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◆日本塗装時報 2006年1月18日発行 1836号掲載記事◆

■原料高・環境規制などに対応 日塗工・小林会長が強調

 (社)日本塗料工業会(小林正受会長)と(社)日本塗料協会(柴田學会長)の共催による合同賀詞交換会は1月6日、東京・千代田区のホテルニューオータニで開催された。
 冒頭、小林会長は「昨年を振り返ると、愛知万博や衆院選挙など様々な出来事があったが、経済においては、個人消費、設備投資などの国内民需が上向きに転じ、緩やかな景気回復が続いた。塗料需要もおおむね団復傾向にあり、本年もこの勢いをますます強めて業界全体の持続的な成長を期待している。

 塗料業界にとって、今年の重要案件は次の3点に絞られる。
 第一点目は、原料高の問題である。昨年の原油価格高騰に起因する原材料価格の上昇とその高止まりから、業界全体として収益が大きく圧迫される結果に至った。今年も、米国などの海外経済や原油価格の動向などが不透明で、原料高はしばらく続くと考えられ、塗料産業の経営に大きな影響を与えることが予測される。
 第二点目は、最重要課題として位置づけている『環境問題への取り組み』である。塗料業界に深い関係のあるVOC規制については、改正大気汚染防止法が本年4月1日より施行されるが、当工業会としては会員会社の事業所からの排出量に関して、平成12年度を基準年として平成22年度に30〜35%の削減を目標にしている。また、この他に塗料・塗装からの排出量として、平成13年度を基準年として平成18年度に30%抑制、平成20年度に50%抑制という白主目標を掲げている。これらの取り組みを業界として実行していかねばならない。
 第三点目は、グローバル化である。塗料事業活動に伴うグローバル化対応は個々の会社で実施しているが、当工業会で対応しなければならないのは、環境と安全、それに伴う法規制の問題である。その代表が、国連で進められているGHSであり、国内外を問わず、世界的に化学品の分類及び表示に閲する調和システムに対応する必要がある。特に、塗料は混合物のため、固有な危険有害性に開する情報を伝えることについて相当な困難が伴うことが、大きな課題である。

 その他、本年は、「第4回ペイントショー2006」が4月6〜8日の3日間、東京ビッグサイトにおいて、開催される。本プロジェクトは、塗料・塗装業界4団体が塗料・塗装の社会的地位向上と普及を目的として、4年ごとに開催する国内最大の塗料・塗装の祭典である。人々の生活環境に不可欠な色彩提供産業として、また塗料産業の果たすべき真の役割をアピールするため、業界の総力を挙げてのイベントであり、たくさんのエンターテインメント・プログラムも用意し、多数の来場を期待している」と年頭の抱負を述べた。

 来賓を代表して、経済産業省製造産業局の塚本修次長が祝辞を述べたあと、日本塗料協会・柴田会長の発声で乾杯し、なごやかに懇談した。

■第8回グッドペインティングカラー 8作品のデザイナーを表彰

 第8回グッドペインティングカラーの表彰式が1月6日午前、東京・ホテルニューオータニで開催され、優秀賞・特別賞8作品のカラーデザイナーが表彰された。

 開会にあたって、日本塗料協会の柴田会長は「塗料と塗装に関わる環境問題が注目されている中、環境色彩の重要性や、塗料と塗装の有用性・可能性を広く社会各層に理解していただくことが、私ども業界にとって極めて重要である。グッドペインティングカラーが、その役割の一翼を担う事業として、なお―層充実したものになるよう、今後ともご支援をお願いしたい」とあいさつ。

 続いて、審査委員長の泉眞也氏が全体の講評を述べた。その中で、今回の最優秀賞「スタビル」は、黄緑色という斬新な色彩設計が塗料の可能性を引き出し、受賞に結びついたこと、日本の花形産業である自動車でも、塗料がモノと環境を調和させる重要な役割を果たしていることなどを強調した。

 このあと、入賞者に表彰状を贈呈。最優秀賞に選ばれた「スタビル」のカラーデザインを担当した佐野契建築設計・佐野契代表は「今の建築界の建物は色を排除する方向にあるが、逆にそれに反発する気持ちがあって強い色を入れた。かつて大学で師事した建築の先生は『黄色・黄緑・ピンクを使うやつは建築家ではない』と言われた。いずれそれに反発しようと思っていたが、今回ようやく可能になった」と、斬新な色遣いを試みた動機を説明した。

■「努力が実る年に」 日塗協・柴田会長あいさつ

 日本塗料協会(柴田學会長)は1月10日夕、大阪市北区のヒルトン大阪で新年会を開いた。

 席上、柴田会長は「昨年、当協会は公益事業団体として、『塗料と塗装の普及と啓発活動』の推進を図った。
 引き続き、カラーコーディネーター資格者を拡充するため、東京、大阪、名古屋で「検定試験対策セミナー」を開催した。また一般向けに家庭で色彩を選ぶ際に役立つ『色彩ガイドブックカラーナビ』を発刊し好評を得た。
 次に、『グッド・ペインティング・カラー』は、第8回目を迎え、塗料業界以外からも多くの応募をいただいた。
 昨年に引き続き、官公庁・建築関係者を対象に、今話題となっている『ヒートアイランド現象緩和対策』と『景観と色彩』をテーマに『建築塗装講習会』を大阪、九州、岡山で開催。本年2月には、東京と名古屋で開催する。
 各地の消費生活センター、シルバー人材センター及び各種学校での「塗料と塗装の講習会」へも、それぞれのテーマに適応した講師を派遣し、協会の教材を提供して塗料と塗装が環境に優しいことのPRに努めた。
 さらに、東京都の治安対策課が実施した『落書き防止・景観美化活動』にも塗料業界各団体の協力を得て、支援活動を行った。落書き防止関係の支援は、各団体に協力し、大阪、名古屋でも実行した。
 このほか、大阪府、大阪市及び大阪府建築士会などが主催する建物の景観及び色彩コンクール「大阪まちなみ賞」に審査員を派遣し、支援を行った。
 本年は、4月6日から8日まで東京ビックサイトで、塗料と塗装の祭典『第4回ペイントショー』を開催するので、皆様のご支援ご協力をお願いしたい。
 協会にとって、昨年の重要課題の一つに『大阪塗料会館問題』があった。昨年の第57回通常総会で売却を決議し、9月13日に売却した。売却金については、今後の公益事業の推進と塗料産業界の発展に資するよう、その活用方法を慎重に検討したい。
 また、本年は最重要課題である社団法人日本塗料工業会との事業統合が控えている。わが国塗料産業界の明日の姿を目指して、現在、鋭意、取り組んでいる最中であり、経緯や事情をご理解いただき、本年も引き続きご支援を賜りたい。
 最後に、今年の干支は12支の11番目『戌』にあたるが、季節にたとえると旧歴の9月、現在の10〜11月頃で、収穫の季節であると言われている。本日、ご列席の皆様の今までのご努力が実る年となりますよう祈念している」と年頭の抱負を述べた。

 来賓の近畿経済産業局・福水健文局長から祝辞があり、日本塗料商業組合・小島正勝副理事長の発声で乾杯。福引きなどを楽しんだあと、日本塗装工業会・三木一良副会長による中締めで閉会した。

■塗料・塗装の説明ビデオを収録
日塗装大阪府支部 50周年記念しHP開設

 日本塗装工業会大阪府支部(別所宏昭支部長)は、設立50周年を記念して、ホームページを開設した。

 コンテンツは、昨年8月の50周年記念式典の際に上映したビデオ「塗料と塗装が5分間でわかる―Paint For Future」ほか、同支部の紹介、活動報告、リンク集など。また、遊びのコーナーとして大阪に関する知識を診断する「大阪力検定」を設け、住宅リフォームのアンケート調査に誘導する試みも行っている。

ホームページ アドレス(http://www.tosou.org/

■「情報技術で信頼を高めよう」 イサム塗料・塩崎征二社長

 イサム塗料の新年会は1月11日(大阪支店)ヒルトン大阪、12日(福岡支店)博多全日空ホテル、13日(東京支店)新橋第一ホテル東京、16日(名古屋支店)名鉄ニューグランドホテルでそれぞれ盛大に開催された。


 1月11日の新年会での塩崎社長のあいさつ要旨は次の通り。
 日本塗料工業会の昨年の塗料出荷量は前年比97・4%にとどまった。出荷金額は、値上げにより100・1%の横ばいである。塗料業界は世間一般のように景気が良いわけではない。特に原油価格が高騰し、原材料が値上がりしている影響が懸念される。原油からできるナフサは現在4万2千円程度だが、今後4万7千円ぐらいに高止まりすることも予想されている。
 昨年、全国の販売店を回ったが、一番話題になっているのは自動車用塗料の直販問題である。流通が変わるという危機感を持たれている販売店が多かった。
 考えてみると、流通はいろいろな業種で変化してきた。昔の小売店がスーパーや量販店にとって変わられた。しかし、そのスーパー自身がここ数年来経営が悪化し、倒産するところも出てきた。単にモノを安く売れば良いということではなくなってきている。スーパーはモノが豊富にあるが、本当に欲しいものがないといわれる。似た業種でコンビニがあるが、いま日本のコンビニは世界的にもトップクラスにある。その理由は、情報をうまく利用しているということである。コンビニでは、客の情報を細かくインプットしたり、店員のモチベーションを高める工夫をしている。
 昨年の中間決算で多くの企業が高業績を発表したが、これは一昔前のリストラではなく、情報をうまくコントロールすることで、利益を出したものだと思う。
 お客様の本当のニーズに対応し、的確な情報を提供できれば、流通がどのような形態に変わっても、お客様との信頼関係がある限り商売は続くはずである。
 このため、今年のスローガンは、『ライバルはお客様、情報技術で信頼を高めよう。動き、聞き、語る、市場重視でチャレンジしよう』とした。
 他社を意識するのではなく、お客様のスタンスに立つことが一番大切なのである。塗料は『説明型商品』であり、単にモノを持って行ってはだめで、質の高いサービス業でなければいけないと思う。このスローガンに『スピード』が加われば鬼に金棒である。
 この1年、元気さと明るさをもって、皆様ともどもがんばりたい。

■竹延 3棟目の自社物件 9階建てマンションが竣工

 竹延(竹延信社長)は、自社所有の賃貸マンション「CANTA COURT(カンタコート)」が完成、昨年12月16日に竣工式を行った。
 式典のあとの祝賀会で竹延社長は「カンタコートは自社ビルなどに続く3番目の自社物件となった。これもここにお集まりいただいた皆様のご支援があってのことと感謝している。3棟の建物の完成で夢の一部を実現した思いである。これからも夢を持って、その実現に努力したい」とあいさつした。

 竣工したカンタコートの概要は次の通り。
 ▽規模=地上9階、敷地面積232平米、建築面積192平米、延床面積1176平米
 ▽施主=竹延
 ▽所在地=大阪市都島区都島北通1−2−15
 ▽設計・監理・施工=鹿島建設関西支店
 ▽塗装業者=竹延
  ▽塗料メーカー=エスケー化研・関西ペイント・大谷塗料

■「職人の育成に配慮を」 大阪府建団連・北浦会長

 (社)大阪府建団連(北浦年一会長)の新年互礼会は1月10日午前、大阪・リーガロイヤルホテルで開かれた。

 冒頭、北浦会長は「昨年、大手ゼネコンは多少明るさが見えてきたようだが、われわれにはまだ光が及ばない。また耐震偽装問題も起こり、われわれも建設業の一員として原点に返らなければいけない時代が来たと感じている。というのも、職人の賃金が5年ほど前からどんどん下がっており、ついに年収3百万を切るような事態になってきた。ところが、ここにきて職人不足が起こっている。特に良い職人が不足している。例えば、耐震偽装問題で、鉄筋不足があっても、それを見破れる良い職人がいなくなっているというのが現状だ。行政は『不良不適格業者を排除し、技術と経営に優れた会社が生き残れる』よう指導されているが、行政の言うとおりにやったところは、みんなつぶれていく。雇用改善法が改正され、技能者の派遣ができるようになったが、これも徹底的にやっていただきたい。でないと、これをきちんと守ったところが全部つぶれていくことになる。現在の状況を招いた責任の一端はわれわれにもある。現場でモノをつくるのは職人であり、専門業者の皆さんはぜひ職人を育てていただきたい。国民に信頼される建設業になるためには、職人への配慮が不可欠である。現場の原点は、人=職人にあり、その基本に返り、勇気を出して、理不尽な仕事は請けないようにしてほしい。行政も『安かったら良い』という時代ではないので、しっかり監視していただきたい。大阪もようやく良くなる気配がみえている。今年こそ足もとを固め、出発点にする1年にしたい」とあいさつした。

 このあと、来賓の梶本徳彦大阪府副知事、井越将之大阪市助役、藤本貴也近畿地方整備局長、淺沼健一大阪建設業協会会長から祝辞があり、酒井豊大阪府議会議員の発声で乾杯した。

■落書き消去キャンペーン 東京・原宿で実施

 東京都は、治安対策モデル事業として力を入れている「落書き消去キャンペーン」の本年度第4回目を12月18日、渋谷区原宿で実施し、東京都塗装工業協同組合(山岸純一理事長)が協力した。

■塗料メーカー各社が値上げ

【関西ペイント】 1月1日出荷分より▽10〜20% 【神東塗料】 1月5日出荷分より▽5〜20%
【川上塗料】 1月1日出荷分より▽10〜20% 【トウペ】 1月16日出荷分より▽10〜20%
【中国塗料】 1月4日出荷分より▽平均20% 【大日本塗料】 1月21日出荷分より▽10〜20%
 塗料メーカー各社は、1月以降、塗料・シンナー類などの製品価格の値上げに踏み切る。原油・ナフサ価格の高騰に伴い、塗料用樹脂、溶剤類の価格が高値で推移しているため。価格改定時期と値上げ幅は次の通り。

■各団体長あいさつ

国土交通大臣・厚生労働大臣・関西ペイント・エスケー化研→こちら

おくやみ

三興塗料会長 野田昌平氏が死去

 野田昌平氏(三興塗料会長)は1月5日午前0時28分、敗血症のため死去、79歳。葬儀・告別式は7日、尼崎市・阪神平安祭典会館で、日本ペイント・松浦誠社長が葬儀委員長となって営まれ、盛儀であった。喪主は長男昌樹氏。
 昭和21年現在の同社の前身である生野塗料店に入社、工業用塗料に着目して大阪、千葉に調色サービスステーションを建設するなど、今日の同社発展の礎を築いた。業界団体関係では、大阪塗料商業協同組合理事長(昭和57年〜昭和60年)、日本塗料商業組合理事長(昭和63年〜平成2年)などを歴任。とりわけ昭和58年には任意団体であった大阪塗料商業組合を協同組合に改組し、初代理事長を務めるなど業界の発展に寄与した。昭和61年に大阪府知事表彰(産業功労)、平成元年に藍綬褒章、平成9年に勲五等瑞宝章を受けている。

日塗協専務理事 竹澤五十壽氏・山下照一氏が死去

 竹澤 五十壽氏(日本塗料協会専務理事)
1月7日午後8時2分、肺がんのため死去、62歳。葬儀・告別式は1月11日、東京都台東区鳥越2−13−18長寿院で営まれた。喪主は、姉・竹澤洋子さん。

 山下 照一氏(やましたてるいち=山下文隆大日本塗料社長の父)
1月2日12時30分、心不全のため死去、95歳。葬儀・告別式は4日、兵庫県丹波市柏原町田路49・ネムールの森で営まれた。喪主は山下文隆氏の弟・昌彦氏。


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