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◆日本塗装時報 2009年6月18日発行 1884号◆
■関西ペイント 自動車用が大幅減
 関西ペイントの09年3月期連結決算は、売上高2299億88百万円(前々期比10・4%減)、連結営業利益134億23百万円(同43・5%減)、連結経常利益145億61百万円(同44・3%減)、同純利益107億86百万円(同21・6%減)。

 新車用塗料分野は、世界同時不況による自動車車生産の落ち込みにより、売上高は急減し、特に第4四半期は出荷額が半減した。自動車補修用塗料分野も需要が減退し、自動車用塗料分野全体では前年度実績を下回った。

 工業塗料分野は、缶包装材向け塗料は伸びたが、産業機械向け塗料が減少した。
 建築塗料分野は、遮熱・断熱塗料や、漆喰塗料の拡販に努めたが、市況が悪化した。一方、インドでは、現地の売上は伸びたが、為替の影響により邦貨ベースでは減少した。

 船舶塗料分野は、船底防汚塗料など高付加価値製品の拡販により、売上は伸びた。
 鉄構塗料分野は、橋梁市場及び電力・プラント市場での新設物件・塗替物件の採用が増加した。
 その他事業では、国内外での自動車生産台数の減少により、塗膜保護用フィルムは減少した。

 10年3月期は「国内事業の収益性強化」「海外事業の拡大」などに力を入れ、連結売上高2080億円(前期比9・6%減)、同経常利益100億円(同31・3%減)、同純利益50億円(同53・6%減)、1株配当10円(据置)を見込む。

■大日本塗料 システム導入費など響く
 大日本塗料の09年3月期連結決算は、売上高802億72百万円(前々期比0・1%増)、営業損失 19億49百万円、経常損失28億1百万円当期純損失34億37百万円。

 塗料事業はタイの連結子会社が加わったが、全体では減少。照明機器事業はニツポ電機が大幅減収になったが、ダイア蛍光が新たに連結子会社に加わり増加した。利益面では、上期は原材料価格の高騰、下期は景気の悪化による大幅な数量減により減益になった。
 また照明機器事業の減益や基幹システムの切り替え実施に伴う立上げ費用が影響した。

 一般塗料分野では、構造物塗料が指名活動強化による物件獲得により好調に推移したが、建築塗料や重車両・産業機械用塗料は数量・金額とも減少。全体では数量減だが、増収となった。
 工業塗料分野は、建材塗料や粉体塗料は販売数量・金額ともに回復したが、プラスチック塗料、金属焼付用塗料、自動車用塗料が低調。全体では減少した。

 この結果、塗料事業全体の売上高は652億74百万円(前々期比1・3%減)、営業利益は1億67百 万円(同94・9%減)となった。
 照明機器事業の売上高は99億10百万円(同3・7%増)、営業利益4億25百万円(同53・1%減)。

 10年3月期の連結決算見通しは、売上高750億円(前期比6・6%減)、営業利益15億円、経常利益10億円、当期純利益4億円を見込んでいる。

■日本ペイント 自動車・工業用が不振
 日本ペイントの09年3月期連結決算は、売上高2396億16百万円(前々期比7・6%減)。利益面では原材料価格の上昇と下期からの売上減が重なり、営業利益30億61百万円(同69・1%減)、経常利益36億54百万円(同67・7%減)、当期純利益18億2百万円(同73・1%減)。
 自動車用塗料の売上高は、前々期に比べ170・5億円減少し、794億78百万円となった。うち国内は97億円減少した。海外では減少分のうちの大半が北米。

 工業用塗料分野は、10・6億円減の420億1百万円で、うち国内は17・4億円減少した。
 汎用塗料は前々期に比べ10億円増加し、450億17百万円。うち国内は、6・8億円増加した。建設用塗料分野は、需要の低迷により減少。重防食塗料分野は、民間需要や橋梁のメンテナンス需要が好調に推移するとともに、コンクリート関連需要が拡大した。施工分野では、ハウスメーカーからの受注拡大が奏功した。アジアでは、新規連結効果もあり、3・2億円増加した。

 その他の塗料は船舶用塗料好調だったが前々期比26億円減少し、606億34百万円となった。

 10年3月期は、製造経費や販売管理費の大幅削減などコスト構造の改革に努めほか、海外では中国を中心に市場展開を加速させる。連結業績予想は、売上高2120億円(前期比11・5%減)、経常利益69億円(同88・8%増)、当期純利益34億円(同88・6%増)、1株配当4円(前期6円)を見込んでいる。

■エスケー化研 増収だが減益に
 エスケー化研の09年3月期連結決算は、売上高624億80百万円(前々期比4・0%増)、経常利益 59億40百万円(同6・1%減)、当期純利益35億円(同8・4%減)。

 建築塗料業界は厳しい経営環境の中で推移したが、特許のセラミック複合の低汚染塗料を中心に、シリコン系やふっ素塗料系の製品が伸びた。リフォーム分野ではヒートアイランド対策に貢献する省エネタイプの遮熱塗料や高意匠性塗材で市場を開拓した。また、新しく内装市場の開発に積極的に取り組んだ。

 耐火被覆や断熱材の分野では、セラミック系耐火被覆材や、発泡性耐火塗料、断熱材などが大きく拡大した。
 利益面では、原油高による原材料費の上昇、人員増強による人件費の増加や急激な円高による為替差損の発生により、減益になった。

 今後は、世界的な景気悪化の長期化が予測され、建築塗料業界でも総需要減退の影響を受け、公共 投資や住宅建設の減少が見込まれる中、▽国内では塗り替え需要や、耐火、断熱を中心とした防災関 連製品の受注▽中国を中心にした海外市場の販売拡大▽市場のニーズを先取りした環境・機能性重視の新製品の開発▽インターネットを利用した情報システムの充実―などに取り組む。

 10年3月期の予想は連結売上高665億円(前期比6・4%増)、営業利益66億50百万円(同13・2%増)、経常利益68億50百万円(同15・3%増)、当期純利益41億円(同17・1%増)、1株配当40円(据置)を見込んでいる。

■中国塗料 国内船舶用など堅調
 中国塗料の09年3月期連結決算は、売上高1036億66百万円(前々期比1・1%減)、営業利益 84億29百万円(同3・7%増)、経常利益78億99百万円(6・1%増)、当期純利益50億31百万円(同1・7%減)。

 塗料事業の売上高は、国内船舶用塗料の増加により、前々期比10・3%増の430億69百万円。一方、アジアでは船舶用塗料が増加したが、コンテナ用塗料が減少したことに加えて為替が円高に進んだことから前期比8・9%減の492億5百万円、その他地域は同2・8%減の108億38百万円となった。 

 10年3月期の連結業績予想は、売上高940億円(前期比9・3%減)、営業利益80億円(5・1%減)、経常利益75億円(同5・1%減、当期純利益48億円(同4・6%減)、1株配当13円(据置)を見込む。

■ロックペイント 減収だが大幅増益に
 ロックペイントの 09年3月期連結決算は、売上高235億20百万円( 前々期比4・7%減)、営業利益6億19百万円(同4億49百万円増)、経常利益10億58百万円(同5億52百万円増)、当期純利益3億64百万円(同6億52百万円増)と大幅増益になった。

 製品価格の修正、生産効率の向上、社内コスト削減などが奏功した。また、子会社の関東ロックペイ ントや九州ロックペイントを吸収合併し、年度末時点では連結対象子会社はなくなった。

 車両塗料分野は販売店やユーザーを対象に環境セミナーを実施し、VOC排出50%削減が可能な「プロタッチハイソリッド仕様」、PRTR対応型のハイソリッドクリヤー「マルチトップハイクリヤー」などの拡販を図り、売上高はほぼ横ばい。

 建築塗料分野は環境負荷の少ない水性塗料、鉛・クロムフリー塗料、高性能弱溶剤型塗料などに力を入れたが、売上高は前年比マイナス3・9%と微減。

 工業塗料分野は粉体塗料、「タフロック」、アクリル、ポリウレタン等、焼付け塗料、ドライラミ ネート用接着剤「アドロック」などの拡販、輸出を強化し、前年比ほぼ横ばい。

 家庭塗料分野は主要製品のエアゾールが不振で減少した。
 今後、車両塗料分野では、環境問題に対応する、新タイプの水性ベースコート「ネオウォーターベース」など水性シリーズの充実を図り、環境対応型の次世代クリアー「ハイパークリアー」に注力する。また、全国7ケ所の研修センターを活用し、環境塗料対応セミナー等開催する。

 建築塗料分野では低VOC、低汚染、低温造膜性を向上させた「V・O −Uシリーズ」、高性能外装上塗「ビルロック」、弱溶剤二液型シリコン塗料「ハイパーユメロック」、弱溶剤一液型ウレタン塗料「ダイナロックV」などを拡販する。
 10年3月期の決算予想は未定。

■トウペ 塗料・化成品とも低調
 トウペの09年3月期連結決算は、売上高152億82百万円(前々期比10%減)、営業損失9億98百万円、経常損失10億81百万円、当期純損失16億円。
 塗料の売上高は125億44百万円(同5・9%減)。鋼構造物用塗料は橋梁関係が増加したが、他の塗料分野は期後半の景気低迷の影響から前期実績を下回った。

 工業用塗料は、建築資材向けの塗料は住宅関連の需要の低迷から減少、電気・機械製品向けの塗料は微減、皮革用塗料は高級皮革製品向けのエナメル塗料が落ち込んだ。
 建築外装用塗料は期後半が低調で減少。路面標示用塗料分野は公共投資の減少から前期実績に達しなかった。
 化成品の売上高は27億37百万円(同25%減)。 自動車関連用のアクリルゴムは自動車関連の急激 な需要の落ち込みの影響で前期実績を大きく下回った。

 10年3月期の連結業績予想は、売上高145億円、営業利益1億40百万円、経常利益10百万円、当期純利益0円。

■アサヒペン インテリア・園芸は順調
 アサヒペンの09年3月期連結決算は、売上高168億33百万円(前々期比1・6%減)、営業利益5億50百万円(同11・0%減、経常利益3億98百万円(同2・1%増)、当期純利益2億70百万円(同 59・9%減)。
 塗料部門の売上高は、100億39百万円(同4・6%減)。新製品の遮熱塗料や主力製品の拡販を図ったが、塗装工事部門が不振だった。

 住宅メンテナンス用品・日用雑貨・園芸用品事業は、インテリア用品、園芸用品が順調で、売上高は 67億93百万円(同3・1%増)。
   10年3月期の連結業績見通しは、売上高171億円(前期比1・6%増)、営業利益5億90百万円(同7・2%増)、経常利益4億10百万円(同2・9%増)、当期純利益3億80百万円(同40・6%増)、1株配当5・5円(据置)。

■神東塗料 工業用など低調で減益に
 神東塗料の09年3月期連結決算は、売上高213億17百万円(前々期比3・1%減)、営業利益3億88百万円(同55・9%減)、経常利益6億8百万円(同43・4%減)、当期純利益2億99百万円(同45・2%減)。

 工業用塗料分野は、アルミ電着塗料が建築基準法改正の影響から回復したが、ビル建設、住宅用とも需要が冷え込み、ほぼ前年並み。
 工業用電着塗料は、既存顧客ラインの生産調整による稼動率の大幅な低下により減収。粉体塗料や自動車関連は低調だったが、水道管用塗料は増加した。

 汎用塗料は、建設用塗料が橋梁・プラントの受注減少と戸建改修市場の低迷により低調。道路施設用塗料は、区画線用途は低調だが、カラー舗装材・すべり止め用途、アスファルト補修材が伸びた。

   この結果、塗料の売上高は195億60百万円で、前々期比5億98百万円減少した。
 化成品部門の売上高は17億56百万円で、同93百万円減少した。
 10年3月期の連結業績予想は、売上高207億円(前期比2・9%減)、営業利益3億70百万円(同4・7%減)、経常利益5億10百万円(同16・2%減)、当期純利益2億50百万円(同16・6%減)、1株配当4円(据置)を見込んでいる。

■イサム塗料 車補修用が堅調で増益
 イサム塗料の09年3月期連結決算は、売上高少し、81億40百万円(前々期比2・3%減)、営業利益3億93百万円(同42・5%増)、経常利益6億20百万円(29・9%増)、当期純利益3億84百万円(同46・2%増)。

 自動車補修用塗料分野では、環境対応型低VOCベースコート「アクロベース」やハイソリッドクリヤー「アクセルクリヤー」シリーズを充実。また、最近の金属光沢感に優れた自動車塗色に対応するため、高輝度の塗色への対応を可能にした新型アルミ原色としてメタリーベース「コスモシリーズ」を上市した。

 建築用塗料分野では、主力の「ネオシリカ」シリーズで高耐久・低汚染塗料「エコシリカ21C」、室内環境対応水性塗料「アクアートエコ」、磁器タイル壁面改修工法「タイルガード」、磁器タイル床面のすべり止め工法「スキッドガード」の販売を推進した。

 エアゾール分野では工業用スプレー「イサムエアーラッカーエコ」「ユニプラPPエコ」を発売し環境対応型の充実を図った。

 10年3月期の連結決算予想は、売上高83億円(前期比2・0%増)、営業利益4億円(同1・8%増)、経常利益5億円(同19・3%減)、当期純利益2億80百万円(同27・1%減)、1株配当10円(据置)

■菊水化学は増収減益
 菊水化学工業の09年3月期決算は、売上高154億11百万円(前々期比5・7%増)、営業利益32百万円(同90・1%減)、経常利益61百万円(同83・0%減)。
 有価証券評価損と役員退職金を計上したため当期純損失は1億79百万円。

 建築仕上材は前年同期比1・4%増、建築下地調整材は同2・0%減、タイル接着材は同18・9%減、ファインセラミックは同5・9%減、建築土木資材は同82%増、ビルリフレッシュは住宅メーカーからの指名受注数の増加により、同14・6%増となった。

 10年3月期の業績見通しは、売上高160億円(前期比3・8%増)、営業利益5億円、経常利益5億30百万円、当期純利益2億80百万円、1株配当9円(据置)。