。自動車開連用のアクリルゴムは好調な自動車関連産業に支えられ、国内向け・輸出ともに大きく伸びた。粘着剤用のアクリルエマルションは新規需要の開拓もあり、前年同期を上回ったが、繊維防水コーティング用のアクリルゴムは減少した。
 下期は、収益性の高い分野の拡販を目指すとともに、生産コストの低減、販売価格の引き上げ交渉を推進し、営業利益率の向上を図る。

ロックペイント 前年同期比3%の増収

 ロックペイントの05年3月中間期(連結)は、売上高133億93百万円で前年同期比で3・0%の増収となった。損益面では、原料高によるコスト増を製品価格の値上げで吸収しきれず、営業利益は4億59百万円(同46・0%減)、経常利益6億円(同36・5%減)と大幅な減少。株式の売却による特別利益を計上し、中間純利益は、5億82百万円(同46・0%増)となった。
 主力の車両用塗料分野では、一液型ベースコート 塗料「プロタッチ」を中心とした販売促進が奏効し、前年同期比で5・6%の売上増。建築用塗料分野では一液速硬化型特殊NADウレタン樹脂塗料「プリンキピア」、VOCフリー超低臭エマルションペイント「ビニロックV.O−U」、「ユニロックV.O−U」等を新規に上市し拡販に努めたが、前年同期を上回ることはできなかった。工業用塗料分野では、VOCフリーの粉体塗料「タフロック」、アクリル樹脂焼付塗料「コーロック」、ドライラミネート用接着剤「アドロック」などに力を入れたが、前年同期をわずかに下回った。
 一方、化学原材料の高騰に対処して、シンナー類は9月1日より、塗料類全般は10月1日より値上げを実施した。これにより前期並みの営業利益率への回復を目指すが、今年度第3四半期のナフサ価格は更に高騰する見込みで、原材料メーカー各社から更なる価格値上げが打ち出される可能性がある。
 同社では、今後こうした価格問題に迅速・柔軟に対応するとともに、積極的な営業活動を推進するほか、市場ニーズを先取りする新製品の開発研究に注力する方針。
 通期では、連結売上高260億円、連結経常利益12億円、連結純利益9億5千万円を見込んでいる。

神東塗料 工業用塗料分野は伸びる

 神東塗料の05年9月中間期(連結)は、売上高94億35百万円(前年同期比1・5%増)、経常利益3億41百万円(同23・7%減)、純利益1億80百万円(同39・7%減)。
 塗料事業分野の売上高は85億14百万円(同2・0%増)。工業用塗料分野では、環境対応需要に支えられた粉体塗料や、工作・建設機械向け塗料が好調。防食用塗料は、橋梁分野は横ばいだが、プラント分野が伸びた。道路施設用塗料分野は、官公庁の予算削減と価格競争激化により大幅に減少した。
 化成品事業の売上高は、受託加工料の低下により、9億21百万円(同3%減)にとどまった。
 通期の業績予想は、売上高194億円(前期比2%増)、営業利益5億5千万円(同34・6%減)、経常利益7億3千万円(同19・2%減)、純利益4億円(同33・5%減)。期末配当金は1株当たり5円を予定している。

イサム塗料 自補修用減り建築・工業用増加

 イサム塗料の05年9月中間期(連結)は、売上高44億24百万円(前年同期比1・1%減)。原材料の高騰により、経常利益は、同12・6%、中間純利益は同14・2%それぞれ減少した。中間配当金は1株5円を据え置き。
 塗料分野別の売上高構成比(%)は▽自動車補修用70(前年同期73)▽建築用11(同10)▽工業用14(13)▽その他5(4)。自動車補修用が前年同期比4%減少したが、建築用は同10%、工業用は同5%伸びた。
 自動車補修用塗料分野では、水系ベースコートシステム「アクアス」の普及に努めたが、市場の主流はまだ溶剤系塗料ため、低VOCタイプの「アクロベース」を9月に発売した。
 建築用塗料分野では、環境対応型塗料を重点商品として汚れに強い「ネオシリカ」と床用塗料の需要開拓に取り組んだ。
 工業用塗料分野は、個々のユーザーに対応して積極的な個別営業活動に取り組み、自動車補修用エアゾール製品の普及に注力した。
 下期は、原油価格高騰のさらなる長期化など不透明な状況が続くものと予想しているが、新製品の需要開拓に力を入れ、通期では連結売上高89億円、経常利益6億円、当期純利益3億2千万円を見込んでいる。

アサヒペン 家庭用塗料が低調

 アサヒペンの05年9月中間期(連結)は、売上高は94億2百万円(前年同期比2・2%減)、営業利益2億64百万円(同42・3%減)、経常利益2億50百万円(前年同期比32・7%減)、中間純利益1億41百万円(同76・8%減)と減収減益。主力商品である家庭用塗料の売上が伸びなかったこと、日用雑貨類の一部商品の取り扱いを中止したことが響いた。
 塗料事業は、58億89百万円(同3・3%減)。昨年秋上市した「スーパーコート」及び今期上市したFインテリアカラー」を消費者へ直接アピールするためテレビCMを強化したが、大容量塗料の出荷が伸びた反面、小容量の家庭用塗料の出荷が若干落ち込んだ。
 住宅メンテナンス用品・日用雑貨・園芸用品事業目用雑貨類の売上高は、ほぼ前期並みの35億13百万円(同0・3%減)。
 通期予想は、売上高182億円、経常利益4億8千万円、純利益2億7千万円。


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