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◆日本塗装時報 2009年10月18日発行 1889号◆
■日塗装 第22回全国建築塗装技能競技大会

国土交通大臣賞を受賞した松田光司氏


厚生労働大臣賞を受賞した青木準氏
 日本塗装工業会主催による第22回全国建築塗装技能競技大会は10月7、8の2日間、岡山県総合グラウンド体育館(桃太郎アリーナ)で開かれ、大賞の部26人、新人賞の部26人、合計52人の選手が、塗装技能日本一をめざして腕を競った。新しい意匠を提案する内装仕上げとして注目されている「フレックスコート自由仕上げ」は、今回から一般見学者の投票による新しい表彰を実施し、塗装技能への認識向上に役立てた。

 7日の開会式で白川会長は「本大会は昭和43年東京で第1回大会が開技能の向上は当会の最も重要な課題のひとつであり、本大会の持つ意義は極めて大きい。

 出場選手の皆さんは、数多くの技能士の中から選ばれた卓越した技能をもつ模範となる方々である。大会の雰囲気に臆することなく自信を持っ向上と技能水準の全国的均一化が図れることを願っている。今大会はローラー・刷毛に加え、特殊なローラー、ゴムベラなどを使用して木目模様ほか、それぞれ異なる塗装仕上げとなる課題があり、来場の皆様にも、是非この塗装仕上げを見ていただきたい。出場選手諸君は日頃培われた塗装技能を駆使して、新催されて以来、半世紀近い歴史を刻んできた。この間、新材料・工法の登て取り組み、日頃の実力がいかんなく発揮されることを望んでいる」と選手を励ました。  辻修二実行委員長は「景気が低迷する中、若年塗装技能者の確保、技能・技術の伝承という社会的使命が我々に託されている。この観点から技能競技大会は極めて重要な位置付けにあり、本大会を通じて塗装技能場や環境問題など社会情勢の変化に伴い、競技課題等も時のニーズに合わせて変化し今日に至っている。

 特に19回大会より新設した「スウェード調仕上げ」は技能者の感性と意匠性を求めるもので、20回からは新人賞の部にも導入して『新しい塗装仕上げ』を提案し、競技大会の課題としても定着してきた。さらに今大会では、「フレックスコート自由仕上げ」で一般見学者にも採点投票していただくことになった。

 近年、とみに施工の重要性が求められる中でしい塗装の可能性を予感させる巧みな技を来場の方々に披露してほしい」と述べた。  このあと、9時半から競技を開始。選手たちは手際よく各課題に取り組んでいった。

国交大臣賞・松田氏(茨城)
厚労大臣賞・青木氏(山梨)


 2日間にわたる熱戦の結果、「大賞の部」一位の国土交通大臣賞は松田光司氏(37歳・茨城県・松田商事)、「新人賞の部」一位の厚生労働大臣賞は青木準氏(31歳・山梨県・加賀美塗装店)がそれぞれ受賞した。

■全国建築塗装技能競技大会 一般投票の特別賞など34人を表彰

国土交通大臣賞を授与される松田選手


厚生労働大臣賞を授与される青木選手
 第22回全国建築塗装技能競技大会の表彰式は8日午後2時半から開かれた。  永田好一常任理事の司会で開会。国歌・会歌の斉唱のあと、佐藤敏博中国ブロック会長が「この大会は皆さんにとって、大変良い経験になったと思う。これを機会に社会のため、日本塗装工業会のため先頭に立って頑張っていただきたい」とあいさつした。

 義野寛幸審査委員長は「フレックスコートはまだまだ改善の余地があった。全般的にもっと肉付けが必要で、下地が見えてはいけない。コテでは1ミリ以上付けられるが、ヘラでは1ミリも付かない。フレックスコートの良さは、やはりコテで塗った厚塗りの質感にあり、今後さらに修練を積んでほしい。大賞の部の木目描きでは、ほとんどの人が引き出し部分の処理をうまくできていなかった。全国一の技能を競うからには、もっと勉強をしていただきたい」と審査講評を述べた。

 続いて各賞の入賞選手に賞状の授与を行った。今回注目された一般見学者の審査結果は、合計122票の投票があり、大賞の部の部門賞と同じく、田中努氏(東京・佐藤興業)が最多の19票を獲得して特別賞を受賞した。  最後に来賓の国土交通省総合政策局建設市場整備課・八木課長補佐、古矢博通岡山県副知事、高谷茂男岡山市長らが祝辞を述べ、瀧山快助大会副会長の閉会の辞で締めくくった。

技能日本一の感想

 松田光司氏 「自分なりにできたと思い、5位ぐらいまでには入れるかと思っていました。他にも上手い人がいっぱいいたので、1位とは正直驚きました。普段、土壁調の塗装もよくやるのでコテの使い方は慣れています。昔の工事では全面パテしごきなどの工事が多く、パテも好きな材料でした。塗装は父の代からの家業で、18歳から入職しましたが、仕事は小学生の頃から手伝っていました」。

 青木準氏 「仕事を終ったあとなどに、会社の社長と会長に指導していただき、コツコツ練習していました。ただ、本番ではなかなか練習通りにはいかず、厳しくみると、どの課題も決して満足できるものではなかったですね。1位になれて本当に嬉しく思います」。

次回は茨城で

 次回の第23回全国建築塗装技能大会は、2011年に茨城県で開催されることが決まった。

■各賞の入賞者

大賞の部 部門賞を代表して田中選手を表彰
(氏名・支部・所属会社)
▼大賞の部
【国土交通大臣賞】松田光司・茨城・松田商事
【国土交通省総合政策局長賞】大野広・熊本・光塗装店
【岡山県知事賞】小野啓紀・岡山・松岡塗装
【岡山市長賞】田中努・東京・佐藤興業
【中央職業能力開発協会長賞】藤野充・茨城・伊藤塗装店
【日本塗料工業会長賞】佐藤博之・宮城・松川塗装店
【日本塗料商業組合理事長賞】大河道春・愛媛・西岡塗装工業
【日本塗装工業会長賞】坂本隆宏・奈良・カラービケン

▼新人賞の部
【厚生労働大臣賞】青木準・山梨・加賀美塗装店
【厚生労働省職業能力開発局長賞】川崎敏宏・福島・福島塗装店
【岡山県知事賞】東海林英明・宮城・阿部塗装工業
【岡山市長賞】難波達矢・愛知・ナガエ塗装
【中央職業能力開発協会長賞】池本竜也・大阪・五十嵐塗装店
【日本塗料工業会長賞】高尾力也・東京・栗田塗装
【日本建築仕上材工業会長賞】瀧島宏一・東京・中村塗装店
【日本塗装工業会長賞】斎藤光昭・静岡・共栄社

▼大賞の部部門賞 【課題Aフレックスコート自由仕上げ】田中努・東京・佐藤興業
【課題Bつや有合成樹脂エマルションペイント刷毛塗り仕上げ】大河道春・愛媛・西岡塗装工業
【課題Cフレックスコート平滑仕上げ】大野広・熊本・光塗装店
【課題Dフレックススェード木目調仕上げ】佐藤博之・宮城・松川塗装店
【課題E防水形複層仕上塗材E模様吹き凸部処理仕上げ】小野啓紀・岡山・松岡塗装
【調色】坂本隆宏・奈良・カラービケン

▼新人賞の部部門賞
【課題Aフレックスコート自由仕上げ】亀井勇一・愛媛・影浦塗装工業
【課題Bつや有合成樹脂エマルションペイント刷毛塗り仕上げ】池本竜也・大阪・五十嵐塗装店
【課題C合成樹脂エマルションペイントローラー塗り仕上げ】青木準・山梨・加賀美塗装店
【課題Dフレックススェードラグローリング仕上げ】池本竜也・大阪・五十嵐塗装店
【課題E防水形外装薄塗材E(単層弾性)ローラー塗り仕上げ】難波達矢・愛知・ナガエ塗装
【調色】川崎敏宏・福島・福島塗装店

▼特別賞の部
【フレックスコート自由仕上げ(一般投票の部)】田中努・東京・佐藤興業
【岡山商工会議所会頭賞】小野啓紀・岡山・松岡塗装
【岡山県中小企業団体中央会会長賞】浜辺洋志・広島・マツシタ
【NHK岡山放送局局長賞】徳光絢太・山口・村上建築塗装
【山陽新聞社社長賞】山本忠司・島根・タナカ塗装システム
【RSK山陽放送社長賞】河本猛・鳥取・牧田塗装店

■日塗装 全国支部長会 白川会長「悩みを共有して前進を」

あいさつする白川会長
 日本塗装工業会の第73回全国支部長会は10月7日午後、岡山市の岡山ロイヤルホテルで開かれた。

 冒頭、白川会長は「新体制で1年半を経過した。その間、新たな施策を実行してきた。当初、私はブロックの差別化も考えたが、全てのブロックが活発に活動を展開していただき、『とても差別はできない』というのが正直な感想である。

 相変わらず会員減少に歯止めはかからず、現在は2704社となった。会費を安くしようという議論もあるが、それでも退会する人はするだろうから、会費を下げるつもりはない。

 政権が代わっても良くなる可能性はないと思う。自らの努力によって乗り切っていくしかない。大変な時期であればこそ前を向き、上を向いて元気を失わずに進んでいきたい。地域ブロックの生の声を聞き、リアルタイムで悩みを共有しながら、全力をつくしたい」とあいさつした。

 続いて報告事項に移り▽新たな法人制度への対応▽平成22年度役員改選▽耐火塗料・塗装プロジェクト▽09年度日本建築仕上学会学術講演会▽登録建設塗装基幹技能者講習▽ペインテナンスキャンペーン―などを説明した。また、愛知県支部は「環境デーなごや2009」に出展し、遮熱塗料の実験などが好評だったことを報告し、他支部で同様な活動を行う場合、ノウハウを提供することを申し出た。

一般社団への移行11年度を目標に

 既報の通り、日本塗装工業会は当面一般社団法人への移行を図ることになったが、全国支部長会の席上、多賀谷嘉昭副会長からそのスケジュール案が発表された。

 移行方針は理事会の承認を経て来年度の総会で決議し、以後定款変更案、諸規定案、公益目的支出計画案を作成、11年度の総会でこれらの案を承認したあと同年6月、行政庁に移行認可申請書を提出する予定。

 一般社団に移行した場合のメリットとして▽会員対象の事業が今まで以上に可能になる▽公益目的事業比率にとらわれることなく、必要な事業のみ実施できる▽認定取り消しで財産を強制的に他の団体等に贈与する義務はない▽事務処理に必要な人力、コスト負担は公益社団より少なくて済む―などを挙げている。

来年度の役員改選会員理事15人を増員

 一般社団法人への移行に関連して、日本塗装工業会では11年度に理事数の改定を実施する。

 現在の会員外理事22人は7人に減らし、会員理事を15人増員することにしている。
 増員する理事のブロック別割り当て案(カッコ内は現在数との合計)は▽北海道1(2)▽東北1(2)▽関東2(3)▽東京・神奈川2(3)▽北陸1(2)▽中部2(3)V近畿2(3)▽中国1(2)▽四国1(2)▽九州2(3)。

耐火塗料・塗装 プロジェクトの発足へ

 日本塗装工業会技術委員会(川端祥治郎委員長)は、耐火塗料・塗装プロジェクトの担当委員を決めた。今後、会則などを作成して入会希望者を募り、本年度中には第1回目の研修会を開いて活動を始める予定。

 委員構成は次の通り。
【担当副会長】乃一稔【委員長(会長)】川端祥治郎【副委員長(副会長)】真岡克憲▽(メーカー側)若林英樹(日本ペイント販売)【日塗装委員】本間清則▽中村昭則▽阿部茂▽上田伸一▽佐護徹▽佐藤重也▽安島壮▽池田昭大▽市坪孝志【メーカー委員】植原秀郎(日本ペイント)▽岡田全可(関西ペイント販売)▽上野山剛(関西ペイント販売)▽藤本憲司(大日本塗料販売)

建設塗装基幹技能者1862人に

 日塗装登録建設塗装基幹技能者講習委員会のまとめによると、登録建設塗装基幹技能者は、9月末現在で1862人になった。うち特例講習の受講者は1785人、登録講習の合格者は77人。登録者数が多い支部は北海道(210人)、千葉(94人)、鹿児島(73人)など。

 3月東京で行われた第1回目の登録講習では69人の受講者のうち58人が合格したが、9月大阪で実施された第2回目は受講者43人に対して合格者は19人(合格率44%)にとどまった。第3回目の登録講習は来年3月頃に実施する予定。

 また、新制度に移行前の認定者は1967人だったが、うち144人はまだ特例講習を受験しておらず、すでに38人が資格を喪失している。

遮熱塗料 性能評価で調査

 日塗装技術委員会は来年2月18日、東京・建築会館ホールで第10回塗装技術研究発表会を開催するが、これに向けた資料を作成するため、「遮熱塗料性能評価アンケート」を実施する。アンケートでは、施工した遮熱塗料の実績や経時変化、施主の評価、実際の効果などについて調査する。

建築仕上学会大会で遮熱塗料など発表

 日本建築仕上学会の2009年大会学術講演会(第20回研究発表会)が10月22、23の2日間、東京大学(本郷)山上会館大会議室で開かれる。
 日本塗装工業会技術委員会では22日午前10時30分から11時45分まで、路面用遮熱塗料や屋根用遮熱塗料の調査研究成果を発表する。

 参加費は会員1000円、非会員4000円。
 問い合わせ先は同学会(03・3798・4921)。

安全スローガンを募集

 日塗装安全・環境委員会(山浦節櫻委員長)は、2010年度の安全スローガンを募集している。
 募集期間は11月15日までで、12月16日の常任理事会で最終選考を行い、得票の最も多い1点を最優秀作品として決める。最優秀作品の応募者には賞金5万円を贈呈する。
 審査結果の正式発表は来年1月14日で、採択された安全スローガンは支部の安全大会など、安全行事に広く使用する。

ペインテナンスが終了

 第10回ペインテナンスキャンペーンは9月末で終了した。10月5日現在の集計によると、実績数合計は1338件。実績数が多い支部は岩手(178件)、大阪(144件)、秋田(123件)など。ただ、未報告の支部も多いため、今後さらに上積みが期待されている。

■「エア式静電塗装工法」近畿塗装協組連が認定講習会開く

技術者と技能者全員に学科講習

技術者は実技試験を実施
 近畿2府4県の塗装協同組合で構成する近畿塗装協同組合連絡協議会は10月3日、堺市産業振興センターで、エア式静電塗装工法の認定講習会を開いた。同協議会は大阪府塗装工業協同組合(田伏健一理事長)、大阪塗装協同組合(小林謙二理事長)、兵庫県塗装工業協同組合(眞岡克憲理事長)、京都府塗装工業協同組合(鈴木豊理事長)、滋賀県塗装工業協同組合(稲葉明理事長)、奈良県建設塗装工業協同組合(松田正義理事長)、和歌山県塗装工業協同組合(前芝敏理事長)の7組合が参加、生産性と環境面に優れた同工法を「人と地球にやさしい新工法」として推進している。認定講習会の開催は昨年8月に次いで今回が2回目(協議会としては初めて)。当日は技能者29人、技術者28人、合計57人が参加した。

 講習会に先立ち、主催者を代表して田伏理事長は「近年、公共工事をはじめ鋼構造物の現場塗装ではスプレー工法が塗装仕様に反映され、特に静電気を利用したスプレー工法は塗着効率が高のが今回のエア式である。

 エア式工法は、すでに阪神高速道路で試験施工され、その後、三重の中里高架橋塗装工事、四日市南部橋梁塗装工事、名古屋の23号猿渡川高架橋橋梁塗装工事で実績があるほか、北陸地方整備局所管の片貝大橋外3橋塗替塗装工事などの大型工事を受注した。さらに、奈良県道笠置山添線橋梁補修工事にも採用されている。本年度は、阪神高速道路より大量の工事発注があり、その多くがエア式静電塗装工法と聞いている。生産性、安全性、環境性に効果のある工法として、これから多くの現場で採用されることが、期待されている。

 この優れた工法を、近畿地区から全国に広げていくためには、本日受講される皆様が正しい知識と正しい取り扱い方法を学び、現場に反映させていただくことが重要であり、講習会の大きな目的でもある」とあいさつした。

 次いで松室利幸実行委員長が工法の概要を説明。引き続き午前中は学科(エア式静電塗装の仕組み、特徴、施工方法)、午後はスプレーガンの塗装実技などを研修し、最後に実技試験(技能者)と筆記試験を行った。

 当日の受講者は▽大阪府25人▽京都府4人▽滋賀県7人▽奈良県10人▽和歌山県7人▽員外4人。

エア式静電塗装工法の概要

 静電気を利用したスプレーガンにより塗料の塗着効率を高め、従来のスプレー方式に比べ、塗料のロスと飛散を大幅に減らした塗装システム。ダブルメッシュシートと組み合わせる事により屋外の現場で施工を可能にした。

 使用できる塗料は、1液型および2液型の合成樹脂塗料(エポキシ樹脂塗料、ポリウレタン樹脂塗料、フッ素樹脂塗料など)で、霧化した塗料の粒子を帯電させるため、電気が通りやすい水性塗料には適さない。

 刷毛やローラーに比べ、養生や飛散対策に手間がかかるが、一度に施工出来る面積が大きく、比較的大規模な現場に向いている。

 特長は▽電気ケーブルを必要としない為、ケーブルの断線や漏電による感電、スパークの危険性がない▽空気を使ってガンに内蔵されたダイナモを回し、静電気を発電する方式のため安全性が高い▽アースが取れていない場合、危険電流になる前にガンが検知し、自動的に静電気を遮断する▽スプレー方式は専用エアレスチップを通して霧化されるので、高い圧力が要求される粘度が高い塗料にも対応できる―など。

 資格は、技能者を対象にした「施工責任者」と、技術者を対象にした「施工管理責任者」に分け、所定の講習を受講して修了試験に合格した人を組合が認定する。受講資格は、「施工責任者」の場合、「特」「般」の2種類があり、「特」認定は1級鋼橋塗装技能士または2級鋼橋塗装技能士合格後、実務経験3年以上、「般」認定はその他の橋りょう塗装工。施工管理者は▽1級土木施工管理技士▽2級土木施工管理技士(鋼構造物塗装)▽建設業法第7条第2号のロ(10年以上の実務経験)に該当する者―としている。

■「環境デーなごや2009」日塗装愛知県支部が遮熱塗料をPR

山中支部長(右)と川村市長(左)


愛知県支部のブースは子供にも大人気
 「ともにめざそう!環境首都なごや」をテーマに、今年で10回目となる「環境デーなごや」(主催・名古屋市環境局都市推進課同実行委員会)の中央行事が9月20日、久屋大通り公園で行われた。

 日本塗装工業会愛知県支部(山中勇支部長)は協賛団体として「地球環境ひろば」に初めてブースを出展。遮熱塗料の効果を体感できるミニハウスなどの展示を行い、来場者の人気を集めた。

 オープニングセレモニーでは、山中支部長が河村たかし市長にヒートアイランド対策として遮熱塗料が高い効果を発揮することを説明。一般の塗料を塗った板と、遮熱塗料を塗った板を触り比べて、その違いを体感してもらった。河村市長は「どえりゃー違いますよ」と感激。「魔法のような素晴らしい技術だ」と高く評価した。

 また、午後からの名古屋市環境局ステージでは、「環境おもしろ実験」で遮熱温度当てクイズを行うなど環境イベントの盛り上げに協力、遮熱塗料の効果を強くアピールした。

 このほか会場では、チェリッシュのミニコンサートと地球だいすき! トーク、「なごやエコキッズ」と歌うエコソング「愛・地球博」、記念市民合唱団による歌の披露など多彩なイベントが繰り広げられ、環境意識の向上を訴えた。

■『橋梁・鋼構造物塗装』
 日本・橋梁鋼構造物塗装技術協会は『橋梁・鋼構造物塗装』通巻134号を発刊した。内容は▽鈴木精一会長あいさつ▽鈴木克宗道路新産業開発機構常務理事「橋の健康も早期発見、早期治療」▽玉越隆史国土技術政策総合研究所道路構造物管理研究所長「道路橋の維持管理システムへの提言」▽真辺保仁本州四国連絡高速道路橋梁維持第二課長「瀬戸大橋塗替塗装の現況」▽技術報告「鋼製橋梁の塗替えにおけるブラスト処理工法とその考え方」など。

■カラーユニバーサルデザイン DIC、配色セットを開発 プロセス印刷が可能に
 DICは、一般的なプロセス印刷で使用可能な配色セット「ユニバーサルデザイン推奨配色セット/プロセスカラー版」を開発、10月6日から10日まで東京ビッグサイトで開かれたJGAS2009(総合印刷機材展)で発表した。

 同社と日本塗料工業会、東京大学、NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構は4月、ユニバーサルデザインの考え方に沿い、できるだけ多くの人が識別できる20色を共同で発表したが、プロセス印刷をした場合の各20色の検証やCMYK値の設定には至っていなかった。

 今回開発された配色セットは、これまでの研究と識別検査の成果をもとに、各20色のCMYK値を設定したもので、ユニバーサルデザインの普及に向けた大きな前進になるものと期待されている。

■マスチック 単組と連合会の総会日程
 マスチック各単組と連合会の総会開催日程は次の通り。
 ▽連合会(10月29日)東京・明治記念館▽北海道協組(10月19日)札幌市・ポールスター札幌▽東北協組(10月27日)仙台市・パレスへいあん▽関東協組(10月23日)東京・スクワール麹町▽中部協組(10月14日)名古屋市・ホテルキャッスルプラザ▽近畿協組(10月16日)大阪市・ホテル阪神▽中国・四国協組(10月22日)広島市・メルパルク広島▽九州協組(10月17日)札幌市・札幌パークホテル

■『日塗商』9月号
 日本塗料商業組合が発刊。内容は▽友野昌幸理事長あいさつ▽宮原清専務理事「塗料販売業の現状と課題について」▽第160回製・販・装連絡会議事録▽保険ニュース▽平工奉文経済産業省製造産業局長「新型インフルエンザへの対応の徹底について」▽新型インフルエンザ基本的対処方針のQ&A。

■住環境測定協会 住環境アドバイザー試験日程決まる
 NPO法人住環境測定協会は住環境測定士補(住環境アドバイザー)試験の日程を発表した。
 住環境アドバイザーは同協会の認定資格で、ホルムアルデヒドの放散濃度測定やアスベストのサンプリング・測定などの業務の専門家を認定する制度。2級住環境測定士(住環境コンサルタント)の受験資格となっている。

 試験は全国18会場で平成22年4月4日、全国一斉に行われる。試験対策セミナーは札幌・東京・大阪・福岡で開催の予定(日時未定)。
 なお、受験希望者が10人以上いる場合は、団体受験も受け付けている。

【試験会場】札幌市・星槎国際高等学校札幌学習センター▽弘前市・弘前商工会議所▽秋田市・秋田県総合保健センター▽仙台市・宮城県県民会館▽東京都・東京土建一般労働組合世田谷支部会館▽新潟市・新潟ユニゾンクラブ▽長野市・協立厚生会館▽静岡市・静岡商工会議所▽名古屋市・東海会館▽姫路市・姫路商工会議所▽大阪市・新大阪丸ビル本館▽岡山市・岡山県総合福祉会館▽広島県・住環境測定協会本部セミナールーム▽山口市・山口県商工会議所▽高松市・高松商工会議所▽福岡市・博多ビル管理事務所▽熊本市・九州測量専門学校▽那覇市・沖縄青年会館
【受験料】1万5000円
【受験申込締め切り】平成22年3月10日
【問い合わせ・申し込み先】同協会(082・890・1023)

■マンション計画修繕施工協会 保証事業を再検討 瑕疵担保履行法と整合図る
 マンション計画修繕施工協会(坂倉徹会長)は、5月から独自の完成保証・瑕疵保証制度をスタートさせ、すでに会員企業から30件を超える保証申し込みを受けていたが、10月から施行された住宅瑕疵担保履行法との整合性を図るため、新規申し込みを中止して国交省住宅局と協議を行っている。同協会では、現在の保証制度をより充実させ、年内には再開する予定。

■家庭塗料の塗装教室 関西ペイントが尼崎事業所で開催
 関西ペイントとカンペハピオは、家庭塗料の塗装教室を開く 関西ペイントは、先に漆喰塗料「アレスシックイ」の塗装教室を開いたところ、多数の問い合わせや質問があった。家庭塗料やDIY塗装への関心が高いことが分かったため、アレスシックイ塗装教室に引き続き、『あなたもチャレンジ!

 カンペハピオの「家庭塗料」塗装教室』と題して開催することになったもの。
 同講習会は10月24日午後1時30分から約2時間、関西ペイント尼崎事業所で開催。塗料・塗装の基礎知識や室内かべの塗装実演、参加者による塗装体験などを予定している。
 募集人数は20名程度で、申し込みは同社ホームページから受け付け、応募者多数の場合は、抽選により参加者を決定する。

■木目描きの技を競う「技能グランプリOSAKA」

塗装部門の競技風景
 大阪府技能士会連合会主催による第21回大阪府技能競技大会(技能グランプリOSAKA)が9月26日、大阪府摂津市のポリテクセンター関西で開かれた。

 同大会は、技能の重要性をアピールするとともに、技能士の社会的地位向上のため毎年開催しているもので、今回は建築塗装、タイル張り、建築板金、フラワー装飾など10職種から51人の選手が出場した。

 建築塗装の部には、大阪府技能士会、大阪府塗装工業協同組合、日本塗装工業会大阪府支部の3団体が共同で参加。競技は「つやあり合成樹脂エマルションペイント刷毛塗り仕上げ」と「フレックススウェード木目調仕上げ」の2課題で行った。

 参加選手は次の通り。
 ▽大城和也(石渡康三郎塗装店)▽鈴木慎一郎(同)▽松尾渉(カラー塗装)▽山崎幸樹(竹延)。
 成績優秀者の表彰は11月20日、大阪市中央区の「エル・おおさか」で開かれる大阪府職業能力開発促進大会で行われる。

■神東塗料『環境報告書2009』
 神東塗料は、同社の環境保全活動をまとめた『環境報告書2009』を作成した。
 内容は▽宮脇一郎社長あいさつ▽会社概要▽コートレートガバナンス/コンプライアンス▽品質、安全、環境に関する経営基本方針▽コーティング・ケア活動▽環境マネジメントシステム・品質マネジメントシステム▽環境負荷低減の取り組み▽環境配慮形製品の紹介▽安全衛生活動▽化学品安全の取り組み▽社会とのコミュニケーション▽事業所サイトレポート。

■会社人事
関西ペイント  (10月1日)取締役国際本部副本部長兼国際本部第1営業部長(取締役国際本部副本部長)石川和雄▽国際本部第2営業部長、南学▽技術企画管理本部SD研究所長、前川浩二▽技術企画管理本部SD研究所第1研究部長、野村信二▽技術企画管理本部SD研究所第2研究部長、中村信一 大日本塗料  (10月1日)常務執行役員(取締役執行役員)国際本部長兼資材本部副本部長三角高敏【一般塗料部門】車輌産機塗料事業部マーケティンググループチームリーダー、伊藤武▽車輌産機塗料事業部マーケティンググループ専任課長、奧田実 【工業塗料部門】建材塗料事業部 テクニカルサポートグループ長兼建材塗料事業部塗装技術グループ長、斉木郁夫▽プラスチック塗料事業部開発グループ長、藤川浩司▽プラスチック塗料事業部開発グループ専任部長、荻田見次▽建材塗料事業部塗装技術グループ専任課長、下菊義範▽プラスチック塗料事業部テクニカルサポートグループチームリーダー、小川修 【技術開発部門】研究部研究第一グループチームリーダー、岩瀬嘉之 【生産部門】生産技術企画部生産管理チーム専任課長、小林茂▽生産技術企画部生産管理チームチームリーダー、清水博之▽那須工場施設課専任課長、陣内房信▽生産技術企画部設備技術チームチームリーダー、野崎賢▽生産技術企画部生産企画チームチームリーダー、三宅章弘▽兼那須工場製造第一課長、金沢成吉▽那須工場製造第一課専任課長、人見重行▽那須工場製造第三課長、高橋晋▽那須工場製造第三課専任課長、岸忠佳▽小牧工場製造第三課専任課長、中村清一▽小牧工場製造第四課長、平林和幸▽小牧工場製造第二課長、佐藤弘暢▽小牧工場製造第二課専任課長、村山則夫▽小牧工場工程課専任課長、石井正二

■組織変更
関西ペイント

 (10月1日)技術企画管理本部SDセンターを技術企画管理本部SD研究所に名称変更する。

大日本塗料

 (10月1日)生産部門の溶剤系塗料工場の組織の効率化を図るため那須工場 製造第一課及び製造第二課を統合し製造第一課とする▽小牧工場製造第一課及び製造第二課を統合し製造第一課とする▽製造課の統合に伴い、従来の那須工場 製造第三課・製造第四課を製造第二課・製造第三課に、小牧工場 製造第三課・製造第四課・製造第五課を製造第二課・製造第三課・製造第四課にそれぞれ改称する。

■全国建築塗装技能競技大会 各部門賞の入賞作品
※下記作品は、本紙第1889号にカラーで掲載しております

大賞の部・フレックスコート自由仕上げ
テーマ「大原の睡蓮 モネの追憶」田中努氏(東京)

新人賞の部・フレックスコート自由仕上げ
テーマ「虜 TORIKO」亀井勇一氏(愛媛)

大賞の部・つや有合成樹脂エマルションペイント刷毛塗り仕上げ
大河道春氏(愛媛)

新人賞の部・つや有合成樹脂エマルションペイント刷毛塗り仕上げ
池本竜也氏(大阪)

大賞の部・フレックススェード木目調仕上げ
佐藤博之氏(宮城)

新人賞の部・フレックススェードラグローリング仕上げ
池本竜也氏(大阪)


【今月のだめひろい】
  • 技能競技大会の成果 感性に訴える塗装を提案
  • (概略は→こちらでご覧いただけます。)

    【今月の特集記事】
  • 日塗装 第22回全国建築塗装技能競技大会開催

  • 【新製品情報】
    ■関西ペイント CO2を大幅に削減 低温硬化型粉体塗料を発売
     関西ペイントは、従来の粉体塗料より20〜 30℃低温硬化が可能な粉体塗料「エバクラッドハーベスト」を開発、10月1日から本格発売した。

     現在、日本で屋外用途に使用される粉体塗料はイソシアネートによる硬化系のものが多く使われているが、焼付乾燥温度が170〜180℃と高いのが難点。また、焼付乾燥時に発生する化学物質がPRTR法で規制されるほか、焼付乾燥炉内部にヤニが付着するなどが問題になっていた。

     これに対し、近年欧州で多く採用されているβ−ヒドロキシアルキルアミド(HAA)硬化系の粉体塗料は焼付乾燥温度が低く、省エネ効果に優れるのが特長。
     「エバクラッドハーベスト」は、独自の配合技術により屋外用の鋼性材料に使用が可能なHAA硬化系の粉体塗料で、耐候性・耐食性・耐水性に優れ、150℃硬化を実現した。
     焼付乾燥温度の低減により従来の屋外用粉体塗料に比べ25%の省エネ効果があり、CO2排出量も16%削減できるという。
     HAA硬化系の粉体塗料は焼付乾燥時に反応副生成物として水しか発生しないことから、従来のウレタン硬化系粉体塗料で問題となっていた焼付乾燥炉内のヤニ汚れを防止し、焼付乾燥炉内の洗浄の手間も省略する。

     特長は▽既存の高耐候性ポリエステル/ ウレタン塗料と同等以上の耐候性をもつ▽PRTR法に規定される特定化学物質を含有しない▽低温硬化と優れた耐候性、PRTRフリーの実現により、環境にやさしい粉体塗料として屋内外用途の幅広い工業製品向けに利用できる―など。

     同社では、来年度年商2億円を目標に積極的に販売していく予定。