Yahoo! JAPAN

  • ウェブ全体を検索
  • このサイト内を検索
◆日本塗装時報 2009年2月18日発行 1880号◆
■日本建築塗装職人の会「パワーサミット2009」開く

パワーサミット2008の会場
 日本建築塗装職人の会(南孝夫会長)は2月1日、東京・両国のKFCルームで、全国の塗装・リフォーム業者など約120人が出席して「パワーサミット2009」を開催した。当日はチラシなどの工夫により売上げを伸ばした会員による成果発表や、転職情報サイトを経営するエン・ジャパン(株)代表取締役会長・越智通勝氏による「利益と理念を両立させる経営方法」についての講演が行われた。

 開会にあたって、青木忠史代表事務局長は「環境を変えるために積極的にチャレンジしていくのが本会の趣旨である。3年前に始めた時は十数人だったが、今日では150人を超えるまでに成長した。本日はそのうちから12人の成功者に発表していただく。決して派手な話ではないが、本物の輝きがあるはずで、それを持ち帰っていただきたい」とあいさつ。

 引き続き、「不況に行列をつくる最強チラシ作成法」と題して、各社から成果発表が行われた。その中で▽広告宣伝方法をチラシ1本に絞り、1月3万枚を配布していたら3か月目から成果が出た▽チラシにより受注が安定し、自社職人と足場をそろえることができた▽近所を掃除するようにしたら現場から別の仕事が取れた▽ツールを真似るのではなく、心を入れ替えることで効果が出る―などの経験談が披露された。

 午後からの第二部では越智通勝エン・ジャパン会長の講演があり、引き続き成果発表が行われた。そのあと懇親会が開かれ、席上、年間のグランプリ表彰式を催した。
■マスチック連合会 保証実績は過去最高ペースに

あいさつする鈴木会長
 全国マスチック事業協同組合連合会(鈴木浩之会長)は1月30日記者会見を行い、平成20年度の長期性能保証事業および工事完成保証事業の実績を発表した。その中で、19年度(9月期首)より始めた工事完成保証制度について、昨年9月1日から今年1月31日までの5か月間で5件1億2319万円の実績があったことを明らかにした。これは初年度の8件1億5142万円と比較すると倍増に近い勢いで、期末に発表される実績に期待が持たれる。また従来の長期性能保証事業についても過去最高のペースで実績を伸ばしており、同会ではこれまでに行ってきたPR活動の成果が表れはじめたとしている。

 記者会見で鈴木会長は「昨年の夏頃までは順調だった大手企業の中にも、百年に一度と言われる大不況により何千億という赤字を計上するところが出始めている。建築業界においても、これまで以上に受注のストップや低価格での受注が増加しているのが現状だ。しかしマスチックでは19年度より始めた工事完成保証事業が順調な伸びを示し、長期性能保証事業についてもこれまでの最高の水準で推移している。これはエンドユーザーの保証に対する関心が高まった証拠であり、より堅実なものにすがりたいという気持ちの表れだ。  不況という背景の中、これからますます実績は増えていくと思うが、こんな時にこそ原点に戻って技術的なものに目を向け、施工責任体制を考え直していきたい。そして2大柱である長期性能保証、工事完成保証をさらに確立したものにしなければならない。そのためには毎年開催されるセミナーについても見直しを行い、仕上性能管理士をはじめとするより現場に近い人たちを対象とした内容に変えていきたい」とあいさつ。

引き続き各事業について説明した。
■マスチック連合会 長期保証で大型物件が増加
 全国マスチック事業協同組合連合会の各事業の進ちょく状況は次の通り。

【長期性能保証事業実績】
  19年度の利用件数は297件で18年度の246件を上回ったものの、保証実績金額が前年度よりマイナス5608万円の14億4790万円にとどまっている。一方20年度(20年9月1日〜21年1月31日)の保証金額は8億8636万円(137件)と順調な滑り出し。昨年同時期の約6億と比較しても約1・5倍に近い金額の申し込みがすでにあり、大型物件が占める割合も増加している。

 単組別の内訳は以下のとおり。(カッコ内は前年度実績)▽北海道831万円(6332万円)▽東北8217万円(1億5891万円)▽関東2億4153万円(3億1047万円)▽中部1687万円(1326万円)▽近畿1億9772万円(2億4782万円)▽中・四国2億4973万円(5億4575万円)▽九州9000万 円(1億834万円)。

【工事完成保証事業実績】
 19年度に導入された工事完成保証事業は、合計金額1億5142万円(8件)と順調。内訳は1億3335万円の中・四国地区をはじめ、関東(1247万円)、近畿(560万円)となっている。また2年目となった20年度はすでに5件1億2844万円の申し込みがあり、うち関東が1億2319万円と昨年より大きな伸びを示している。

【平成20年度セミナー】
 昨年度は、全国10カ所で「信頼性向上」をテーマにセミナーを開催したが、今年度は「不況突破」をテーマに行う予定。今年度より仕上性能管理士の更新講習と兼ねるため、より実践的な内容を目指す。会場については、関東協組の新潟支部と長野支部は合同実施とし、全国9カ所での開催となる。
■新JIS表示を開始 関ペが認証取得
 関西ペイントは、1月20日に公示された新JISの認証を塗料業界で初めて取得し、製品への新JISマーク表示を開始した。

 05年より新JIS制度がスタートし、これまでの経済産業省による工場認定制度から、国際基準・ガイドと整合した民間登録認証機関による製品認証制度へと変わり、規格の新規設定や改定が行われた。

 この改定により、重防食塗料として使用頻度の高いエポキシ樹脂塗料、ポリウレタン樹脂塗料、ふっ素樹脂塗料などについてはJISマークを表示できるようになった。今回、同社が認証を取得したのは「JISK5551 :2008構造物用さび止めペイント」11製品と「JISK5659 :2008鋼構造物用耐候性塗料」13製品。
■建築塗料・塗装セミナー開く

 日本塗料工業会、日本塗料商業組合、日本塗装工業会の共催による「建築塗料・塗装セミナー」が2月4日の東京を皮切りに、5日大阪、6日名古屋で開かれた。

今回は「景観条例の展開と建築色」をテーマに、各地の景観条例の展開について行政側の担当者が説明した。また、建築色の調査データの解説や、最近の環境対策塗料・機能性製品などを紹介した。

 大阪会場では「京都市の新景観政策」について、京都市都市計画局の松田彰市街地景観課課長が説明した。京都市では50年、100年後の将来を見据えた景観づくりのため、建物の高さやデザイン、眺望景観や借景、屋外広告物などを規制している。特に建物のデザイン(形、材料、色彩)は景観を形成する重要な要素だとし、景観法に基づいて、美観形成地区の指定や修景地区・風致地区の拡大、地域特性に応じたデザイン基準の明確化(マンセル値の活用など)を推進している。美観地区や美観形成地区では、屋根や外壁の色彩を規制しているほか、外壁の材料にはも光沢のないものを求めるなど、厳しい規制が実施されている。

 セミナーの今後のスケジュールは、2月18日仙台、2月26日福岡。申し込みは日本塗料工業会ホームページで受け付けている。
■マンション修繕工事費 1戸平均100万円超に 住金支援機構
 住宅金融支援機構は「平成19年度マンション共用部分リフォームローン調査」の結果をまとめ、1月27日公表した。それによると、1戸当たりの平均総 工事費は100万3千円で、調査開始(7年度)以来初めて100万円を超えた。築年数の平均は23・7年で、直近3年はほぼ横ばいだが、築35年以上の高経年マンションが増加傾向にある。

 工事個所別では外壁、バルコニー、屋上、廊下、内部階段の順に多いが、前年度より外壁の割合が減り、給排水設備が増えている。
■昨年12月の建設受注 前年同期比10%減に
 国土交通省が2月10日発表した建設工事受注動態統計調査報告によると、昨年12月の受注高は3兆8029億円で前年同月比10・1%減少した。うち元請受注高は2兆5673億円で同15・3%減少し、下請受注高は1兆2355億円で同3・0%増加した。

 元請受注高のうち公共機関からの受注は8793億円で同1・9%増加し、民間等からの受注高は1兆6880億円で同22・2%減少した。

【今月の特集記事】
  • 今井美装店・今井宗一社長に聞く
      不況に負けない元気な会社 特許の剥離工法を全国展開
  • 小俣氏が講演 急拡大する環境ビジネス
      「カーボンフットプリントとカーボンオフセット」
  • 「利益と理念を両立させる経営方法」 越智エン・ジャパン会長
  • (特集記事は日本塗装時報1880号に掲載)

    【新製品情報】
    ■ロックペイント 水性一液シリコン樹脂塗料「ビルロックU」を発売
     ロックペイントは、環境にやさしい建築用塗料として、水性一液架橋型のアクリルシリコン樹脂塗料「ビルロックU」を発売した。 下塗りに水性シーラーなどを使用することによりオール水系の高耐候性仕様・改修が可能。ホルムアルデヒド放散等級はF☆☆☆☆で、VOCの発生も低く、匂いがマイルドなため、屋内外で使いやすい。 紫外線に対して優れた耐久性をもち、長期間にわたり建物を保護する。

     コンクリート、モルタル面ほか、各種下塗り塗料、下地調整材を選択することにより、サイディングボードなどの建材や鉄部、硬質塩ビ、複層仕上塗材の上塗り、可とう形改修塗材の上塗りに適している。従来よりもち密な塗膜を形成するため、汚れにくく、美しい外観を長期間維持できる。塗りやすくタレにくいので、ハケ・ローラーなどの塗装作業性に優れる。また、塗膜表面の平滑性に優れ、従来の水性塗料より上質な仕上がり感が得られる。

    【品種・容量】ビルロックUホワイト15K▽同5分ツヤホワイト15K▽同3分ツヤホワイト15K。 問い合わせ先は同社各営業所(東京03・3640・6000、大阪06・6473・1055)。
    ■ロックペイント 付着性・浸透性が良好
     ロックペイントは、弱溶剤一液型エポキシ樹脂シーラー「エポシーラーマルチ」を発売した。

     各種素地によく浸透し、付着性に優れ、ぜい弱な素材の表面を補強する。水分や炭酸ガスの進入を防ぎ、コンクリート、モルタルなどの中性化を防ぐ効果もある。一液架橋型のため、配合の手間やミスがなく、作業性に優れる。可使時間の制限もないので、塗料をムダにすることがない。ターペン可溶型で、溶解力の弱い溶剤を使用するため、旧塗膜を侵すことがなく、各種旧塗膜に直接塗れる。ホルムアルデヒド放散等級はF☆☆☆☆で、匂いがマイルドなため作業環境を選ばない。 ほとんどの弱溶剤上塗り塗料が塗装可能で、また上塗り塗料は水性塗料ビルロックUなど水性上塗り塗料にも適するため、塗り替え改修に幅広く使える。

     適応素地は、コンクリート、モルタル、フレキシブルボード、サイディングボード、せっこうボード、ケイ酸カルシウム板、各種新屋根材など。【品番・容量】033―8150エポシーラーマルチ14K。
    ■大日本塗料 環境対応形の防かび・防藻塗料 食品工場やプールなどで好評
    大日本塗料が発売した環境対応形弱溶剤タイプの防かび・防藻塗料「ノンモールドMUスーパー」および「ノンモールドMAスーパー」が好評を得ている。

     「かび」や「藻」の発生を防止する塗料として、従来からある溶剤タイプに代わるもので、塗料用シンナーで希釈が可能なため環境に優しい。両製品は湿度の高い食品工場や室内プールなどの塗装に実績を伸ばしている。 特長は▽人にも環境にも優しい弱溶剤タイプ▽かび・藻の発生発育防止に長期間優れた効果を持続する▽ノンモールドMUスーパーは防火材料認定取得▽汚れ、かび・藻などが付着しても除去しやすい―など。食品工場、製紙工場、冷凍倉庫、保存倉庫、室内プールなどのコンクリート、モルタル、フレキシブルボード、石膏ボード、鉄部、その他無機質系素材の壁面などに適している。

     問い合わせ先は同社建築塗料事業部(東京03 −5710 −4503、大阪06 −6466−6624)および各営業所。