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◆日本塗装時報 2009年7月28日発行 1886号◆
■カンサイ建装「新連携」でマンション市場の開拓へ

会議の様子


 カンサイ建装工業(本社岸和田市、草刈健太郎社長)は、08年度新連携支援事業として「マンションの改修・修繕コストの抜本的削減につながる一貫施工及び運営支援サービス」が3月、近畿経済産業局と国交省近畿地方整備局から共同認定された。これを受けて、7月12、13の2日間、同事業の営業を担当するエリアマネージャーや、パートナー企業・団体を集め、エリアマネージャー全体会議を開催した。その中で、草刈保廣取締役は「大規模改修は塗装が主体の仕事であり、塗装業者が中心になるべき」と強調。管理組合に低コストで高品質な工事を提供するため、大規模改修市場に本格参入することを明らかにした。

「大規模修繕は塗装業の仕事」

 「新連携」は、異分野の企業や団体とが連携し、それぞれの経営資源を有効に組み合わせて、新市場の創出や製品・サービスの高付加価値化を実現する取り組みを支援するもの。同社では、大規模修繕における従来の外注施工プロセスを、連携体に直接発注することにより、大幅なコストダウンが可能とした。また、地域の住民が参加するエリアマネジャー・パートナーが地元に密着した営業活動を行うほか、NPO参画による安心・透明な支援サービスを提供する。
     ◇
 岸和田市の温泉「いよやかの郷」で開かれた会議では、まず信原修一専務が「不況を乗り越えるために、マンション大規模改修工事に軸足を置いて頑張っている。市場の競争は厳しいが、皆様の力を結集して受注拡大を図りたい」と開会のあいさつを行った。

 次に三好貴宏営業本部長と平元博之マドック企画部課長が新連携とエリアマネージャー制度について説明した。エリアマネージャーの紹介による大規模修繕工事が成約した場合は、工事完了後に1〜5%の紹介手数料が支払われる。

 草刈保廣取締役は、分譲マンション1500棟を訪問した結果などを報告した。大規模修繕工事に参入する際のハードルとしては、資本金、元請工事実績、経審の評価点数、保証人の問題があり、受注は容易ではないが、鉄部塗装などで専門工事業者ならではのVE提案が可能であることを説明。また、技術面では安全教育、整理整頓などの基本的な部分で新築の技術が活用できるとし、「大規模修繕工事の主なものは足場、防水、塗装であり、本来は塗装業の仕事である」と述べ、大規模修繕工事は、塗装業者が元請になるべきことを強調した。

 続いて新連携のパートナーになるNPO法人集合住宅改善センターの影山武男事務局長が「分譲マンションの営業の仕方と問題点」と題して講演した。影山氏は関西の分譲マンションの市場は年間14万戸約840億円とみられ、高経年化に伴い今後は設備工事の拡大が見込まれることを説明。戸建て住宅とマンションの営業の違いとしては、マンションの場合工事まで2、3年かかるため、根気のある営業努力が必要であることを挙げた。

 このあと、林秀二営業部長が「鉄部塗装のアプローチ」、藤田隆営業推進役が「戸建塗装工事の経過報告」、ダイフレックス・佐々倉純氏が「大規模改修工事を取り巻く現状と環境」のテーマで講演した。

 会議終了後は、引き続き懇親会を開催。当日、業者選定のヒアリングに出席していた草刈健太郎社長が駆けつけ、公募案件を受注できたことを報告し、場を盛り上げた。

 翌日は集合住宅改善センターの松山功専務理事、青木亨執行役員が講演し、最後に草刈健太郎社長の御礼あいさつで締めくくった。

■日塗装 第32回新納霊者供養式 青木山本覚寺で行う

合同慰霊碑に参拝する白川会長
 日本塗装工業会(白川隆幸会長)の平成21年度(第32回)新納霊者供養式が7月8日、横浜市神奈川区高島台の青木山本覚寺で営まれた。

 式では、まず北野紘一合同慰霊碑運営委員長が「当会創立30周年記念事業の一環としてこの慰霊牌が建立されて、今年で32年を迎えた。塗装業界の礎を築いてこられた多くの方々がここに眠っておられ、本年度はさらに14名をお送りすることになった。塗装業界も激動する社会の中で、一層複雑となり、心のゆとりがなくなっていくような時代を迎えている。そのような中で本日のこの供養式に参列して、ここに眠る先人達の遺徳を偲びつつ、温かい心を思い起こし、改めて人間性豊かな社会を構築することに貢献できれば、この上ない喜びである。そして、その業績を次代に継承することを使命とし、ささやかながらその遺業に報いていきたい」とあいさつした。

 続いて、導師による読経のあと全員で焼香した。
 白川会長は「今年で第32回目の合同供養式を迎えることになった。先達の前で良い結果を報告できればとつねづね願っているが、現実は厳しい状況にある。しかし苦しい時代は今だけではない。先達がそれを乗り切ったからこそ、今があるのだと思う。それを受け止めれば、私たちもこの苦境を乗り切って行けるはずだ。今後私たちは、力を合わせてこの業界を守り、先達の想いに応えていきたい」と決意を述べた。 このあと本堂前で記念撮影を行い、合同慰霊碑に焼香した。
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 青木山本覚寺は、横浜港開港時、アメリカ領事館として利用され、わが国の洋式塗装発祥の地とされている。日塗装では昭和53年、境内に全国塗装業者合同慰霊碑を建立し、以来、毎年全国の塗装業界物故者の霊を合祀している。

■09年度新納霊者
 今年の新納霊者は次の通り。(支部・氏名・死亡年月日・年齢・事業所名・役職)

【北海道】伊藤清治・平成20年7月2日56歳・伊藤塗工部社長【青森】種市満行・平成20年9月30日56歳・種市塗装工業社長【青森】秋元國元・平成20年12月28日91歳・秋元塗料社長【秋田】加賀谷昭一・平成21年4月16日78歳・加賀昭塗装会長【茨城】西野清・平成21年2月10日87歳・ニシノ清塗工会長【千葉】平野嘉照・平成20年9月6日72歳・平野塗装会長【神奈川】永田文子・平成20年9月22日82歳・永田塗装取締役【神奈川】加藤竹頼・平成20年11月30日92歳・加藤塗装店取締役【神奈川】渡邉藤治・平成21年4月21日89歳・旭リボート取締役【福井】山浦吉雄・平成21年4月4日91歳・三優社工業取締役【鳥取】岩崎保雄・平成20年5月17日80歳・岩崎塗装店会長【徳島】浜田正・平成20年10月24日82歳・浜田塗装会長【徳島】横田晶子・平成21年2月5日59歳・日昌社長【愛媛】多賀順一・平成20年12月17日60歳・タガ社長

■国土交通大臣表彰 塗装関係は8人に
 09年度国土大臣表彰が7月10日、同省内で行われ、塗装業界からは次の8人が表彰された。
 ▽奥野眞一氏(60歳)千葉県・呉光塗装社長、元千葉県塗装工業会副会長。▽永田好一氏(60歳)神奈川県・永田塗装社長、日本塗装工業会常任理事。▽山縣伸由氏(68歳)山梨県・山縣塗装店社長、全国マスチック事業協同組合連合会理事。▽大藤三雄氏(65歳)滋賀県・大藤社長、滋賀県塗装工業協同組合理事。▽田伏健一氏(59歳)大阪府・鉄電塗装社長、日本橋梁・鋼構造物塗装技術協会理事、大阪府塗装工業協同組合理事長。▽眞岡克憲氏(62歳)兵庫県・姫路塗装社長、元日本塗装工業会兵庫県支部支部長。▽大野良治氏(61歳)愛媛県・大野塗装店社長、全国マスチック事業協同組合連合会理事。▽石戸哲明氏(59歳)長崎県・石戸塗装社長、日本塗装工業会長崎県支部支部長。

■ブロック活動が成果 日塗装全国支部長会

会議の様子
 日本塗装工業会の第72回全国支部長会は8日、横浜ベイシェラトンホテルで開かれた。
 白川会長は「それぞれのブロックが個性豊かに事業に取り組み、懸命に汗を流している実態を見て感激している。12月にはそれぞれのブロックを評価し、財政上許される範囲で補助が行えたらと考えている」とあいさつした。

 議事では、▽登録建設塗装基幹技術者▽対外普及セミナーのブロック開催▽第22回全国建築塗装技能競技大会▽新法人制度への対応―などについて報告した。(詳細は次号)

■第3回全国建築業経営者セミナー8月2日草加市で開催
 日本建築塗装職人の会は、全国の塗装・リフォーム業者、工務店などを対象に、第3回全国建築業経営者セミナー「G―1 CLIMAX 2009」を開催する。

【日時】8月2日午後1時30分〜6時30分▽(懇親会の部)午後7時〜9時【会場】草加市文化会館3階【入場料】前列指定席2万5千円▽自由席1万9千7百円【申し込み・問い合わせ先】埼玉県草加市弁天1―13―45、日本建築塗装職人の会本部事務局、電話048・935・6757、FAX048・951・4001、Eメールsupport@aokitadashi.com


【今月の特集記事】
  • 「心の付加価値を与える塗装を」建築塗装職人の会・青木忠史氏に聞く
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