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◆日本塗装時報 2007年1月18日発行 1850号掲載記事◆

■「環境問題への貢献を」 日塗工賀詞交歓会で小林会長


あいさつする河野会長
 日本塗料工業会(小林正受会長)の新年賀詞交歓会は1月10日、560人が出席して東京・ホテルニューオータニで開催された。

 冒頭、小林会長は「昨年の塗料業界を振り返ると、ペイントショー2006が東京ビッグサイトで開催された。その後、日本塗料工業会と日本塗料協会の統合があった。経済面では住宅建設・設備投資等が上向きに転じたことに加え、中国・アジア経済が好調で、ゆるやかながらも景気回復が続いた。今年は、国内では個人消費、海外では米国経済の見通し、原油価格の動向など不透明要因をはらんだ船出になるが、概ね成長トレンドは維持されるのではないかと思う。
 こうした環境下で、塗料工業会としては3つの重要課題を設定した。第1は「環境問題への貢献」であり、VOC規制への対応を最重要課題と位置付けている。平成13年度を100として、18年度に30%の抑制、20年度には50%の抑制という自主目標を掲げて取り組んでいる。さらに昨年12からスタートしたGHSの運用推進を図りたい。
 2番目には、塗料の普及啓発の推進である。日本塗料協会より引き継いだカラーコーディネーター対策セミナーやグッド・ペインティング・カラーほか、2月に予定している建築塗装講習会などを通じて、製販装が一体となった普及・啓発活動の充実を図りたい。
 3番目は塗料会館の運営である。公益法人としてのあり方、基盤づくりとしての視点から、日本塗料協会から引き継いだ会館運営および各種事業の効率化、さらなる推進強化を図りたい。
 以上、3点を重点に取り組むが、いずれにしてもグローバル化の進展に伴い、政府が進めている国際標準総合戦略を意識した取り組みを掲げて展開したい」と新年の抱負を述べた。

 来賓を代表して経済産業省製造産業局・照井惠光次長が祝辞を述べたあと、山下文隆副会長の音頭で乾杯した。


■第9回GPC表彰式行う

 第9回グッド・ペインティング・カラー(同委員会主催)の表彰式が1月10日午前、ホテルニューオータニで開かれた。
 主催者を代表して小林正受委員長(日本塗料工業会会長)があいさつ、乃一稔実行委員長が審査経過と結果を発表したあと、小林委員長から各入賞者に表彰状を贈呈した。
 泉眞也審査委員長は「最優秀賞の『AGCものづくり研修センター』は、光の反射や連続して変化していくスペクトラムを作品に盛り込むという高度な技法を駆使し、私の知る限り、世界でも例がない建物である。日本の塗料工業の関係者が世界に誇るべき成果だと思う。米国ではファシリティ・マネジメントと呼ばれる建物の経営管理手法が注目されているが、それを見事に実現したといえる」と審査講評を述べた。
 受賞者を代表して、AGCものづくり研修センターの色彩設計を手がけた宮下信顕氏(竹中工務店)は「世界中から研修生が訪れるこの研修施設は、旭硝子のアイデンティティーあふれるものにしたいという建築主の強い意向を受け、ガラスを透過して表出する光のスペクトラムをテーマにした。内部と外部を光、色によって結びつけ、表裏一体のデザインにすることを試みた。日中は外光によって色が内部へと広がり、夜間には逆に外部へと色が染み出していくことで、旭硝子のアイデンティティーが社会へ表出していく姿をイメージした」と設計の意図を説明した。
 また、色の選択に当たっては、日塗工の色見本帳をそのまま利用、「10年前、先輩から日塗工の色見本帳は『設備系に使うもの』と教わったが、今のものは色彩がコントロールされ、建築に使えるものになった。今後も色見本帳がさらに改善され、ますます実用度が増すことを期待している」と述べた。
 受賞作品(作品名・所在地・受賞者・施工塗装業者名)は次の通り。

【最優秀賞】
《AGCモノづくり研修センター》横浜市鶴見区▽宮下信顕・山口広嗣・田中誓子(竹中工務店)▽東京三木塗装店

【優秀賞】
《みなとビルヂング》東京都世田谷区▽鵜飼哲矢(鵜飼哲矢事務所)▽チョウトク・テクル
《東武鉄道南栗橋車両工場(工場棟内部) 》埼玉県北葛飾郡▽関口治久(アイベック)・松本博(東武鉄道)・村岡正己(アトミクス)▽河野塗装店、フロアート

【特別賞】
《スカイフロントタワー川口》埼玉県川口市▽鈴木智恵(日本ペイント販売)・斉藤武雄(汎建築研究所)▽奥村組興業
《長峰 杜の五番街》東京都稲城市▽渡辺昌紀(関西ペイント)・山本正美(ヤマモトスペースデザイン)▽TOHO
《秋津の家》千葉県習志野市▽荘司毅(荘司建築設計室)▽三蝶工芸
《ファッションクルーズ》茨城県ひたちなか市▽竹林正彦(日本設計)▽池田建築塗装工業

■第21回全国建築塗装技能競技大会 10ブロックから52人を選出

 日本塗装工業会は第21回全国建築塗装技能競技大会の実施要項を発表した。
 全国を10の地域に分け、地域ブロック大会を3月20日までに実施。「建築塗装技能大賞」の部26人、「建築塗装技能新人賞」の部26人、合計52人が全国大会への出場権を得る。
 「建築塗装技能大賞」の部の参加資格は1級の建築塗装技能士で、過去の大会出場経験者の再参加出場も認める(大臣賞受賞者は除く)。「建築塗装技能新人賞」の部は、03年から06年に建築塗装技能検定に合格した2級建築塗装技能士の取得者。ただし、いずれの部も日塗装会員またはその従業員であること。
 全国大会は9月5、6の2日間、岩手県岩手郡滝沢村滝沢字砂込389−20の岩手産業文化センター(アピオ)で開催される。

■06年度建築塗装技能検定 1級の合格率が大幅に低下

 06年度塗装(建築塗装作業)技能検定の結果が発表された=別表。
 1級の合格者は1348人で、前年度に比べ314人減少した。学科は2496人が受検し1679人が合格、実技は2518人が受検し1372人が合格した。合格率はそれぞれ66・4%(前年度67・5%)、55・8%(同71・6%)で、実技は前年度より15・8ポイントも低下した。
 2級は、619人が合格したが、受検者・合格者とも過去6年間で最少。合格率は学科71・2%、実技79・4%とほぼ例年並み。

■日塗協の清算が完了

 日本塗料協会の解散に伴う清算業務が昨年12月14日完了した。
 現金・預金(10億8618万円)と消費税の還付金(344万円)、および渋谷区恵比寿三丁目の土地(地積827u、価額7億9036万円)、建物(延べ床面積1963u、価額2億9956万円)などは12月14日付けで日本塗料工業会に寄付し、同日付けで経済産業省へ清算結了届出書を提出した。

■ペイントショーの大塚刷毛ブース ディスプレイ2賞を受賞

  昨年4月に開催されたペイントショー2006に出展した大塚刷毛製造のブース=写真=が、(社)日本デザインディスプレイ協会が開催するディスプレイデザイン賞で「ディスプレイデザイン奨励賞」を受賞した。また、(社)日本ディスプレイデザイン業団体連合会主催のディスプレイ産業賞2006で、「ディスプレイ産業奨励賞」を受賞した。

 「ディスプレイデザイン奨励賞」は初めての受賞、「ディスプレイ産業奨励賞」は1994年、2002年に続いて3回目。ペイントショー2006に展示された同社のブースは、「モダン・ジャパニーズ・ガーデン」をテーマに、清涼感のある竹林と「創る匠と使う匠」の世界を表したグラフィックで構成し、「桃山時代の婆娑羅的大胆さと水墨画の清浄な世界」を意識してデザインされたという。
 プロデューサーは、同社の福原和生氏。制作はフジヤ。

■好川産業が新春ハケ祭り

 好川産業(好川久雄社長)は、年頭に当たって、取り扱い商品に感謝する恒例の新春ハケ祭りを開催した。
 5日の年頭式では、好川社長が祭壇に拝礼したあと年頭のあいさつを述べ、好川三蔵会長がハケ・ブラシ及び商品祭りの主旨を説明。続いて、各事業部の方針・活動予定の説明があり、最後に全員で万歳三唱を行い、締めくくった。

■「法令遵守の徹底を」 大阪府建団連 北浦会長が強調

 大阪府建団連(北浦年一会長)の新年互礼会は1月11日午前、大阪市北区のリーガロイヤルで開かれた。
 北浦会長は「相変わらずダンピング受注に歯止めがかからない。一方で、国を挙げて『法令遵守』が叫ばれている。その第一義の目的は業者を淘汰することにある。最近ではマスコミも建設業界に注目しており、我々の側も『社会の中に建設業がある』という意識を徹底しなければいけない。
 ダンピングの弊害により、良い職人がどんどん辞めている。職人の賃金が下がり続けているためである。いま、業者が減る以上に職人が急減している。最近は大阪でも大規模な工事が着工しているが、それを担うのは地場の職人である。施主や元請けはそのような現場の事情を無視して工期の短縮を図っている。しかし、今のままでは職人不足がさらに深刻化するのは確実だ。なんとか若い人に夢が持てる時代が来るように頑張っていきたい
 建設業を社会に受け入れてもらえるような業界にするため、元請け・下請けが一緒になり、自らの足元を見つめて第一歩を踏み出していただきたい」とあいさつ。
 来賓の中山泰秀衆議院議員、梶本徳彦大阪府知事、井越将之大阪市助役、淺沼健一大阪建設業協会会長、酒井豊府議会議員が祝辞を述べ、布村昭彦近畿地方整備局長の発声で乾杯した。

■天満宮で安全祈願参拝 大塗装と日塗装大阪府支部

 大阪府塗装工業協同組合(田伏健一理事長)と日本塗装工業会大阪府支部(別所宏昭支部長)は1月11日午前、大阪・北区の大阪天満宮で、恒例の安全祈願参拝を行った=写真。

■『東塗協いろ暦』47

 東京都塗装工業協同組合(山岸純一理事長)と日本塗装工業会東京支部(磯部一夫支部長)が発刊。内容は▽いいいろ塗装の日「新宿駅西口広場」でイベント開催▽落書き消去キャンペーン▽第28回東塗協オープンゴルフ大会▽平成18年度安全大会▽全国建築塗装技能競技大会東京地区大会▽平成18年度受章者合同祝賀会▽日塗装東京支部・東塗協委員名簿▽平成18年度建築塗装技能検定▽顧問弁護士への相談案内▽東京都塗装高等技術専門校だより▽東塗協組合員訪問(ヤマギシリフォーム工業)▽平成18年度東塗協実態調査結果▽昭和会分科会発表会など。

■『彩』(いろどり)25号

 日本塗料工業会が1月10日発刊。従来、日本塗料協会が発刊していた『プリズム』を継承し、内容をリニューアルした。特集は「虹」。「虹の科学と文化史」「虹の理論」「絵画に描かれた虹」「虹色の探求史」ほか、▽ペインティングナウ「携帯電話のボディカラーはこうして決まる」▽カラーコーディネーター▽グッド・ペインティング・カラー受賞作品発表など。

■タイの合弁会社を子会社に 日ペがアジア現地事業を強化

 日本ペイントは、ウトラム・ホールディングス社の子会社であるNHI社から、タイ国のニッポンペイント・タイランド(NPT)社の株式を取得し、子会社化することを決めた。
 同社は、華僑系企業のウトラム社(香港)と長年アジア地域で合弁事業を行ってきたが、今回の株式取得により、現地事業の一層の強化を図る。
 同社では2010年に向けた長期経営計画で、自動車塗料事業および汎用塗料事業をコア・ビジネスと位置づけ、特に多くの日系自動車メーカーが拠点を構えているタイにおいて、年々増加する自動車生産への現地対応力の強化が急務となっていた。
 今回、取得するのはNPT社の発行済み株式の11%で、これにより日本ペイントの出資比率は51%となり、NPT社の経営に対するコミットメントを強化。今後、日本ペイントの経営資源や技術の更なる投入を通じて、タイに展開する日系自動車メーカーへの高品質な製品提供による需要獲得、汎用塗料市場への売上拡大を目指す。
 また、タイ以外のアジア地域での事業を更に拡大させるため、引き続き同地域における合弁会社の株式取得交渉をウトラム社と行っていく予定にしている。

■日ペ 防災活動の支援で ヘリ用表示塗料を提供

 日本ペイントは、昨年大阪府が創設した「地域貢献企業バンク(大阪府政・地域貢献企業登録制度)」に賛同し、防災・災害支援の分野でヘリコプター用対空表示材料(塗料)の提供と塗装の支援を行うことになった。
 大規模災害発生時には、消防や自衛隊などの防災機関によるヘリコプター搬送が行われるが、臨時にヘリポートとして指定されている施設を上空から識別できるよう屋上などに明示しておくことが、円滑な救援活動に不可欠となる。
 これまで大阪府は、学校校舎屋上などにヘリコプター緊急離着陸場対空表示を進めてきたが、現在、表示が整備されていない小・中・高等学校はまだ20校残っている。
 同社は、大阪府危機管理室より、これらの施設の施設名表示への協力依頼を受け、災害対策として地域に貢献するため、塗料材料と塗装作業の無償提供を行うことになったもの。施工は、路面表示用塗料の施工を主要な事業とする子会社の日本ライナーが担当する。

■中国塗料 上海新工場が操業開始

 中国塗料の連結子会社である中塗化工(上海)有限公司(中国上海市嘉定区、船田昌平董事長兼総経理)の新工場=写真=が竣工、このほど本格操業を開始した。
 上海市内より北西方面約30km(車で約1時間)の場所にあり、敷地面積5万5400uに延床面積3万150uを建設。年間生産能力は10万トン。
 生産品目は船舶用塗料、コンテナ用塗料、工業用塗料(橋梁・プラント・鋼構造物・木質建材用など)。
 なお、新工場の操業開始に伴い、同社の現行上海工場は廃止する。新工場への生産移行により生産量は倍増する予定。

■中国塗 一部製品の販売再開へ

 中国塗料は、日本工業規格(JIS)の認定商品である「ポリウラックF」シリーズ中のポリウラックFクリアデラックス(認定番号:503002)について、一部基準外品の出荷が行われたため昨年6月、経済産業省(近畿経済産業局)より販売停止等の行政処分を受けていたが、昨年12月12日付で、販売停止の行政処分が解除され、販売・出荷を再開することになった。販売・出荷再開時期は2月を予定している。
 なお、今回の販売停止処分に伴い自主的に販売・出荷を見合わせていた、他の「ポリウラックF」シリーズ商品の販売・出荷も併せて再開する。

■実用色632色を収録 07年D版塗料用標準色

 日本塗料工業会は1月15日、07年D版塗料用標準色を発売した。
 建築物・構造物・設備機器・インテリアカラーなど、一般に多く用いられる632色を収録。建築によく用いられる色相10YRを充実したほか、景観配慮型防護柵指定色や日本塗り床工業会標準色、グレースケールなど24の新色を追加した。なお、鉛・クロムフリー顔料を全面採用したため、従来のC版とは同じ色番号でも色合いが異なる場合がある。
 種類・希望小売価格は、ワイド版(215×50×厚み約50o)1万6380円、ポケット版(215×50×厚み約25o)2562円、スペアシート(182×200o)1枚525円。
 問い合わせ先は同工業会(03・3443・2011)。


■新年ご挨拶

関西ペイント 小林正受社長
イサム塗料・塩崎征二社長

おくやみ

■大谷塗料会長 大谷政晴氏が死去

 大谷政晴氏(大谷塗料代表取締役会長)は昨年12月5日午前10時47分死去した。92歳。近親者による密葬は12月7日営まれ、「お別れ会」は1月26日午前11時30分から午後1時まで、大阪市中央区のホテルニューオータニ大阪二階鳳凰の間で行われる。

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