◆日本塗装時報 2008年12月18日発行 1876号◆
■日塗工 塗料産業フォーラム 環境問題・グローバル化など報告
 日本塗料工業会(小林正受会長)は、日本塗料商業組合、日本塗装工業会の後援により、第17回塗料産業フォーラムを12月5日大阪、12日東京でそれぞれ開催した。今回は環境問題への様々な取り組みや塗料産業のグローバル化の現状ほか、塗料普及活動や建築色彩の調査結果など、塗料業界の課題となっている幅広いテーマを取り上げた。

 冒頭、小林会長=写真=は「本フォーラムでは毎年、塗料業界が直面する課題として、環境問題、経営のグローバル化、原材料の高騰などを取り上げてきたが、原材料の高騰問題は沈静化した。その理由が景気の低迷が予想されるためで、直下型地震のような大きな衝撃に対し、業界は成長戦略を描くことより、いかに生き延びるか、課題が変化したように思える。このため、塗料の普及啓発活動がますます重要になっており、今回初めて塗料普及活動に関して報告することにしている。また塗料の新市場開拓のための色彩の活用、アジア各国の最新動向、環境問題に関連したVOC排出抑制、化学物質のリスクアセスメントなどをテーマに取り上げた」とあいさつした。

 続いて講演に移り、▽塗料・塗装の普及活動(西村三津雄広報部長)▽建築系色彩出現頻度調査まとめ(菊田広恵カラーアトラスチーフディレクター)▽JISの動向とISO活動(石丸泰標準部長)▽アジア塗料工業協議会・各国の最新状況及び安全環境への対応状況(山ア辰彦国際部長)▽塗料産業の安全環境管理(曽我元昭常務理事)▽塗料産業のVOC排出抑制対応(堀部恭一)▽化学物質に関するリスクアセスメント(和田英男製品安全部長・北畠道治化学物質対策部会部会長)の各テーマについて説明した。

 「建築系色彩頻度調査」については、市場に流通している色見本帳の色彩出現頻度を調査した結果を報告。それによると、建築系色彩は色相7・5YR〜5Yの高明度、低彩度の領域に集中しており、日塗工の「09年E版塗料用標準色」とほぼ同様な色彩分布傾向を示していることが分かった。

 「アジア塗料工業協議会」(APIC)は、第12回総会が11月、クアラルンプールで開かれ、各国の現状などが報告された。07年に生産量が増えたのは中国で、オーストラリア、韓国、シンガポール、台湾、タイなどは横ばい、マレーシアは減少した。中国の07年塗料生産量は597万トン(前年比17・62%増)で、うち建築用は180万トン、工業用は418万トン。07年度の海外進出企業は32社で、生産量は134万トンと国内生産の約7割に拡大している。このうち中国(70万トン)が最も多く、全体の約半分を占め、以下タイ(11万3千トン)、インド(11万トン)、マレーシア(10万5千トン)、シンガポール(4万3千トン)と続く。

 各国とも安全・環境への対応を推進しており、中国でも危険化学品や塗料製品の生産は政府の認可取得が必要になった。また塗料製造業の汚染物質排出基準が公布され、今年10月から施行されている。

 「化学物質に関するリスクアセスメント」では、事業所の作業者のリスクについて部品工場の例を挙げ、具体的に説明した。塗装作業場所のリスク格付けは、ハザード格付けとばく露水準から割り出され、最終的に5段階で評価される。その結果別に、リスクを低減するための対策が必要となる。
■60周年記念ビデオ 日塗装が作成
 日本塗装工業会(白川隆幸会長)は、創立60周年記念ビデオ「日本塗装工業会60年の軌跡」を作成、会員や関係先に配布した。

 「絆」をテーマに、全国建築塗装技能競技大会や技術発表会などの事業、落書き消去キャンペーンなどの社会貢献活動を紹介。このほか、第49回定時総会・創立60周年記念式典、08年度新納霊者供養式の模様を収録している。
■塗料卸売業 緊急保証制度の対象に
 中小企業庁が11月発表したセーフティーネット(緊急保証制度)の対象業種に塗料卸売業など73業種が追加された。

 対象業種の中小・小規模事業者は、金融機関から融資を受ける際に一般保証とは別枠で、 無担保保証8000万円、普通保証2億円まで、信用保証協会の100%保証を受けられる。指定期間は今年11月14日から平成22年3月31日まで。塗料製造業や塗装工事業はすでに指定リストに含まれている。
■第11回グッド・ペインティング・カラー 最優秀賞に日ペ愛知工場

最優秀賞に選ばれた日本ペイント愛知工場
 第11回グッド・ペインティング・カラーの受賞作品が決まった。今回は外装、内外装、内装の各分野に合計31作品が応募。審査の結果、最優秀賞・日本ペイント愛知工場ほか、優秀賞3作品、特別賞4作品が決まった。表彰式は1月8日午前、東京・ホテルニューオータニで行われる。  同コンペは、日本塗料工業会、日本塗料商業組合、日本塗装工業会の共催により、優れたカラープランニングの作品を公募し、優秀作品を世に送り出したカラープランナーを表彰するもの。審査は11月28日、東京塗料会館で、伊藤敏雄元日本建築仕上学会会長を審査委員長に、日原もとこ元東北芸術工科大学名誉教授、赤木重文日本色彩研究所常務理事が行った。

 今回は外装17、内外装3、内装11、合計31作品が応募。新築は14、改修は17で、改修が新築を上回った。
 入賞作品は次の通り。(作品名・区分・所在地・受賞者)

【最優秀賞】日本ペイント愛知工場▽改修・外装・企業施設▽愛知県▽日本ペイント販売・高橋香織
【優秀賞】@新松戸ファミールハイツ▽改修・外装▽千葉県▽関西ペイント・渡辺昌紀A埼玉医科大学あすなろ▽新築・内外装・企業施設▽埼玉県▽竹中工務店・西田達生Bスペースエナジー新工場計画▽新築・内外装・企業施設▽長野県▽竹中工務店・松田拓郎
【特別賞】@MOVIE ONやまがた▽新築・内外装・企業施設▽山形県▽竹中工務店・桑原裕彰A岸和田市・貝塚市清掃施設組合▽新築・外装・公共施設▽大阪府▽岸和田市役所教育委員会・崎田佳則BGRACY須磨アルテピアU番街▽改修・外装・集合住宅▽兵庫県▽日本ペイント販売・赤坂小糸Cロイトン札幌リージェントホテル▽改修・内装・企業施設▽北海道▽アトリエKUU・岩橋翼
■京美 全国京美友の会の解散総会と中川社長の退職お別れ感謝会開く

退職お別れ会で花束を贈呈される中川氏夫妻
 京美友の会(酒井芳博会長)は12月11日、京都ホテルオークラで第31回総会を開いた。

 会長を代行して今江前会長があいさつしたあと07年度事業報告・収支決算報告を承認。このあと今後の活動について、中川博京美社長が説明。同会の目玉商品であった「メタリー」の商品化継続が困難になったこと、中川社長と酒井会長が病気療養に専念することなどにより、当分の間休会することを報告した。

 中川社長は「京美友の会の創設は、かつてドイツに研修旅行に行った際、塗装業の地位が高いことに感心したことから始まった。そこで日本の塗装業のため頑張ろうと決意し、32年間続けたが、諸般の事情により活動を休止することになった。幸い社員の西村、東出が中心となり、会社を継承し、皆様方とともに京美の理念である『三方よし』の精神で勤める所存であり、今後ともご支援を賜りたい」と述べた。

 引き続き全国京美友の会(平坂良太会長)の第19回総会を開き、同会の解散を決議した。内藤文明副会長の司会で始まり、平坂会長は「中川社長の業界への貢献をみていて、京都の同業者の方々は良い勉強の機会を与えて頂いているとうらやましく思っていた。塗装業が周辺業種の知識を身につけ、お客様に提案できるような業者に育成したいというのが中川社長の思いであった。良い勉強の機会をつくってくれた組織と、中川社長に心からお礼を申し上げたい。皆さんのご了解をいただいて解散できることは素晴らしいことであり、当初の目的は達し得たという充実感を胸に秘め、中川社長には体力を回復されたら再び業界を指導していただきたい」とあいさつした。

 引き続き、中川社長の退職お別れ会を開催した。賛助会員を代表して日本ペイント販売、大塚刷毛製造各代表からあいさつがあり、塗料報知新聞社・星野社長の発声で乾杯し歓談した。最後に京美を引き継ぐ西村佳晃新社長が「メーカー、施工店と良いパートナーになれるよう努力したい」と就任の抱負を述べた。

 中川社長は大正15年生まれ。神戸市外国語大英米学科卒。美研工業を経て昭和40年中川塗料店を創業、半年後には吹付業の中川産業を併設。昭和51年京美塗料を設立、平成2年京美に社名を変更し、新建設資材の販売に商域を拡大した。昭和50年に京美友の会と全国京美友の会を設立し、以後32年間にわたり研修を続けていた。
■景観条例などテーマに 建築塗料・塗装セミナー  2月製・販・装共催で
 日本塗料工業会(小林正受会長)、日本塗料商業組合(友野昌幸理事長)、日本塗装工業会(白川隆幸会長)の製・販・装3団体共催による「建築塗料・塗装セミナー」が来年2月、全国5会場で開かれる。

 第一部「景観条例の展開と建築色」では、各地の官公庁関係者が景観条例への取り組みを説明。併せて建築色の出現度について解説する。第二部は「最近の建築塗料・塗装/安全・環境対策塗料と新機能性」をテーマに、建築市場全般に関した塗料動向や応用機能面などを取り上げる。

受講料は千円。先着100人で締め切り。各地の開催日時、会場は次の通り。

【東京】2月4日13時30分〜16時30分▽東京塗料会館
【大阪】2月5日同▽エルおおさか
【名古屋】2月6日同▽名古屋国際会議場
【仙台】2月18日同▽ホテル白萩
【福岡】2月26日同▽八重洲博多ビル
■国交省ら 幅広い支援制度を用意 中小企業の資金繰り対策で
 国土交通省や経済産業省中小企業庁は、建設業向けに各種の融資制度を設けている。また、中小企業庁では貸し渋りに対して「中小企業金融貸し渋り110番」を設置するなど、中小企業の支援と金融機関への行政指導を強化している。

▼国土交通省関係

【地域建設業経営強化融資制度】
 公共工事請負代金債権を譲渡担保に融資を受けられる。また、工事の出来高を超えた部分を含め融資が受けられる。
 《主な相談窓口》北海道建設業信用保証(011・221・2092)▽東日本建設業保証(03・3545・5125)▽西日本建設業保証(06・6543・2944)▽北保証サービス011・241・8654▽建設経営サービス(03・3545・8534)▽建設総合サービス(06・6543・2848)▽建設業振興基金業務第一部(03・5473・4575)

【ファクタリング事業】
 下請企業が元請企業に対して有する工事請負代金債権をファクタリング会社が買い取ることで、早期に現金化することが可能になる。また、受取手形をファクタリング会社が買い取る制度も用意している。
 《主な相談窓口》建設経営サービス03・3545・8523▽建設総合サービス(06・6543・2848)▽建設業振興基金業務第一部(03・5473・4575)

▼中小企業庁関係

【緊急保証制度】
 塗装工事業など対象業種の中小企業者は、金融機関から融資を受ける際に一般保証とは別枠で、無担保保証8000万円、普通保証2億円まで信用保証協会の100%保証を受けることができる。
 《主な相談窓口》各都道府県の信用保証協会

【セーフティーネット貸付制度】
 一時的に資金繰りに著しい支障を来しているなどの要件を満たす中小企業者は、政府系金融機関による融資を受けることができる。
 《主な相談窓口》日本政策金融公庫東京相談センター(03・3270・1260)▽商工組合中央金庫お客様サービスセンター(03・3246・9366)

【緊急相談窓口】
 中小・零細企業者の資金繰り対策として、地方経済産業局や関係機関の全国900か所に、「緊急相談窓口」が設置されている。
 《主な相談窓口》日本政策金融公庫(旧国民生活金融公庫、旧中小企業金融公庫)各支店▽商工組合中央金庫の各支店▽沖縄振興開発金融公庫の本支店▽全国の信用保証協会▽各経済産業局の中小企業担当課▽全国の商工会議所▽各都道府県商工会連合会

【中小企業金融貸し渋り110番】
 国の制度や運用に対する要望や不満については、地方経済産業局の緊急相談窓口を「中小企業金融貸し渋り110番」として位置づけ、寄せられた要望を制度や運用の改善に役立てる。
 《連絡先》北海道経済産業局中小企業課(011・709・1783)▽東北経済産業局中小企業課(022・222・2425▽関東経済産業局中小企業相談室(048・600・0334)▽中部経済産業局中小企業課(052・951・2748)▽近畿経済産業局中小企業課(06・6966・6024)▽中国経済産業局中小企業課(082・224・5661)▽四国経済産業局中小企業課(087・811・8529)九州経済産業局中小企業課(092・482・5448)▽沖縄総合事務局経済産業部中小企業課(098・866・0031)
■色研 『カラーレンジマニュアル100』色の心理データを収録

カラーレンジマニュアル100の画面構成
 日本色彩研究所は、色彩総合データ集『カラーレンジマニュアル100』を発刊した。
 長年蓄積した調査研究データを基に、色空間を100種類に区分し、各カラーレンジの歴史的話題、色名による色の指示とその由来、イメージ特性や連想語などをまとめた。

 欧文表記の色名が600以上、和文表記の色名が750以上収められており、色名辞典として利用できる。  本体CD―ROM1枚にPDF版を収録。目次や索引に必要なページへのリンクをつけ、情報が検索しやすい。

 頒布価格は1万2600円。
 販売・問い合わせ先は、同研究所製品頒布係(048・794・3817)。
■消費者向けの勉強会 塗装工事研究会が開く
 NPO法人塗装工事研究会(千葉県佐倉市、森雅弘会長)は先月、「消費者に分かりやすく塗装工事を知っていただく」ことを目的に、同会本部で消費者向け勉強会を開催した。  「手抜き工事をされた」「すぐ剥がれた」「法外な工事金額を要求された」などの被害の原因を調査してみると、消費者側の知識不足によることが多いという。このため、同会では03年から同様な勉強会を開いている。今回は塗料の仕様や価格、危ない業者の見分け方、見積書の見方などを分かりやすく説明した。  また、11月14日には、佐倉市上勝田の八坂神社を訪れ、鳥居をボランティア塗装した。同会では社会貢献の一環として、千葉県内の神社の鳥居を塗り替える塗装ボランティアを行っている。
■60周年記念特集 『日塗装』159号
 日本塗装工業会が発刊。創立60周年記念特集の内容は▽第1章日本塗装工業会の▽第2章10年間の主な実施事業▽第3章会議・会合▽第4章各種資料。そのほか、カラーグラビア「ドリームペインティング2008」、「ポスターデザイン画コンテスト受賞作品」「塗装史序考」など。
■岩塗装『広報』121号
 岩手県塗装工業組合が発行。内容は▽岩塗装青年部会第21回通常総会開催▽地区組合紹介コーナー・奥州市地区▽地区だより・高欄現場塗装工事の際の新技術説明会開催▽中小企業団体岩手県大会で会長表彰受賞▽岩手県地域安全アドバイザーが落書き消しに活躍▽第12回ゴルフ大会開催▽納涼生ビール飲み大会▽岩手県産業安全衛生大会・快適職場推進岩手大会開催。
■高級感と作業性が好評 大日塗「タイペンギガマルス」

大日塗「タイペンギガマルス」
 大日本塗料は、合成樹脂調合ペイントの最高級品として「タイペンギガマルス」=写真=を発売したが、その作業性の良さと仕上がり感が好評を得ている。同社では、合成樹脂調合ペイントの商品体系を従来の標準品、高級品に加え、今回の最高級品に分けて、販売対応しやすくした。

 「タイペンギガマルス」は、建築構造物の屋内外の鉄部、木部に高級感に富んだ仕上がり感を付与でき、また作業性が優れているため、現場で高い評価を得ている。

 特長は▽JIS―K―5516の1種で2種並みの耐候性をもつ▽高級感に富んだ仕上がりが得られる▽隠ぺい力に優れる▽F3☆☆☆対応▽刷毛さばき性とローラー塗装性が良好▽タレにくく、ローラー目、刷毛目が目立ちにくい鉛化合物を配合していない―など。

 用途は、建築構造物の屋内外の鉄部、木部、鉄骨(一般鉄骨、軽量鉄骨、鋼製建具、非常階段、手すり、ベランダ、ドア、フェンス、シャッター)、木製建具(笠木、巾木、雨戸、戸袋)、木部外壁(腰板、羽目板)など。
■室内環境に配慮した焼付塗料 関ペが「アシム」発売
 関西ペイントは、F☆☆☆☆相当の室内環境配慮型工業用焼付塗料「アシム(ASHIM)」を発売した。  従来、室内用の金属製品向け工業用焼付塗料の主流であるアミノアルキド樹脂系塗料は、ホルムアルデヒド放散値がF☆☆相当で、一般の建築用塗料の場合、室内における使用面積が制限されるレベルであった。  同社では、新しい発想と樹脂合成の技術により、従来のアミノアルキド樹脂系塗料とほぼ同じ焼付温度で硬化し、ホルムアルデヒド放散量がF☆☆☆☆相当と極めて少ない焼付塗料の開発に成功した。

 特長は▽乾燥塗膜からのホルムアルデヒド放散量を大幅に削減▽乾燥塗膜からの臭気が少なく、室内用途に適する▽アミノアルキド樹脂系塗料が発散する特有の臭いによる目・鼻への刺激を低減▽乾燥炉内の滞留による耐熱黄変性に優れる―など。

 同社では、電気機器、鋼製家具、店舗什器、屋内建材など室内に設置される金属製品市場に拡販を強化していく。
■消費者向けの勉強会 塗装工事研究会が開く
 NPO法人塗装工事研究会(千葉県佐倉市、森雅弘会長)は先月、「消費者に分かりやすく塗装工事を知っていただく」ことを目的に、同会本部で消費者向け勉強会を開催した。

 「手抜き工事をされた」「すぐ剥がれた」「法外な工事金額を要求された」などの被害の原因を調査してみると、消費者側の知識不足によることが多いという。このため、同会では03年から同様な勉強会を開いている。今回は塗料の仕様や価格、危ない業者の見分け方、見積書の見方などを分かりやすく説明した。

 また、11月14日には、佐倉市上勝田の八坂神社を訪れ、鳥居をボランティア塗装した。同会では社会貢献の一環として、千葉県内の神社の鳥居を塗り替える塗装ボランティアを行っている。
■環境技術を紹介 大日本塗料 技術情報誌『DNTコーティング技報第8号』
 大日本塗料は、技術情報誌『DNTコーティング技報第8号』を発刊した。今回は、09年度中に環境対応商品の品揃えを完了させるという目標に向け、環境配慮形塗料や技術を紹介している。

 内容は▽技術報文「環境に優しいオリジナル防錆顔料の防食性評価」「塗料への低汚染機能の付与を目的としたコロイダルシリカ/アクリル複合エマルション粒子の調製」▽技術解説「環境保全に対する活動について」「窯業系外壁材における最近の耐久性塗装」「環境に優しいPCM塗料(PCM塗料の塗膜から放出されるホルムアルデヒドの削減とフリー化について)」「IMOバラストタンク塗装性能基準と当社の国内認証制度への対応」金属溶射材料の実暴露における防食性評価」▽新商品紹介・弱溶剤厚膜形ふっ素樹脂塗料「VフロンHBクリーンスマイル」、防かび・強膜アクリル樹脂系水性塗料「水性ビルデック」、遮熱性舗装用塗料「エコクールペイブ」。
■エスケー化研 山口営業所が新築移転
 エスケー化研の山口営業所は、このほど新築移転した。業容の拡大とサービス向上のため、従来の山口出張所から山口営業所へと組織変更している。新事務所は国道9号線に面し中国自動車道の小郡ICに近い便利な場所にあり、事務所・倉庫棟と危険物棟の2棟を新築した。倉庫の収容缶数は合計最大1000缶で、幅広い製品ラインナップで在庫を充実させる。

【山口営業所】山口市朝田1995―4▽電話083・924・7575(従来通り)▽083・924・8244(従来通り)▽所長・濱眞氏。
■「大規模修繕工事を受注するには」 集改センターが実務研修会

研修会会場
 NPO集合住宅改善センターは、11月に開催した工事業者向けの第2回実務研修会で、マンション大規模改修工事を受注するためのポイントについて、片山雅史(A・C・I)、竹村幸三(竹村建築事務所)、松山功(松山設計一級建築士事務所)のコンサルタント3氏が講演した。(講演の要旨は2008年12月18日発行 日本塗装時報1876号に掲載)

【片山雅史氏】工事後のフォローを
【竹村幸三氏】細かな配慮が必要
【松山功氏】現調の回数も重要
■大阪府建団連が韓国視察 重層下請対策など調査
 大阪府建団連(北浦年一会長)は12月2、3の2日間、韓国を視察した。今回は京都大学との共同研究の一環として、古阪秀三京都大学工学研究科准教授とともに、建設関係団体や建設会社などを訪れ、主に重層下請け問題への取り組みを中心に意見交換した。参加メンバーは大阪府塗装工業協同組合など21人。

 韓国では1990年代に施工不良による事故が相次いだため、下請関連の法制度が整備された。現在は最大で二次下請までが許可され、それ以上の重層下請が禁止されている。今回の視察では韓国建設業界の実態を調査するとともに、両国業界の交流を通じて問題点を探った。
■会社人事(大日塗)
 (12月1日)工業塗料部門プラスチック塗料事業部テクニカルサポートグループ専任課長、橋本学▽DNTマレーシア・ディレクター兼DNTシンガポール・ディレクター、津田幸安

 (12月2日)参与・管理本部環境・品質保証部長委嘱、戸田緑▽兼マーケティンググループ<北港>チームリーダー、一般塗料部門構造物塗料事業部開発グループ長兼同マーケティンググループ長里隆幸
■おくやみ
 桑原 實氏(くわはら・みのる=元日本ペイント取締役・元近畿ニッペ販売社長)11月12日午前6時50分、胃がんのため死去、72歳。葬儀・告別式は16日、奈良県生駒市のセレミューズ瑞光で営まれた。喪主は長男・秀行(ひでゆき)氏。

 伊藤 鉦二氏(いとう・しょうじ=伊藤塗装工業会長)10月15日午後8時45分死去、79歳。社葬・告別式は11月17日、大阪市阿倍野区・やすらぎ天空間で営まれた。喪主は長男・仁志(ひとし)氏。
■10月の建設受注 前年同月比3・2%増
 国土交通省が12月9日発表した建設工事受注動態統計調査報告によると、10月の受注高は4兆2455億円で、前年同月比3・2%増加した。うち元請受注高は2兆9146億円で同3・7%増え、下請受注高は1兆3309億円で同2・1%伸びた。

 元請受注高のうち公共機関からの受注高は1兆1358億円で同28・9%増えた。民間の受注高は1兆7788億円で同7・8%減少した。
■日ペマリン 省エネ効果が高い船底塗料「LF―Sea」の拡販へ

商船三井「EUPHONY ACE」に採用
 日本ペイントの連結子会社・日本ペイントマリン(神戸市、遠藤志朗社長)は、05年に発売した船底塗料「LF−Sea」が好評のため、燃費の向上とCO2排出量削減を同時に実現する新しいタイプの船底塗料として、世界各国の海運会社・造船会社に積極的な販売活動を推進している。

 同製品は、海中を速く泳ぐマグロやイルカなどの体の表面を覆っている粘膜にヒントを得たという低摩擦型船底塗料。船底塗料の主流を占める自己研磨型よりもさらに燃費改善を図るため、天然由来素材ヒドロゲルの特性を利用し、同社と大阪大学・神戸大学との共同研究で開発された。

 塗料を被塗物に塗装すると目視では確認できない微細な凹凸が発生するが、塗膜表面に水を捕捉させることにより凹凸部分を減少させ摩擦抵抗を少なくする。

 テスト塗装後の解析結果では、従来の自己研磨型より約4%程度の燃費改善効果が確認できたという。船底防汚機能についても、従来の船底塗料と同等の性能をもつ。

 同社では、07年度から本格的に市場に展開、今年度だけでも約70隻の国内外の新造船・修繕船に採用されており、累計採用船は100隻を超える見込み。今年度の売上高は5億円を超える見通しで、2010年度には単年度売上高30億円を目指している。
■日ペ 関係会社の株式を売却
 日本ペイントは、同社子会社であるニッポンペイント(ヨーロッパ)社が保有する持分法適用関係会社、アクゾノーベル・ニッポンペイント・ホールディング社の全株式を、アクゾノーベル・コーティングス・インターナショナル社へ売却することを決め、12月8日株式譲渡契約を結んだ。

 売却される子会社は1999年オランダに設立され、ヨーロッパにおけるコイル用塗料の製造販売を行っていた。今回の株式売却により、日本ペイントの09年3月期連結決算の当期純利益は、約13億8千万円増加する見込み。
■エボニックグループ 第3四半期も増収増益
 化学・エネルギー・不動産分野でグローバルに事業を展開するエボニックグループ(本社・ドイツ)は11月13日、08年度第3四半期決算(1月1日〜9月30日)を発表した。3事業部門とも堅調で、売上高は前年同期比13%増の約121ユーロ、税引き前利益は同6%増の18億ユーロになった。第4四半期は、世界的な景気後退が特に化学部門に相当な影響を及ぼすものと予測しているが、第3四半期までが好調だったため、増収増益を見込んでいる。